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脳をリラックスさせる「瞑想」のやり方|種類や得られる効果も解説

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皆さんは瞑想を行なったことはありますか?瞑想すると脳をリラックスさせることができるほか、ストレス軽減や集中力の向上など、さまざまな効果を得られます。

今回は瞑想の概要や得られる効果のほか、やり方やポイントなども解説します。

瞑想は、考えることを止め脳をリラックスさせるための手段

私たちは、毎日脳を使って様々なことを考えたり判断したりしています。瞑想は、日々働かせすぎている脳を休ませて、リラックスするための方法です

近年の研究で、ぼんやりとしている状態でも脳は「DMN(デフォルトモードネットワーク)」と呼ばれる状態で働いており、完全には休めていないということがわかっています。
この状態の脳は想像力が高まりますが、余計なことを考えて不安な気持ちになってしまうこともあります。さらに、何かに集中している時よりもエネルギーを使うため、休んでいるのに疲れる、ということが起こってしまいます。このDMN状態のオン・オフを切り替えるために有効なのが瞑想です。

瞑想は宗教やスピリチュアルなものを起源としているものも多いため、日本ではあまりメジャーではありませんが、外国では研修や休憩時間に取り入れている企業も存在します。

瞑想で得られる効果

ストレスに振り回されなくなる

瞑想中には、脳からα波という脳波が出ています。α波は自律神経を整え、ストレスを軽減させる効果があります。また、いくつかの瞑想では、頭に浮かぶ雑念を客観視するプロセスがあります。このプロセスを行なうことで、不快な感情によるストレスを手放すことができます。

集中力が上がる

瞑想を行なうと集中力が上がることが様々な研究によって明らかにされています
代表的な例に、アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の研究者によって行なわれた研究があります。60人を対象に、瞑想と集中力に関する実験を行ないました。瞑想した対象者は、その後に用意された面白みのない実験にも集中して取り組めたという結果が出ています。

そのほかにも、カナダの公立小学校で行なわれた実験でも、瞑想は集中力・生産性に関わりがあることがわかっています。生徒を瞑想をするグループとしないグループに分けたところ、瞑想をしたグループのほうが4ヶ月後の算数のスコアが15%高いという結果になりました。

物事をポジティブに捉えられるようになる

瞑想を行なうと不安が減ることが、いくつかの調査によってわかっています。不安が減ることでネガティブに物事を考えてしまう要因が減り、前向きになれるとされています

また、不安は自律神経の乱れによる交感神経の昂りからきていることもあります。瞑想は緊張や不安を和らげる副交感神経の働きを活発にできるため、気持ちを落ち着けてポジティブに考えられるようになります。

幸福感を感じやすくなる

瞑想すると「セロトニン」や「オキシトシン」という心のバランスを保つ効果のある脳内ホルモンが分泌されます。また、「オキシトシン」には、暖かく幸せな気持ちになる効果もあります。これらの脳内ホルモンが分泌されるため、瞑想をすると幸福感を感じやすくなるとされています。さらに、ストレスに晒されたときに分泌される「コルチゾール」が減少することもわかっています。

瞑想の種類とやり方

サマタ瞑想

サマタ瞑想はもっとも基礎的な瞑想で、集中力を高めるためのものです。サマタ(奢摩他)とは「止」と訳される仏教用語であり、もともとは仏教で用いられている瞑想です。

サマタ瞑想のやり方は、何かに集中するだけです。自分の呼吸や何らかのフレーズ、目の前のものなど、どんなものでも構わないので、何か一つのものに意識を集中し続けます。もし何かに気が散ってしまった場合でも、また元のものに注意を向け直しましょう。

ヴィパッサナー瞑想

ヴィパッサナー瞑想は、自分の心を観察して「気づく」ことに重点を置いた瞑想方法です。この瞑想を続けると、思考・感情の癖がわかるようになり自律力が増したり、深い安らぎを得ることができたりするとされています。

