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それ本当にMECEですか?論理的思考のトレーニング例題を紹介

ロジカルシンキングのスキルは、あらゆるビジネスの現場で必須であるとされる重要なものです。論理構造をうまく組み立てることで、施策の成功率を上げたり、顧客の納得感を引き出したりすることができます。特に「MECEに考える」スキルは使うシーンが非常に多くあります。

一方で、自分の思考を振り返って「これ、本当にMECEになっているんだろうか…?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。実際、一つのものに対するMECEな切り口は無数にあるので、「これが正解!」というものはありません。重要なのは、どのような切り口でもある程度MECEに考えられるようにすること、そして必要に応じてそれらを使い分けることです

今回は、MECEな思考をトレーニングするための例題をご紹介し、ロジカルシンキングにおいて重要なポイントを解説していきます。

MECEとはあるものの要素を「漏れなく被りなく」分けること

そもそも「MECEに考える」とはどのような思考のことを指しているのでしょうか?

MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略)とは、和訳すると「互いに被りがなく、あらゆるものを包括している」という状態を意味します。つまり、「MECEに考える」ということは「1つの大きな概念を小さな複数の要素に分けるときに、要素間での被りや全体での抜け・漏れがないようにする」ということです。

非常に簡単な例を挙げると、人間を「成人」「未成年」に分ける考え方はMECEであるといえます(ここでの成年は「20歳以上の人」と定義しています)。
一方で、「成人」と「学生」はMECEではありません(ここでの学生は「通信制を含む教育機関に通っている人」と定義しています)。大学生や大学院生の多くは20歳を超えているため、この2つの要素には被りがあります。また、中学や高校を卒業した後に働いている未成年の人や生まれたばかりの赤ちゃんが無視されており、漏れが発生しています。

MECEに考えることのメリット

では、こうした思考を行うメリットは何なのでしょうか?

第1に、「可能性を見落とす危険性がない」というものがあります。上の例ではMECEに考えていないと「中高を卒業後働いている未成年の人」が漏れてしまっています。もしあなたがマーケターであれば、こうした顧客に爆発的な需要を喚起できる商材を持っていても、そこをターゲットにできなくなってしまいます。MECEに考えることで、こうしたリスクを回避することができます。

第2に、「計測しやすい」というものがあります。「成人」と「学生」のように互いに被る区分を使うと、例えばあなたが営業管理者で、売上に繋がった顧客を分析しようとした際に「ボリュームが大きいのは被っている部分なのか、それとも独立した部分なのか」という点がわからなくなってしまいます。一方で、MECEに考えれば、数値の上での成果を整理して把握しやすくなります。

MECEに考えられてますか?例題でトレーニング

さて、ではいよいよMECEな思考のトレーニングに入りましょう。今から問題を出しますので、MECEな切り口を考えてみてください。

前述の通り、絶対的な正解は存在しません。そのため、客観的にMECEかどうかを判断するために、同僚の方やご友人などと一緒に取り組むことをおすすめします。

問題1:「企業」をできるだけMECEに分けてください(制限時間1分)

では、まずは「企業」に対するMECEな切り口をできるだけ考えてください(ここでは「日本で法人登記を行っている企業」すべてを対象にしてください)。

下に樹状図を作るためのテンプレートを用意したので、印刷して実際に書き込んでみてください。

mece_training_hinagata1

回答例1-1

1例として、従業員数による分け方が存在します。

mece_example_2

こちらの分け方は、総務省統計局の「平成28年経済センサス‐活動調査(確報) 産業横断的集計 結果の概要」にて使用された従業員規模の分け方になります。この分け方だと、中小企業と大企業を判別しつつ、中小企業内での細かい分類が可能になります。特に中小企業向けの商材を扱っている企業などではこうした分類をもとに営業の戦略を立てていくとよいでしょう。

回答例1-2

定量的なもの以外では本社所在地による分け方が存在します

mece_example_3

ビジネスの世界では、IT技術が実質的な距離の概念をなくしたとはいえ、やはり営業などの局面で企業の地の利は存在します。全国規模で事業を行っている方であれば、地域や都道府県といった単位で事業の結果を捉えると、拠点などを強化すべき地域が浮上してくるのではないでしょうか。

問題2:「社会人」をできるだけMECEに分けてください(制限時間1分)

ではもう1つ、「社会人」をMECEに分けてください。ここでは社会人を「中学や高校、大学を卒業後、社会で何らかの活動をしている人」として定義しています。

mece_training_hinagata2

回答例2-1

回答例の1つに、働き方での切り口があります。

mece_example_5

企業のマーケターが広告やメールなどを使用した集客を行う際に、実際にどういった活動を普段やっている人に刺さってほしいのかを考える際には、こうした分類が有効です。

回答例2-2

もう1つの例として、年齢階層による分け方があります。

mece_training_revised

人間の生き方は多様化していますが、やはりなお、年齢ごとの役割のモデルなどは存在しています(ex. 30代で結婚、40代で管理職etc…)。大まかな顧客の属性を把握するのには有効な手法だといえるのではないでしょうか。

重要なのは「目的別に切り口を変えること」

さて、実際に回答例を示してきましたが、1つ1つの切り口は案外シンプルだったのではないでしょうか。単にMECEに分けるだけであれば、ある程度のトレーニングを積めば簡単にできるようになります。
一方で、実際に顧客などを分解する際には、単一の切り口で全てを捉えることは出来ません。様々な属性を組み合わせて、その全体像を掴んでいくことが必要になります。

また、ランダムな切り取り方は意味を持ちません。仮説を立て、それらを検証できるように分類していく事が重要になります
このように、MECEな分け方を鍛える際には、単に分けられるようにすることに加えて、目的に応じて分け方を変えられるようになることが必要です。

上のトレーニング例題で基本的なMECEな思考をマスターできたら、次は実際のデータにしっかりと向き合って、どういった切り口を立てるべきか考えるトレーニングをしてみてください

まとめ

いかがでしたか?

MECEな思考のトレーニング例題で、MECEな考え方がある程度身についたのではないでしょうか?

実際のビジネスの現場でも、こういった思考が活きるシーンを見つけて、実際に活用してみてくださいね。

論理的な思考力を身に着けて、成果をアップしていきましょう!

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