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「MECEに考える」とは?思考の質を上げるための鉄則を解説!

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以前はコンサルティングファームで盛んに用いられてきたロジカルシンキングですが、現在ではあらゆる企業、あらゆるビジネスパーソンに用いられる思考法になりました。
しかし一方で、こうした思考法を苦手とする方も多いのではないでしょうか?

今回は、ロジカルシンキングの最も基本的な手法である「MECE」という概念、そして思考の質を上げるコツを紹介していきます。

「MECE」とは「漏れなく被りなく」ということ

「MECE」とは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、これは「互いに被りなく、そしてすべて余すところなく」と訳されます。つまり、「MECEに考える」とは、「あらゆる可能性について、漏れや被りがないように分割して考える」ということなのです。

具体例で考えてみましょう。日本国民をMECEに分けるには、どのような切り口が考えられるでしょうか?

例えば、「戸籍を置いている都道府県」で分けるとします。日本では複数の都道府県に戸籍を置くことはできません。つまり、都道府県で分割すれば、日本国民をMECEに分割できます。

では、「学校に通っているか働いているか」で分けるとどうでしょうか?まず、主婦や一時的に失業している人などが漏れてしまっています。さらに、働きながら学校に通っている人や学生アルバイトなどの被りが発生しています。つまり、この分け方はMECEではありません。

MECEに考えることの利点とは?本当に有効?

では、MECEに考えると何が良いのでしょうか?
MECEに考える最大の利点は、MECEでない思考では見落としてしまっていた可能性をある程度確実に発見し、思考の無駄を省くことができる点です。このような特性から、向き合う事象が複雑であればあるほど、MECEな思考は有効なツールになるでしょう。

一方で、後で述べるようにMECEな思考が有効でない場合も存在するため、注意が必要です。

フレームワークで確実にMECEな思考を実現

MECEな思考は確かに有効ですが、実際に出来ているか自信が持てない人も多いのではないでしょうか。このような場合には、MECEであるとされる思考をパターン化した「フレームワーク」を使うのがおすすめです。常に最善の方法である訳ではありませんが、簡単にMECEな思考を実現できるため、まずはここから始めてみてはどうでしょうか?

MECEなフレームワーク例(1)ビジネス市場の購買行動

法人営業において課題を見つける際によく使用されるのが、ビジネス市場の購買行動のモデルです。
これは、法人においてどのようなプロセスで購買の意思決定がなされているかをMECEに示したモデルです。

安価な商材などは必ずしもすべてのプロセスを経るわけではありませんが、一定のパターンとして有効であるとされています。

MECEなフレームワーク例(2)マーケティングの4P

マーケティング戦略の改善や立案において使用されるのが、4P(マーケティング・ミックス)のモデルです。これは、マーケティングの要素をMECEに分解したもので、全体の整合性が取れているかを確認するのに役立ちます。

MECEなフレームワーク例(3)売上の要素分解

売上の問題点を特定する際や販売戦略を立案する際に使用されるのが、売上の要素分解のモデルです。商品の売上は以下のようにMECEに分解されます。

売上=顧客数×1回の購買での平均顧客単価×平均購買頻度

分解すると、各変数のどこが問題点なのかを考えるのに役立ちます。また、更に細かく分解したり、あるいはより大雑把に捉えたりすることも可能です。

MECEな思考の注意点とは?

このように、現状認識のツールとしてMECEな思考は様々に活用されます。しかし、この効果を最大化するために注意すべき点がいくつかあります。

注意点(1)完璧を目指さない

多くの場合、全ての可能性を完璧にMECEに書き出す必要はありません。

例えば、冒頭の人口の例では、何らかの手違いで複数の都道府県に戸籍が存在する人もひょっとするといるかも知れません。しかし、そのような人は存在したとしても数えるほどしか存在しないでしょう。

このような僅かな可能性に固執することは、現状認識において本質的ではありません。イメージとしては8~9割の網羅性を目指すことを心がけましょう

注意点(2)広がりを意識する

MECEに考える際は誰しも網羅性を意識するでしょう。しかし一方で、自分の知識や思考の範囲に囚われると、本来なら見落とさないはずの可能性を見落とす危険性もあります。

また、MECEに考える切り口は必ずしも1つではありません。例えば人口であれば、都道府県の他にも、性別や年齢などの切り口が存在します。

こうした見落としや視点の固定化を防ぐために、他者の視点を取り入れたり、統計資料などの事実を盛り込んで考えたりするなど、広がりのある思考を心がけましょう。

いかがでしたか?

いかにしてMECEに考えるか、どうしてMECEな思考が有効なのかが分かったのではないでしょうか。今回紹介したフレームワーク以外にも様々な枠組みが存在するので、ぜひ調べてみてください。

ロジカルシンキングを駆使して、より良いパフォーマンスの実現を目指しましょう。

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