ヴィパッサナーとは「観察する」という意味であり、ブッダも行なっていたとされるなど、仏教の修行で主に実践されてきました。もともとはヴィパッサナー瞑想を行なう前に、集中力を高めることを目的として前述のサマタ瞑想が行なわれてきましたが、現代ではバラバラに行なわれる場合も多くあります。

ヴィパッサナー瞑想は以下の手順で行ないます。

  1. 自分の呼吸に意識を集中する
  2. 生まれてくる思考・感情に気付く
  3. 思考・感情を否定したり肯定したりせず、ただ観察し、その後はまたすぐに呼吸に集中する

マインドフルネス瞑想

マインドフルネス瞑想は現在最も注目されており、実業家やアスリートなどにも実践者が数多くいる瞑想方法です。この瞑想はヴィパッサナー瞑想とよく似ていますが、宗教的な目的がない点において大きく異なります。マインドフルネス瞑想は、脳の疲労回復や精神安定など、自分の調子を整えることを目的としています。宗教的な要素が排除されているため、誰でも始めやすいという特徴があります。

マインドフルネスとは、自分の身体や気持ちの現状をモニタリングし、気付くことを指します。マインドフルネスにおける大切な要素の一つは、「あるがままを受け入れること」と「今この瞬間を意識すること」です。出来事や自分の思考を判断せずそのままを受け入れ、まだ起きていないことや自分ではどうしようもないことについてあれこれ心配しないことが重要だとされています。これらを意識することで、感情がコントロールできるほか、集中力が向上します。

  1. 自分がリラックスできる姿勢をとる
  2. 深呼吸を数回行ない呼吸を整えたら、目を閉じて鼻呼吸にする
  3. 自分が最も呼吸を感じられる部分に意識を向け、集中する
    例えば、肺の収縮や腹部の上下、口元の空気の動きなど
  4. 呼吸をするうちに雑念が浮かんだら、その感情や思考を受け入れ、また呼吸に集中する

マインドフルネス瞑想は就寝前や起床直後、それまでとは別のことを始める時などに行なうと効果が高いとされています。

瞑想を実践する際のポイント

瞑想に集中できるよう、環境を整える

瞑想を始める前に、集中できるよう自分の周囲の環境を整えましょう。瞑想する際は、静かで程よい気温の空間がよいとされています。また、埃っぽいと感じるならば掃除をし、明るすぎるなら光量を調節するなど、瞑想だけに集中できるような空間にします。

そのほか、服装も締め付けのないゆったりとしたものを選んだり、時間に気をとられないようあらかじめタイマーを設定するなどしておくのもよいでしょう

無理はせず、コツコツ続けることが重要

はじめのうちは、長い時間集中して瞑想することは難しいでしょう。また、はじめてすぐに大きな変化を感じられる、というものでもありません。そのため、まずは5分くらいから、慣れたら少しづつ時間を延ばしつつ、コツコツ毎日続けることが重要です

慣れないうちは途中で集中力が途切れてしまい、気が散ってしまったりすることもあるでしょう。気が散ってしまったときは、「意識が逸れた」ということだけ認識し、そのまま続けましょう。また、どうしても集中できない場合は、頭の中でろうそくを思い浮かべてその炎に集中する方法や、スローテンポな音楽を小さな音量で流す方法などがあります。

リラックスできる姿勢で行なう

瞑想をする時は、リラックスできる姿勢で行ないましょう。姿勢は瞑想の方法にもよりますが、基本的に守るべきことは「目を閉じる」「背筋を伸ばす」です。目を開けていると、いろいろなものが目に入り、気が散りやすくなってしまうため、目は優しく閉じておきましょう。

また、瞑想では呼吸がとても重要です。深い呼吸ができるように、背筋はしっかりと伸ばすようにしましょう。座り方はリラックスできるもので構いませんが、背筋が伸ばしやすいためあぐらがオススメです。

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