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幸運をつかむ力、セレンディピティ|ビジネスとの関係や起こすための行動も解説
セレンディピティという言葉を知っていますか?これは幸運な偶然を指しており、最近ではビジネスにおいても使われています。
今回は、セレンディピティの概要やビジネスとの関係、起こすためのポイントについて解説します。
目次
セレンディピティとは幸運な偶然をつかむこと
セレンディピティは、「幸運な偶然をつかむこと」や、「偶然もたらされた幸運」を意味する言葉です。
ビジネスにおいては「幸運を捕まえる能力」という意味で使われることが多く、変化が多い時代の中でラテラルシンキング(既存の方法にとらわれずアイデアを生み出す方法)を鍛えるために重要な要素とされています。そのほか、科学の分野でもよく用いられ、「偶然に生まれた発明や発見」という意味で使われており、ノーベル賞受賞者のインタビューなどでも時折登場しています。
この言葉は、イギリスの政治家・小説家であるホレス・ウォルポールによって生み出された造語です。ウォルポールが子供の頃に読んだペルシャの童話「セレンディップの3人の王子」のストーリーをもとにしており、セレンディピティという言葉はタイトルに由来しています。
この物語は、登場する3人の王子が旅の途中での出来事に対して、知恵や洞察力をもって臨んだ結果、もともと探してもいなかった有益なものを偶然に見つけるという話です。
このストーリーから、セレンディピティは単なる幸運のことではなく、知識や経験を積み重ねた結果起こるものだともされています。
シンクロニシティとの違い
セレンディピティと似た意味の言葉に「シンクロニシティ」があります。これはスイスの心理学者、カール・グスタフ・ユングによって提唱された概念で、「意味のある偶然の一致」を意味する言葉です。例えば、しばらく疎遠になっていたある友人のことをふと思い出した直後に、その友人が家まで訪ねてきた、などがこれに当たります。
セレンディピティは、何らかの行動の結果、偶然幸運を手にいれるという「成果」を指します。一方で、シンクロニシティは偶然の一致という「現象」のみを指す言葉です。この二つの言葉は「成果」と「現象」という点において異なりますが、無意識によって偶然に起こるという点においては共通しているとも言えます。
ビジネスとセレンディピティの関係
マーケティングにおけるセレンディピティ
マーケティング用語に「セレンディピティ消費」という言葉があります。これは、予測できない偶然の素敵な出会いを求める消費を指します。例えば、中身が分からない福袋や、参加者によって結末が左右される謎解きゲームなどが挙げられます。
また、本来目的としていたものとは異なる素敵なものを偶然発見し、購入することもセレンディピティ消費とされます。
イノベーションに関するセレンディピティ
イノベーションとは、物や仕組みなどを新たに創造し、社会に価値や変革をもたらすことです。イノベーションを起こすためには偶然の発見・ひらめきが必要である、という話に際して、セレンディピティが使われます。
セレンディピティが起こりやすくなる行動
出会いを大切にする
様々な人と出会ったり、その出会いを大事にするようにしましょう。何かに誘われたときに、「今は忙しいから」「あまり気が向かないから」などを理由に断ってばかりいると、出会いによって起きるはずだったセレンディピティを遠ざけてしまいます。
また、SNSなどを活用するのもよいでしょう。様々な人や出来事に出会え、セレンディピティが起こる可能性が上がります。
「ゼンブラニティ」から脱却する
ゼンブラニティとは、決まりきったことしか起きないこと、またはそういったことしかできない能力を指す、セレンディピティとは真逆の概念です。
ゼンブラニティから脱却するためには、決まりきった行動を意識して変える必要があります。例えば、毎日会社と自宅を行き来するだけになっている場合は、休憩中に外に出る、誰かと話してみるなど、視点や気持ちが閉鎖的にならないようにするとよいでしょう。また、仕事帰りに行ったことのない店に寄ってみたり、休みの日に普段読まない本を読んでみたりなど、新しいチャレンジをすることも効果的です。
そのほか、新しい環境に移動するという手段も挙げられます。自分が求めている環境に身を置くと、セレンディピティが起きやすくなります。
自分の考えやアイデアを発信する
自分の考えやアイデアは、積極的に発信しましょう。SNSに投稿したり周りの人に話したりするうちに、アドバイスや新たなひらめきが得られるかもしれません。
アドバイスをもらえた場合、それに対して否定的な意見があっても、口にしてしまうとチャンスを逃してしまうおそれがあります。相手のアイデアをいったん飲み込み、新しい要素を付け加えたうえで「それならこういうのはどうだろう?」など、前向きに返すようにしましょう。
ゼロベース思考で考える
ゼロベース思考とは、今ある前提知識や思い込みをいったん置いておいて、まっさらな状態で考えることです。ゼロベース思考で考えることで、セレンディピティを起こせる可能性が高くなります。
例えば、今ある資金やスキル、時間、人脈などをもとにアイデアを出しても、その枠の中でしか考えを広げられません。今現在何があるか、何ができるかを考慮せずに考えることで、今まで見つけられなかった可能性に気付けるなどのセレンディピティが起きるかもしれません。
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