エクスプレッシブ・ライティングとは？メリットや実行のポイントを紹介

「エクスプレッシブ・ライティング」という言葉をご存知ですか？これは、手軽に実行できるストレスや不安の解消方法です。
今回は、エクスプレッシブ・ライティングの意味や方法、メリットや実行のポイントを紹介します。

エクスプレッシブ・ライティングとは、ネガティブな感情を書き出し思考を整理する不安解消方法のこと

エクスプレッシブ・ライティング（Expressive writing）は、ネガティブな感情を書き出し、思考を整理することで不安を解消する方法です。アメリカの社会心理学者であるジェームズ・ペネベーガー氏が1980年代に生み出した方法で、「ジャーナリング」や「筆記開示法」と呼ばれることもあります。

エクスプレッシブ・ライティングは誰かに見せるためのものではないため、本当の気持ちや考えを素直に書きやすいです。そのため、自分自身の気持ちを客観的に確認でき、安定的に感情を保てます。

エクスプレッシブ・ライティングの方法

エクスプレッシブ・ライティングでは、ノートやスケジュール帳、メモ帳などにその日の出来事や自分の感じている不安、悩みを書き出します。筆記が苦手な場合は、スマートフォンのメモアプリなどを利用するとよいでしょう。

また、書き方に特別な決まりはないため、文法的に注意して正しい文章にまとめようとせず、自分の気持ちを素直に書き出すことがポイントです。書けないと感じたときには、自分を追い詰めず、無理に書かなくてもかまいません。

エクスプレッシブ・ライティングを行うメリット

自分自身の気持ちが整理できるようになる

エクスプレッシブ・ライティングで、不安や悩みなど頭の中にある様々な考えを書き出すことで、自分自身の気持ちを1つずつ確認・整理できるようになります。

また、エクスプレッシブ・ライティングは自分1人で行えるため、悩みを聞いてくれる人を探す必要がなく、人に言いにくい悩みや不安を吐き出せます。

客観的に自分自身を捉えられるようになる

エクスプレッシブ・ライティングで書き出した悩みや不安を確認することで、客観的に自分自身を捉えられるようになります。人間は、自分自身のことを客観的に見ようと思っていても、感情に振り回されてしまい難しい場合があります。しかし、エクスプレッシブ・ライティングによって自分自身の行動を振り返ることで、客観的事実として捉えられるようになり、行動に対しての反省点なども見つけられます。

課題解決力の向上につながる

エクスプレッシブ・ライティングで書き出した内容を基に不安や悩みを分析することで、課題解決力の向上につながります。書き出した内容に対して、「何が原因なのか」「どうすれば解決できるのか」などを考えることで課題の解決方法に気付けます。

エクスプレッシブ・ライティングを行う際のポイント

本音を包み隠さず書く

エクスプレッシブ・ライティングを行う際には、本音を包み隠さずに書くことがポイントです。誰かに見せるために書くわけではないので、「言いたくても言えなかったこと」「本当は我慢していること」など、第三者の反応を気にすることなく自分がどのように感じたのかを素直に書き出しましょう。

また、些細な感情の変化なども積み重なるとストレスになるため、詳細に書き出し思考を整理しましょう。

実行日時を記録しておく

エクスプレッシブ・ライティングの際には、後から見返した時にいつの出来事か分かるように実行日時を記録しておきましょう。天気や気圧、気温や季節の変化による体調不良の場合、日時を記録しておくことで後から照らし合わせることができ、対処法が見つけられます。

実行時間を決めて習慣化する

エクスプレッシブ・ライティングは、数日間継続しなければ効果が薄れるため、実行時間を決めて習慣化することが大切です。具体的には、1日20分間、4日以上継続することで、効果が得られると言われています。まずは実行時間を決めて5分、10分、20分と段階的に時間を延ばしていくことで習慣化につながります。

エクスプレッシブ・ライティングのための時間がどうしても確保できない場合は、実行時間を短縮したり、スマートフォンのメモアプリなどで移動時間に実行したりして、無理なく継続できるようにしましょう。