決裁権の所在の把握は契約を取る上でとても重要なものです。しかし、どのようにして聞き出せばいいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、決裁権の概要や決裁ルートを聞き出すテクニック、担当者へのアプローチ方法を解説します。
目次
決裁権とは、企業において判断を行う権利を指す
決裁とは、企業において何らかの申請に対して許可・不許可を与えることを指します。決裁を行う権限のことを「決裁権」、その権利を持った人のことを「決裁権者」「決裁者」と言います。物品購入時や計画立案時、人材採用時など、会社組織では様々な場面で決裁者の決裁を得る必要があります。
「決済」との違い
同じ読みですが、「決済」は単に支払いのことを指します。具体的には、商品を取引する中で、購入した対価として金銭を支払う義務を「債務」、提供した対価に金銭を受け取る権利を「債権」と言います。金銭の授受によって、この債務・債権を解消することが「決済」です。
「承認」との違い
ビジネスにおける「承認」は、決裁の前段階の工程を指します。何か提案がある場合、まず比較的近い上司などに承認をもらい、それを決裁者に持って行くという流れになります。つまり、決裁は承認を繰り返した先の最終段階ということです。
営業の際は決裁者と決裁ルートを把握することが重要
企業に営業をかける際は、決裁者と決裁に至るルートを把握しておくことが大切です。担当者が決裁者である場合とそうでない場合ではアプローチ方法が変わるためです。まずは企業ホームページの組織図を確認したり、社内に情報が蓄積されていないかを確認したりするなど、情報収集をしましょう。また、取引先に知人などがいる場合は、その伝手から聞くという方法もあります。
決裁者・決裁ルートを聞き取るテクニック
あらかじめ決裁ルートを把握できなかった場合は、商談内で担当者からうまく聴きだす必要があります。ただし決裁者を探る場合は、聞き方を工夫しなければ担当者に自身を軽んじているように感じさせてしまうため、注意が必要です。
相手との関係性がまだできあがっていない場合は、以降のプロセスを素直に聞いてしまっても構いません。
【例】
「もし契約を検討いただける場合は、どのようなプロセスで進めていかれるのですか?」
また、以前に取引があった企業でも、金額や商材によっては同じ決裁ルートを辿るとは限らないため、確認が必要です。
【例】
「以前のお取引の際は〇〇部長に決裁いただきましたが、今回も同じ流れでしょうか?」
そのほか、担当者とある程度親しくなったのであれば、相手の返答を引き出すような問いかけも有効です。
【例】
「こうした案件は〇〇課長(相手)が了承されれば通りますよね?」
決裁権のない担当者からでも受注につなげる方法
担当者から信頼を獲得する
決裁者が担当者でない場合、担当者から話を上げてもらわなければなりません。そのためには、担当者の信頼を獲得する必要があります。
まずは自分の提案が採用されれば、担当者自身にどのようなメリットをもたらすかということを伝えましょう。例えば経理関係なら、煩雑な入力作業が自動化できるため作業が減り、定時退社につながるなどが挙げられます。さらに、その提案を決裁者に受け入れてもらうための方法を共に考えることで、担当者からの信頼を獲得できます。
決裁者に提案しやすいようサポートする
「自分の仕事が増えてしまう」「情報が足りず上司に追求されそうな点がある」などの理由から、担当者が上司に話を伝えるのをためらう場合があります。そうならないために、担当者をサポートするようにしましょう。具体的には、担当者が上申しやすいように社内提案用の資料を作成し、渡しておくなどの方法があります。
定期的にアプローチする
担当者が様々な理由で上申しないままにならないよう、定期的にアプローチする必要があります。ただし、「あの件はどうなりましたか?」とただ催促するだけでは、鬱陶しがられてしまいかねません。そのため、催促の連絡をする際は、些細なことでも構わないので相手にとって有益な情報を同時に伝えるようにしましょう。うまく伝えることができれば、信頼関係の構築にもつながるというメリットもあります。
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