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ポジショニングとは?自社ならではの立場を獲得する方法を解説

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マーケティングにおいて、自社と顧客の関係性と同じくらい重要なのが、競合の中での自社のポジショニングです。競合と並んだ時に自社が顧客からどう見えているか、考えたことはありますか?

今回は、自社の見え方を定義し、有利にビジネスを進めるための考え方「ポジショニング」のやり方とポイントを解説していきます。

ポジショニングとは、競合たちの中での自社の立ち位置を決めること

ポジショニングとは「自社が戦おうとしている市場の中で、自社がどういった立ち位置でビジネスを行うのか」を決定することです。

企業のポジショニングを決定する要素は「価格」「デザイン」「アフターサービス」「補完財」など様々にあります。それらの要素の組み合わせで、自社がどういった立ち位置にあるべきなのかを考えることができます。

ポジショニングによって、競合との直接対決を避けることができる

ポジショニングの最大のメリットは、競合企業との真っ向からの直接対決を避けられることです。

例えば、大手オフィス家具メーカーが「高価格で、シックなデザイン」を売りにしているところに、中小の工房が真っ向から同じ戦略で挑んでしまうと、資本面での物量戦に負けてしまい、うまくパイを獲得することができないでしょう。

しかし、仮に「低価格で、シックなデザイン」というポジショニングが空いていれば、あるいは競合が居ても勝てる見込みがあれば、そのポジションで戦うことで獲得するパイを最大化できます。

このように、自社ならではの立ち位置を探りに行くのがポジショニングです。

ポジショニングの3つのステップ

それでは、実際にポジショニングをいかにして行うのかを説明していきます。

今回紹介する一連の流れは「STP分析」と呼ばれており、ほかの記事でも詳しく紹介しているのでぜひそちらもご覧ください。

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1. 「誰から見た自社か?」を明確にする

ポジショニングは顧客から見た自社の立ち位置を定義するものです。そのため、前提として「どのような顧客をターゲットにするのか?」という点を決める必要があります。これは「セグメンテーション」および「ターゲティング」と呼ばれる作業です。

顧客の定義には、以下のような属性がよく使われます。

  • 地理的変数…顧客の所在地など
  • 人口動態的変数…顧客の性別、年齢、家族構成など
  • 心理的変数…顧客の価値観、政治的主張、宗教観など
  • 行動変数…過去の購買パターンなど

また、実際のターゲットは、以下のようなポイントに注意しながら決める必要があります。

  • 顧客のボリューム感は十分にあるか?
  • 効果の測定ができるか?
  • 市場にリーチできるか?
  • 製品に対するニーズが存在しうるか?ニーズ開拓可能か?
  • 競争は激しくないか?勝てる見込みはあるか?
  • 市場に成長の見込みはあるか?

2. 2つの軸で競合を分析する

実際にターゲットが設定できたら、その中での自社の立ち位置を決定していきます。自社の立ち位置を決める前に、既存の企業が実際にどのような戦略をとっており、市場でどのような地位にあるのかを分析する必要があります。

その際、基本的には2つの軸(例:価格とデザイン、デザインと耐用年数など)で決定していきます。これは、分析が複雑化し主眼である「自社のポジション」がわからなくなることを避ける狙いがあります。軸はターゲットとなる顧客が最も重要視するであろう2軸を設定する場合が多いです。また、軸を2つ導入することによる効果を最大化するため、2軸にできるだけ相関が少ないほうがベターです。

3. 直接対決を避けるための「穴場」を見つける

競合のポジショニングが理解できたら、自社の立つべき「穴場」を探しにいきます。穴場探しには、ポジショニングマップを使用するのがおすすめです。図の例では、引き続きオフィス家具メーカーの例を使用しています。

positioning-map

上の例では「耐用年数」「デザイン(落ち着き/ポップ)」の2軸で競合をプロットしています。この場合、左端の点線の部分が穴場になっています。耐用年数が長い、ポップなデザインのものを安価に提供できればベターです。

ポジショニングの注意点

ポジショニングをいかにして行うかを実例を交えて見てきましたが、実際にポジショニングを考えようとする際にはいくつかの注意点があります。今回は特に重要なポイントを2つ取り上げて解説します。

軸の選択は適切か

いざポジショニングをしようとして軸を設定しても、その軸が適切なものでなければ意味がありません。具体的には以下のポイントに気をつけましょう。

  • その軸で、競合との差別化が出来るか?また、それは顧客の重視する価値か?
  • 軸と軸の間に明らかな相関はないか?

こうしたポイントを抑えるために、対象となる顧客がどういった価値を重視するのかを知り、それを軸とすることが必要です。顧客に対する意識調査などを参考に、どういった差別化を行うかを考えるようにしましょう。

また、「価格と品質」など明らかに相関のある2軸を取ることはおすすめできません。「低価格、高品質」な製品を提供できれば確かに強力な差別化になりますが、モノを売る戦略としては価格を下げることには限界があります。実現可能なポジショニングのためには、こうした設定は避けるようにしましょう。

顧客像がブレていないか

顧客像をブレさせてしまうと、顧客が全く重視していない独りよがりな軸を設定してしまいかねません。このようなターゲティングでは顧客に訴求できないため、やる意味がありません。

例えば、デザインを全く重視していないはずの市場でのポジショニングを行う際に、自社の強みはデザイン性だからといって、デザインを軸に設定することは本末転倒です。こうした際には、市場にマッチした軸を設定し直すか、自社の強みが活かせるようなターゲットの設定を行う必要があります。

いかがでしたか?

マーケティングにおけるポジショニングの役割ややり方、注意点などをご理解いただけたのではないでしょうか。

成功するポジショニングはしっかりとした市場の細分化とターゲティングがあって初めて実現できます。全てを1セットで捉えて、顧客に訴求できるマーケティングを実現しましょう。

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