【事例紹介】データマイニングとは｜実施する目的、業界別事例を紹介

データマイニングについて概ね理解はしているものの、具体的にどのような活用事例があるのかは知らない方が多いのではないでしょうか。
今回はデータマイニングについて、実施する目的と業界ごとの活用事例を重点的に紹介します。

データマイニングとは、データを収集・整理・加工・解析して、「情報」「知識」「知恵」の知見を得ること

まずは、データマイニングについて簡単に説明します。データマイニングとは、収集・整理したデータを加工して、統計学やAIによる解析を行い、有益な知見を得る活動です。収集したありのままの「データ」を特性ごとに分類するクラスタリングによって「情報」へ、そして「情報」を重回帰分析などの手法に基づいて解析することで「知識」とします。さらに、「知識」を人の力で新規事業やマーケティングに応用して、「知恵」として活用することが非常に重要です。

データマイニングの基本や、具体的な解析手法については以下の記事をご参照ください。

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データマイニングは2種類の目的のために活用される

仮説を検証するため

データマイニングを行う主な目的の1つ目は、仮説を検証することです。ある商品の売上を増やしたいと考えたときに、店舗数・商品数を増やせばよいのではないか、あるいは単価を上げればよいのではないか、といった仮説に関して、データからその妥当性を検証できます。

過去の売上と、当時の施策の複数の変数（ここでは店舗数・商品数・単価など）との相関から、ある変数を操作したときの将来の売上予測も立てることができ、確度の高い施策を行えます。

また、データマイニングで数値データを扱えば、具体的な施策と結果への影響度を数値で表現できるため、根拠を持って施策の実行に移ることも可能です。

知識を発見するため

データマイニングを行う主な目的の2つ目は、新たな知識を発見することです。AIによるデータ分析を行うことで、人の想像力では思いつかないような新たな商品や事業などのアイデアを探索できます。

また、これまでのデータ解析では気づかなかったデータ同士の関連性に気づける場合もあり、問題点の画期的な解決策を見つけられる可能性もあります。

データマイニングの業界ごとの活用事例

小売

小売業では、主にマーケティング活動でデータマイニングを利用します。過去の売上や顧客行動のデータから、将来の販売数を予測して仕入れ量を決めたり、陳列棚や商品に関するDMを最適化したりして、効率よく商品を販売することができます。

データマイニングを行う際に自社アプリを活用すれば、顧客と接点を継続して持つことができ、十分量の顧客データを集められるため確度の高いマーケティング施策を実行できるでしょう。

メーカー

メーカーではデータマイニングを活用することで翌月に売れる商品の個数などを予測して、適切な生産計画を立てられます。適切な生産量を製造できれば、過剰在庫や在庫ロスなどが減らせるため、機会損失および資源ロス・環境負荷を低減することが可能です。

また、製造プロセスにおける配管などの破壊予測も可能になっており、これにより機器の破損による生産の停止や、商品への不純物混入による規格不適合を防げます。さらには、AIによる知識の発見を応用して、商品の新規モデルを考えることも可能です。

金融・保険

金融・保険のデータマイニングでは、顧客の属性からローンの与信審査や、保険金額の決定などにデータマイニングが活用されます。顧客の性別・年齢・職業・健康具合などの多くの変数から、返済能力や医療費などを予測できます。

また、金融業界ではクレジットカードの購入額・頻度から、カードの不正利用を特定することも可能で、犯罪防止にもデータマイニングが使われています。

医療

医療機器で測定した患者のデータを活用して、データマイニングで健康状態を測定することができます。データから客観的な分析が可能であるため、医者ごとに診断結果が異なるといったミスを防げます。また、症状からの疾患特定にもつながり、早期発見も可能となります。

さらに、薬の有効性や日常生活と健康状態の関連性についてもデータマイニングで解明されることが期待されています。

教育

教育業界では、生徒の能力を把握し生徒ごとに適切な教育を施すために、データマイニングの活用が期待されています。テストの成績や勉強方法から、将来の成績の推移を予測でき、PDCAサイクルを容易に回すことも可能です。

エンタメ

エンタメ業界では、顧客の好みを分析し最適なコンテンツを提供するためにデータマイニングが活用されています。音楽・動画配信サービスなどでは、顧客の行動履歴から興味を持ちそうなコンテンツを用意し、提供することでサービスからの離脱を防げます。