「ギバー」「テイカー」「マッチャー」という言葉を聞いたことはありますか?これは、人間の考え方や行動を分類したもので、理解しておくことで日常を豊かに生きていく手がかりが得られます。
今回は、ギバー、テイカー、マッチャーそれぞれの特徴、社会で最も成功しやすいタイプ、「他者思志向ギバー」になるためのポイントを紹介します。
目次
ギバー、テイカー、マッチャーは、人間の考えや行動を3つに分類したもの
「ギバー」「テイカー」「マッチャー」とは、人間の思考や行動を3つのタイプに分類した言葉のことです。組織心理学者のアダム・グラント氏が提唱しました。
アダム・グラント氏は著書『GIVE&TAKE』の中で、ギバー、テイカー、マッチャーそれぞれの割合は、ギバーは全体の25%、マッチャーは全体の56%、テイカーは全体の19%だと示しました。 また、ギバー、テイカー、マッチャーのそれぞれの要素は誰もが持っており、先天的なものではなく、尚且つ1つの要素に固定されるものでもありません。
ギバーとは、相手に惜しみなく与える人のこと
ギバー(Giver)とは、見返りを期待せずに、自分の時間や知識、アイデアなどを相手に惜しみなく与える人のことです。相手が何を求めているのか考え、手を差し伸べることができます。「For You」の傾向が強い人はギバーだと言えます。
ギバーは、さらに以下の2つのタイプに分けられます。
- 自己犠牲型ギバー
自分の利益はあまり気にかけず、他者の利益に関心を示します。その結果、相手に与えることが多くなり、自分の利益を損ねてしまうタイプです。 - 他者志向型ギバー
自分と相手、両者の利益に関心を示します。自分が受け取るよりも相手に多く与えようとしますが、自分にも還元されるように他者との関わり方を変えることで、自分の利益を損なわないタイプです。
テイカーとは、自分の利益を優先させ受け取る人のこと
テイカー(Taker)は、常に自分の利益を優先させ、多くを受け取ろうとする人のことです。相手が何を望んでいるのかを考えるよりも、自分の利益を優先的に考えます。そのため、他人よりも上にいたいという気持ちが強くマウントを取ろうとします。
「For Me」の傾向が強い人がテイカーだと言えます。
マッチャーとは、損得のバランスを考える人のこと
マッチャー(Matcher)とは、ギバーとテイカーの中間の性質を持ち、損得のバランスを考える人のことです。マッチャーは、常に公平でなければならないという観念に基づいて行動するため、何かをしてもらったら恩を返したり、反対に何かをすれば見返りを求めたりします。自分の行動によって損益がでないように、自己防衛する点が特徴です。
社会で最も成功しやすいタイプは「他者志向型ギバー」
アダム・グラント氏は著書『GIVE&TAKE』の中で、社会の中で成功しやすいタイプを以下のように順位付けています。
1位 他者志向型ギバー 2位 マッチャー 3位 テイカー 4位 自己犠牲型ギバー |
他者志向型ギバーは、相手と自分の損益を同じように考えるという特性があるため、相手の信頼と利益どちらも得ることができ、社会の中で最も成功しやすいとされています。
一方で、同じギバーでも「自己犠牲型ギバー」は、相手の利益を優先し過ぎてしまうため、与えるばかりで利益が得られず成功につながりません。また、テイカーの自分の利益を優先させると言う戦略は、見抜かれやすいため成功に発展しにくいと言われています。
「他者志向型ギバー」になるためのポイント
他者に奉仕する喜びを感じる
成功につながる他者志向型ギバーになるには、まず他者へ奉仕する喜びを感じることが重要です。他者志向型ギバーは、相手に自分の時間や知識、アイデアなどを日常的に与えて、喜ばせてあげようという気持ちを持っています。奉仕することで相手に喜んでもらえることが幸せだと思えるようになるとよいでしょう。
他者に与えるだけでなく、与えてもらう姿勢を持つ
他者志向型ギバーは相手がテイカーの場合、利益を与えるだけの関係になってしまうため、テイカーとの付き合いを与えるだけの関係から、損益を考慮した関係へと変化させる必要があります。つまり、他者型ギバーになるには、他者に与えるだけでなく、与えてもらう姿勢も持つことが重要です。自分の利益についても考え、周囲からサポートを受けることも意識しましょう。
意識して自分の時間を確保する
他者志向型ギバーになるには、意識して自分の時間を確保するようにすることが大切です。他人の相談に乗っていて自分の学習時間がなくなってしまったり、奉仕によって収入や精神状態が安定しなかったりするような関係は長続きしません。
相手に与えるだけの関係が続いているようなら、相手から離れ自分の時間を確保するようにしましょう。
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