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パーソンズの「特性因子理論」とは|概要や3要素、7段階を紹介

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パーソンズの「特性因子理論」という言葉をご存知ですか?これはキャリア理論の1つで、職業と人材のミスマッチを防ぐために理解しておくとよい理論です。

今回は、特性因子理論の概要や3要素、支援するために必要な7段階を紹介します。

パーソンズの特性因子理論とは、その人の個性や職業の条件などをマッチングさせることで適職につけるという理論

パーソンズの「特性因子理論」は、その人の個性や能力、性格、価値観などの特性と仕事内容や必要な条件をマッチングさせることで適職を見つけられるという理論です。アメリカの社会改革運動家であるフランク・パーソンズが1909年に出版した著書『職業の選択』において提唱した理論で、現在のキャリアカウンセリングやキャリアコンサルティングの基礎となった考え方です。

フランク・パーソンズは、「丸い釘は丸い穴に」というスローガンに基づき、適材適所で働くことが自分自身の個性を活かすことにつながるという考え方を述べています。

特性因子理論は、以下のような3つの仮説に基づいています。

特性因子理論の3つの仮説

  • 人は必ず他の人と異なる能力や特性を持っている。しかもこの能力・特性は測定可能である。
  • 人の特性と仕事の内容、スキルが一致すればするほど、仕事における満足度、業績、安定性は高くなる。
  • 個人は、自分の能力・特性に最も相応しい職業を選択する。

特性因子理論の3要素

パーソンズは自分に合った職業を見つけるには、以下の3要素とそれらを支援する7段階が必要だと提唱しています。

引用:労働政策研究・研修機構『職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査』(https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/documents/0165.pdf

自己分析、自己理解

1つ目の要素である自己分析、自己理解のためには、自分自身の適性や能力、興味、目標、強み、弱みに加えてそれらの原因を明確に理解することが重要です。

職業・職務分析、職業理解

2つ目の要素、職業・職務を分析し職業に対する理解を深めるためには、その仕事の要件、成功条件、有利な点、不利な点、報酬、就職の機会、将来性など仕事に付随する情報を得ることが重要です。

自己および職業に関する理論的推論

3つ目の要素、自己分析および職業に関する理論的な推論のためには、自己分析・職業に対する分析をして得られた情報から2つのグループの関係を理論的に考えることが重要です。

特性因子理論の3要素を支援するための7段階

3要素を満たすために支援員(キャリアカウンセラー、キャリアコンサルタント)が取るべき7段階は以下の通りです。

  1. 個人資料の作成
    個人資料の作成では、その職業に就くために必要な要素を把握するために、就業に関する主要な要因を記録します。この時、職業教育に関係する課題を忘れずに記入してもらいます。具体的には、職務経歴書やジョブカードの作成が挙げられます。
  2. 自己分析
    支援員の指導のもとで自己分析をしてもらいます。職業に対する興味や職業選択に影響を与えそうな傾向などを記録しましょう。
  3. 選択と意思決定
    選択と意思決定は、「1. 個人資料の作成」と「2. 自己分析」の段階で起きる可能性が高いです。その職業に就こうとしている人自身が職業を選択できるように支援しましょう。
  4. 支援員による分析
    職業に就こうとしている人自身の選択と意思決定の結果が、その人の求めていることと整合性が取れているか支援員が客観的に分析をしましょう。
  5. 職業についての概観と展望
    相手と相談しながら職業に関する概観と展望を支援しましょう。このとき、職業分類や職業訓練などの情報に精通している支援員の知識によって的確なアドバイスを行いましょう。
  6. 推論とアドバイス
    支援員は論理的で明確な推論に基づき、相手にアドバイスを行いましょう。
  7. 選択した職業への適合
    相手が選択した仕事への適合と意思決定が合っているのか振り返りを行い、継続的に支援を続けましょう。

特性因子理論を活用した職業適性検査

パーソンズの特性因子理論を現代の職業適性検査において活用した例に「GATB(一般職業適性検査)」というものがあります。

「GATB(一般職業適性検査)」は、厚生労働省が主催している検査で、制限時間内に問題を解いていくことで9つの適性能(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知覚、運動共応、指先の器用さ、手腕の器用さ)が測定でき、その職業への適性を確認できます。

参照:労働政策研究・研修機構『厚生労働省編一般職業適性検査(General Aptitude Test Battery:GATB):https://www.jil.go.jp/institute/seika/tools/GATB.html

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