「ゼロベース思考」という言葉をご存知ですか?
近年、環境や価値観の変化が激しい中、従来の考え方に捉われない思考法として注目されています。
今回は、ゼロベース思考に関する基本的な説明と、身に付けるためのポイントを解説します。
目次
ゼロベース思考とは、知識や思い込みなどを捨ててゼロから考える思考法
ゼロベース思考とは、知識や経験に由来する思い込み、無意識の前提などを全て捨てて、ゼロから物事を考える思考法です。従来の個人の知識や成功体験などをベースとする思考法はトレンド思考と呼ばれ、経験則に基づいた答えが得られることから重宝されていました。
しかし、トレンド思考からは画期的・革新的なアイディアは生まれづらいことから、ゼロベース思考が注目を集め始めています。
環境や価値観、働き方の多様化によってゼロベース思考が重視されるようになった
近頃では新型コロナウイルスの流行や、自然災害などによる急激かつ予想のできない変化が起きています。また、LGBTQなどの多様性や働き方の多様化など、世の中の価値観も激しく変化しています。
企業やビジネスパーソンはこのような変化への迅速な対応が求められていますが、従来のトレンド思考では過去の知識や考え方に捉われて、新しい価値観を受け入れづらくなってしまいます。このようなことから、自分の知識や思い込みなどに捉われずに、素早く新しい考え方を受け入れる、ゼロベース思考が注目されています。
ゼロベース思考のメリット
新しい考え方・価値観を理解しやすくなる
自分の考え方や過去の経験が絶対的に正しいと思っている場合、新しい考え方を初めから否定してしまい、なかなか受け入れられなくなってしまいます。一方でゼロベース思考では、過去の経験や思い込みに由来する価値観を捨てるので、他の考え方や価値観に対して理解を示し、受け入れやすくなります。
新しい商品が生み出しやすくなる
ゼロベース思考では過去の例に捉われずにアイディアを考えるので、今までの延長線上ではない、全く新しい商品を生み出しやすくなります。ゼロベース思考を導入すると「物事をできない理由」を考えず、「こういう商品が欲しい」という純粋な気持ちから新商品を考えることができ、より画期的なものが生まれやすくなります。
また、ゼロベース思考によって他人の立場からものごとが考えられるようになります。様々な立場の顧客の視点で物事を考えると、今までの商品に不足していた要素に気づくことができます。
目的の達成にフォーカスしたアイディアが浮かびやすくなる
ゼロベース思考には、本来達成したかった目的にフォーカスしてアイディア出しをできるというメリットがあります。
例えば、新商品の開発を行う際、「技術的に可能なのか」「コスト的に採算が取れるのか」などの細部を注視してしまうことがあります。しかし、ゼロベース思考を活用すると、本来作りたかった商品や、それをどうやって実現するかといったことに注力できます。
ゼロベース思考を身に付けるためのポイント
自分が持っている先入観や常識などを把握する
自分の中にどのような先入観や常識、思い込みがあるのかを把握しなければ、これらを捨てることはできません。問題に取り組むとき、自分が持っている先入観や、当たり前だと考えていることをリストアップしましょう。
また、日頃の習慣として、自分が当たり前だと思っていることは本当に当たり前なのか、先入観を持って物事を捉えていないかを意識してみましょう。
物事の構造や関係を意識する
ゼロベース思考を実践するためには、問題や現状の構造・つながりを把握する必要があります。全体像を把握することで、課題の実態が見え、自分が検討すべき要素が分かるようになります。また、要素同士の因果関係を明らかにすることで、複雑な問題にも切り口を見出しやすくなるといったメリットもあります。
過去ではなく未来に向けた目的、論点を意識する
物事を考えるときに過去の経験などを参考にするのではなく、「現状をどう変えたいのか」「将来をより良くするにはどうしたらいいのか」といった未来に向けた目的や論点を意識するのもポイントです。過去を振り返ってばかりいると、思考がネガティブな方向に偏ってしまいますが、今解決すべき課題に注力することでゼロベース思考を実践しやすくなります。
顧客などの視点から物事を考えてみる
ゼロベース思考を身に付けるためのポイントに、顧客や第三者などの自分以外の視点から物事を考えることがあります。自分の視点からのみ考えていると、無意識に常識やルールに捉われてしまい、他の人から見れば明らかなことに気づけない場合があります。
自分の考えを客観視するためにも、「顧客や競合にはどう見えるか」を考えてみましょう。
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