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演繹法と帰納法とは?ビジネスでの具体例やメリット・デメリットを解説

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「演繹法」「帰納法」という言葉をご存知ですか?聞いたことはあるけれど詳しい意味や違いなどはわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、演繹法と帰納法それぞれの意味やビジネスでの具体例、メリット・デメリットを解説します。

演繹法とは、法則から結論を導き出す思考法

演繹法(えんえきほう)とは、一般的に知られている理論や法則、前提に基づいて特定の結論を論理的に導き出す思考法のことです。哲学者のデカルトによって提唱され、数学や科学の分野のほか、ビジネスにおいても戦略や意思決定を行う際に取り入れられています。

ビジネスにおける演繹法の具体例

演繹法の代表的な考え方の一つに「三段論法」というものがあります。三段論法とは、大前提、小前提、結論の3つの文からなり、一般的な法則から具体的な結論を論理的に導く手法のことです。

三段論法の詳細は以下の通りです。

  • 大前提
    一般的な法則や前提、絶対的な事実のこと
  • 小前提
    個別の状況や具体的な事実のこと
  • 結論
    大前提と小前提から導かれる特定の結論のこと

演繹法は前提となる法則やルールから具体的な戦略を導き出す手段であるため、ルールと現状の事実を照らし合わせて事業方針や戦略を策定する際に有効です。ビジネスにおいては、新しい市場への進出や商品開発などの際に、市場で成功している事業の背景から合理的な結論を得るのに役立ちます。

ビジネスにおける演繹法の例は、以下の通りです。

  • 大前提
    高品質の製品は市場で成功する
  • 小前提
    この製品に似た製品があり競争相手よりも高品質である
  • 結論
    新製品は競合よりも高品質であり、高品質な製品は市場で成功するため、市場で成功する可能性が高い

演繹法のメリット・デメリット

メリット:矛盾のない結論が導ける

演繹法は確定的な一般論を前提としているため、それらを結合して導き出された結論も同様に確定的な情報と言えます。正確な前提が提供されれば矛盾のない結論が導け、論理的な誤りを最小限に抑えられるというメリットがあります。

また、演繹法で導かれる結論は説得力があるため、ビジネスの戦略策定においても有効です。演繹法は一貫性のある業務に適用できるため、企画や営業、販売などの部門同士が密接に結びついている組織に特に適しています。

デメリット:法則に誤りがある場合は正しい結論に結びつかない

演繹法のデメリットは、前提や法則に誤りがある場合、正しい結論に結びつかないという点です。正確な前提が不足している場合や、情報が不正確な場合には、結論も誤ってしまう点に注意しなければなりません。主観的な意見ではなく、実証された法則や客観的なデータに基づく前提を使用しましょう。

帰納法とは、複数の事例から結論を導き出す思考法

帰納法(きのうほう)とは、経験や実験、複数の具体的な事例から一般的な原則や傾向を導き出す思考法のことです。実験や実証を通じて集めた具体例の共通点を仮説として立て、それに基づいて結論を導く方法として、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンによって提唱されました。

主に数学において使われていましたが、その思考法は論理的思考として一般的に受け入れられ、ビジネスや日常生活でも広く応用されています。

ビジネスにおける帰納法の具体例

帰納法では、多くの事実やデータを収集することがより説得力のある結論を形成する手助けとなります。ある事象の共通項を見つけることで、改善点や達成に必要な条件が導き出せるため、それをもとに、新たな営業やマーケティング戦略を展開させられます。

ビジネスにおける帰納法の例は以下の通りです。

  • 事例1
    営業担当者Aは、特定の業界に絞り営業活動を行うことで顧客を獲得している
  • 事例2
    営業担当者Bは、長期間のフォローアップと継続的なコミュニケーションにより顧客を獲得している
  • 事例3
    営業担当者Cはプロダクトのデモを提供することで、潜在的な顧客を獲得している
  • 結論
    営業方法を顧客によって変えることで、顧客獲得につながる

帰納法のメリット・デメリット

メリット:説得力のある主張ができる

帰納法のメリットは、複数の具体的な事例や観察から導かれる結論が、説得力のある主張として役立つことです。帰納法を使用すると、一般的な傾向を具体例に基づいて裏付けられるため、主張の説得力を高められます。

デメリット:質の良いデータと量が必要

不十分なデータや限られた事例では、正確な結論に結びつかないおそれがあります。例えば、ターゲットの思考をリサーチする場合、データ数が少なすぎると共通点を見つけてもその信頼性は低いと言えます。帰納法を用いる際には、十分な数の信頼性のあるデータを収集しなければ、結論の一貫性が失われるおそれがあるという点に注意しなければなりません。

演繹法と帰納法を状況に応じて使い分けると効果的である

演繹法は、一般的な法則や理論に基づいて具体的な事業戦略を立案する際に有益です。新しい市場への進出や商品開発においては、前提を元に知識や技術を組み合わせてより確実性の高い結論を導くことが可能です。

また、帰納法は複数の事実に基づいて結論を出すため、マーケティングや営業に応用できます。顧客調査やアンケート結果など得た情報が多いほど、説得力のある結論につながり、それらの情報を基に新しいマーケティング戦略や営業の展開につなげられます。

帰納法と演繹法はそれぞれ効果的な場面が異なるため、ビジネスにおいては、両方の思考法を活用することで、より包括的な意思決定が行えます。

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