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自己奉仕バイアスとは|ビジネスで陥る状況や克服する方法を解説

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自己奉仕バイアスをご存知ですか?自己奉仕バイアスに陥ってしまうと、同じ失敗を繰り返したり、成功を再現できなくなったりする原因となります。成長するためには、自己奉仕バイアスを知って克服することが重要です。
そこで今回は、自己奉仕バイアスの概要や陥りやすい状況とともに、自己奉仕バイアスを克服する方法を紹介します。

自己奉仕バイアスとは、成功要因は自分に、失敗要因は他人にあると思い込むこと

自己奉仕バイアスとは、自分のプライドを保つために働いてしまう心理作用のことです。成功した場合には、その要因が全て自分の能力や努力にあると考え、自分は有能な人間だと思い込みます。反対に失敗した場合には、その要因は他人などの外的環境にあるとみなし、自分には原因がないと責任逃れします。

自己奉仕バイアスに陥る例には、学校のテストがあります。点数がよかった際には「自分には才能があり勉強もした」と自分を褒め、悪かった際には「先生の教え方が悪かった」と原因を先生に押し付けるのです。
成功の要因を自分に帰するバイアスを特に「自己高揚バイアス」と呼びます。一方、失敗の原因を他人に帰するバイアスは「自己保護バイアス」とも呼ばれます

自己奉仕バイアスは、直感や過去の経験に物事の判断が依存してしまう「認知バイアス」の1つです。認知バイアスには、自分の考えに一致する情報のみを無意識に集めてしまう「確証バイアス」などもあり、特に確証バイアスは自己奉仕バイアスと関連度が高いバイアスです。自己奉仕バイアスを正当化するために、確証バイアスが働いてしまい、客観的な判断ができなくなるのです。

自己奉仕バイアスに陥ると、成功や失敗の要因を追求できなくなる

自己奉仕バイアスに陥ると、成功要因は自分にあり、失敗要因は他人にあるとみなすため、成功や失敗の要因を客観的に分析することができなくなります。そのため、成功したとしても要因がわからず再現性は低くなり、失敗したことに対しては合理的な解決策を立てられず、同じ失敗を繰り返す可能性が高くなります。

過去の成功や失敗を活かすには、その要因を追求して把握し、解決策を講じて次の活動に取り入れなければなりません。そのためには、自己奉仕バイアスを理解して克服することが重要です。

ビジネスにおいて自己奉仕バイアスに陥りやすい状況

営業での取引に成功・失敗したとき

営業での取引に成功したときや失敗したとき、自己奉仕バイアスに陥りやすい傾向が見られます。営業に成功した場合、自分には才能や能力があるとみなし、現状に満足してしまいます。ここで継続的な努力ができなければ、コンスタントに成長することは不可能です。

逆に失敗した場合には、自分のプライドを守るために「運が悪かった」「取引相手との相性が悪かった」「上司の指示や教育に問題がある」などと、あたかも自分には非がないと思い込みます。失敗から目を背けて修正する努力をしないため、同じ失敗を繰り返してしまいかねません。

チームでの活動が成功・失敗したとき

リーダーとして、自分が率いるチームの功績がよかった、あるいは悪かった場合も自己奉仕バイアスに陥る可能性があります。例えば、営業店舗ごとに商品の売り上げを競う場合を考えてみましょう。もし店長として担当店舗の売り上げがよければ、その結果が従業員全員の努力によるものであるとしても、店長は「自分のマネジメントがよかった」と思うかもしれません。また、売り上げが悪ければ「部下のスキルが足りないせいだ」と考えてしまうこともあります。

しかし、部下の教育不足や指示ミス、能力を見誤ったことによる人材配置のミス、合理的でない評価制度を導入しているがために生じた従業員のモチベーション低下などが、チームの失敗の原因である可能性も大いにあり得ます

自己奉仕バイアスを克服する方法

失敗を認めて原因を追求する

何かに失敗したときはまず、他人ではなく自分に非がないか考えましょう。もし、失敗の原因に少しでも自分が関わっているのであれば、それを認めることが自己奉仕バイアスを克服するための第一歩です。失敗を認めたら、なぜ失敗してしまったかの原因を具体的に分析し、次回の活動で同じことを繰り返さないようにします。

例えば、営業での取引で失敗した場合には、自分の行動履歴や苦手分野を把握するために、SFA(営業支援システム)などの自動分析ツールを用いることが有効です。優秀な営業パーソンと比較して自分にないスキルを知ることで、具体的な改善策を講じられます

自分の率いるチームの業績が悪かった場合には、部下との1on1を実施するなどして失敗の原因を追求します。教育が不十分なら研修を増やしたり、マニュアルを整えて従業員間のスキルの標準化を図ったりしましょう。また、評価制度や人材配置などの社内体制に不満がある場合にも、モチベーションの低下によって従業員は実力を発揮できていない可能性があります。この場合は、経営陣と話し合って社内での改革を促すことも有効です。

成功要因が周囲にないか探す

自己奉仕バイアスを克服するためにも、成功したときはその要因が周囲にないか考えてみましょう。上司の指示が的確であったことや、同僚が陰でサポートしてくれていたことに気づけるかもしれません。自信を付けるためには自分の努力や才能を認めることも大切ですが、周囲への感謝の気持ちを忘れないことが良好な関係の構築には重要です。

また、漠然と自分の能力を褒めるのではなく、どの行動に意味があったのか、逆に無意味だったことはないか洗い出しましょう。現状に満足せず能力を磨き続けることが、成功を再現し続けるための重要なポイントです

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