プロジェクトを実行したいのに、関係者の同意や協力を得られず、なかなか前に進まない経験はありませんか?
プロジェクトの利害関係者は「ステークホルダー」と呼ばれ、彼らを分析することを「ステークホルダー分析」と呼びます。
今回は、ステークホルダー分析の基礎やプロジェクトのスムーズな進行に役立てる方法を解説します。
目次
ステークホルダー分析は利害関係者を分析し、プロジェクトの円滑な進行に役立てること
ステークホルダーとはプロジェクトに関係する利害関係者を意味します。ステークホルダー分析とはステークホルダーが誰なのかを明らかにして、プロジェクトを円滑に進行する戦略を考えるための分析手法です。
ステークホルダーの例
決裁者
決裁者は、社内や商談相手の組織内での最終的な購入・契約の判断を下す人を指します。商談の際などは直接会えず、担当社員が決裁者との間を繋ぐことが多いです。そのため、担当社員から決裁者が何を求めているのかを把握する必要があります。
株主
株主は、自社および相手企業の株を保有している人を指します。例えば、新たな事業に進出する際は自社の株主の意向を、他社を買収する際は買収先の株主にとってのメリットや説得方法を考える必要があります。
役員
役員は、自社や相手企業において経営権を持っている人を指します。会社の方針や大きな経営判断に関して大きな影響力を持ちます。
社員
社員は、商談などで表に出て来る担当者や、エンドユーザーなどを指します。大きなプロジェクトになるとあまり決定権を持たない場合がありますが、上層部とのパイプの役割を果たすことが多くあります。
外注先
外注先は、プロジェクトの中で業務の一部を受託する相手を指します。外注先との連携がうまく取れていないと、決裁者を説得できても期限通りに準備ができない状況に陥る可能性があります。
マスコミ
マスコミは、新聞紙やネットニュース、テレビなどの媒体を指します。大きな発表をする際は、マスコミがどのような形で世間に報道するのかを考慮しましょう。
ステークホルダー分析を行なうための重要要素
ステークホルダーの重要度
全てのステークホルダーの希望を叶えることが理想ですが、全員にとっての最大の利益を満たすのは困難な場合があります。
施策に優先度をつけて取捨選択する際には、決裁権や影響力の大きさなどに応じた各ステークホルダーの重要度の考慮が必要です。
ステークホルダーの現状・理想
次に、ステークホルダーが今どのような立場なのか等の現状を示しましょう。また、最終的に各ステークホルダーがどういう考えや行動に変わって欲しいのかという理想状態を示しましょう。
例えば、「新しい設備の導入にメリットを感じておらず、予算を使うことに後ろ向き」と言う現状に対して、「設備導入に意欲的で後押ししてくれている」という理想を描くことができます。この現状と理想のギャップを元に打ち手を考えましょう。
ステークホルダーの関心・目的
続いて、現在ステークホルダーが何に関心があり、何を目的としているのかを明らかにしましょう。この関心ごとにアプローチし、目的の達成のためにもなるメリットが提示できれば賛同してもらいやすくなります。
今後の施策
ステークホルダーの現状や理想状態、それぞれの関心や目的を考慮し、施策を考えましょう。どのような内容やメリットをどうやって提示するのかを明らかにし、取るべき施策を具体的に示しましょう。
施策が考えられたら、重要度の高い人を重点的に施策を実行しましょう。
ステークホルダー分析のポイント
反対派にとってのメリットを提示する
プロジェクトに対して反対の立場をとっている人には、賛同することで得られるメリットを示しましょう。それぞれのステークホルダーにとってどのようなメリットを示すことが有効なのかは、現状・理想・関心・目的を正確に把握し、的確にメリットが示せるように対策しましょう。
また、どうしても重要度が高い人にプロジェクトを通したメリットを示せない場合は、その人をなるべく経由せずにプロジェクトを遂行する方法を考えましょう。
テンプレートを活用して視覚的にわかりやすいように整理する
ステークホルダー分析は、テンプレートにまとめて整理すると視覚的にわかりやすくなります。簡単なテンプレートの例としては、以下のようなものがあります。
ステークホルダー | 重要度 | 現状 | 理想 | 関心 | 目的 | 施策 |
決裁者 | ||||||
役員 | ||||||
・・・ | ||||||
マスコミ |
プロジェクトを進める間にそれぞれの項目が変化することがあるので、その都度更新して見直すようにしましょう。
ステークホルダー分析を行なった後のプロセス
1.ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント – 実際に働きかける
ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメントとは、ステークホルダー分析の結果を踏まえて、プロジェクトの中でステークホルダーに働きかけ、その状態を管理することです。実際にステークホルダーに働きかけることで互いの関係を改善したり、より関わってもらえるように施策を実行していきます。
2.ステークホルダー・エンゲージメント・コントロール – 変化した関係にも対応する
ステークホルダー・エンゲージメント・コントロールとは、施策の結果で変化したステークホルダーを管理し、変化後の状況に応じて再び働きかけることを指します。ステークホルダーとの関係は、プロジェクトの途中でも変化することが多いため、逐一対応し、良好な関係を築いていきましょう。
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