デジタライゼーションとは｜類似用語との違いや具体例、推進方法も解説

皆さんはデジタライゼーションという言葉を聞いたことがありますか？似た響きや意味を持つ言葉もあるため、混乱しやすい言葉でもあります。

今回は、デジタライゼーションの概要や類似用語との違い、推進方法などを解説します。

デジタライゼーションとは、デジタル技術を用いてビジネスモデル自体を変革させること

デジタライゼーションとは、デジタル技術を用いて新たなビジネスモデルを生み出すことを指します。

また、既存の業務プロセスを全てデジタル化し、効率を上げることもデジタライゼーションとされます。このとき、企業全体をデジタル化しているかどうかは問いません。デジタライゼーションは紙資料の電子化のような単なるデジタル化ではなく、業務プロセスを全て変革させる規模のものを指します。例を挙げると、MAツールやCRMツールの導入などが挙げられます。

デジタイゼーションとの違い

デジタライゼーションと似た言葉に、「デジタイゼーション」というものがあります。これは、単にアナログで行なってきた業務をデジタル化して、業務効率化やコスト削減を図ることを指します。例えば、紙の資料をデジタル化する、連絡手段を電話・手紙から電子メールに変更するなどが挙げられます。

DX（デジタルトランスフォーメーション）との違い

DX（デジタルトランスフォーメーション）は、経済産業省の「DXレポート2」によると、組織を横断、または全体を通した業務・製造プロセスをデジタル化し、顧客のための価値を創出することを目的とした事業・ビジネスモデルの変革と定義されています。また、トランスフォーメーションという言葉が意味するように、これまでと形態を変革させるということが重要な要素です。

デジタライゼーションと定義が似ていますが、DXを実現するための手段がデジタライゼーションです。ただし、両者を区別せずに使用されている場合も多くあります。

デジタライゼーションの具体例

• カーシェアリング
  車の予約・配車などのシステムをデジタル化することで、一時的なレンタカーとしてのユーザーが増えただけでなく、車を所持せずにカーシェアリングを日常的に使うユーザーも現れるなど、生活スタイルにまで影響を与えています。
• 動画ストリーミングサービス
  レンタルビデオ屋で物理的にディスクを貸し出すというビジネスモデルから、ストリーミングサービスで自宅の端末で動画を視聴してもらうというビジネスモデルへの変革が起こりました。
• MAツール
  MAツールを利用することで、それまでの紙やそれぞれ独立したデータで顧客データを扱うような業務プロセスから、見込み顧客の獲得や育成、商談化までのフローを自動化でき、マーケティング活動の効率化につながっています。

デジタライゼーションの推進手順

1. 現状分析

まずは、自社の現状を分析しましょう。業務プロセスや商材のほか、顧客の行動や購買についての定量・定性分析などを行ないます。現状分析の中で、業務の改善点やうまく成果が得られていない部分、理想と離れている部分などの課題を洗い出しましょう。

2. 目標設定

課題が見えたら、目標を設定します。このとき、課題解決のためにどのようにデジタル技術が活用できるかという視点が重要です。課題を解決できそうなデジタル技術やツールなどもあわせて調べておきましょう。

3. 計画策定

課題の優先順位を決定し、目標達成のための計画を策定しましょう。優先順位は課題の重要度と、課題解決のためのデジタル技術・ツールの導入難易度などから決定します。デジタルツールなどを導入する際にはコストがかかる上、物によっては技術を持つ人材を雇ったり、社員に教育を行なったりする必要がある場合もあるためです。

4. 実行・改善

計画を実行し、一定期間ごとに効果測定を行ないましょう。一度実行して終わりではなく、定量・定性どちらのデータも集め、より効果的なデジタル活用につながるよう改善案を立案します。