営業メールは、商品やサービスの販売・紹介を目的としたメールのことを指します。営業メールを送信する際「どうやったら返信がくるのか?」「どうやったら読んでもらえるのか?」など悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回は、営業メールのメリット・デメリット、作成のポイントや文例、送信タイミングを紹介します。
営業メールとは、商品やサービスを販売・紹介する目的で送信されるメール
営業メールとは、商品やサービスを販売・紹介する目的で送信されるメールのことを指します。営業メールは、顧客や関心のある人に対して営業担当者が活用し、新規開拓やアポイント獲得、商品やサービスの紹介、キャンペーンやセミナーの案内など、様々な目的を達成するために利用されます。
営業メールのメリット・デメリット
営業メールを送信するメリットは、時間や場所に縛られずに好きなタイミングで相手にアプローチできる点です。電話営業や訪問営業と比べて、メールは相手の都合に合わせて読んでもらえるため、負担が少なく効率的です。また、一度に多くの相手に同じ内容を送信できるので、コストを抑えられるというメリットもあります。
しかし、営業メールにはデメリットもあります。興味のない相手にとっては迷惑メールと捉えられたり、大量に送信するとスパム判定を受けたりするおそれもあります。また、メールだけでは信頼関係が構築しづらい点もデメリットです。
営業メールを送る際は、これらの特徴を踏まえ相手に配慮した内容と送信方法を心がけることが大切です。
営業メール作成の際のポイント
件名はわかりやすく読みたくなるようなものにする
件名はメールボックス内で一番最初に目につくものです。それゆえ、開封されるかどうかも件名によって決まると言っていいでしょう。件名は、本文の内容が一目でわかるようなものにしたうえで、なるべく簡潔にするように心がけましょう。
件名には、具体的な数字や事実、相手にとってのメリットを盛り込むことで、開封率を高められます。また、商品名や印象的なフレーズを盛り込むなどして、相手にしっかりアピールし、読みたくなるようなものを考えましょう。
件名の具体例には以下のようなものがあります。
- 【事例あり】営業効率が50%アップした方法を紹介
- 〇〇様の業務改善に役立つ資料のご提供
- 【期間限定】新サービスの無料トライアルのご案内
初めて営業メールを送る相手にはきちんとした挨拶を
初めてメールを送る相手には、そのメールが第一印象となるため、きちんとした挨拶やマナーを心がけて送りましょう。
まず冒頭には「はじめてご連絡させていただきます」などの導入の挨拶を入れましょう。そのあとには自分の所属と名前を明記し、素性を明らかにします。
本文は簡潔にわかりやすく書く
本文は「導入部」「本題」「結び」の三部構成が基本です。 導入部では、メールの目的や背景をわかりやすく説明します。本文では、サービスの特徴を具体的に紹介し、結びは丁寧な挨拶で締めくくります。
メールは好きなときに読めるものですが、それゆえ「必要ない」や「読むのが面倒」などと判断された場合は後回しにされるか、最悪読んでもらえないこともあります。本文は伝えたいことを2、3個にまとめ、一文は短く簡潔に書くようにしましょう。できるならスクロールすることなく一画面に収まるボリュームで書くのが理想的です。
特に、アウトバウンドの営業メールの場合、商品やサービスを売り出そうとしすぎて、文量が多くなってしまいがちです。要点をまとめて、シンプルな言葉で相手に伝えることを心がけましょう。
相手のニーズを把握しそれに合わせた内容にする
営業メールにありがちなのが、自社製品を売り込もうとしすぎて、相手の目線に立てていない内容になっていることです。ただ、アピールばかりしてもそれがどう相手の役に立つのか伝わらなければ意味がありません。
相手の目線に立ったメールを送るためには、メールを書く前にある程度相手のニーズを把握しておくことが大切です。「どのような事業を展開しているのか」「どのような悩みや課題を抱えているのか」などを事前にリサーチしておくことで、相手のニーズに直接響くアピール文が書け、それだけ返信率も高くなるでしょう。
相手にとって自社商品はどうメリットがあるのか?を一番に考えてメールを作成しましょう。
また、相手のニーズの把握にはきちんとターゲティングした営業リストを作成することが大切です。営業リストの作成には弊社が提供する法人リスト作成ツール「Musubu」がおすすめです。業界や資本金など、40以上の絞り込み軸で企業を選定できるほか、企業の概要説明も記載しているため、リサーチにかける時間の省略にもなります。
アポ取りの際はこちらから候補日を提示する
メールでアポイントを取りたい場合は、必ずこちらから3~4個ほどの候補日を提示しましょう。
選択肢を提示して「ご都合の良い日をお選びください」と表記することで、向こうも予定を合わせやすくなります。また、その方がアポイントを断られる可能性も減るという利点があります。
フォローとお礼のメールの書き方
営業メールを送信した後は、適切なタイミングでフォローメールを送ることが重要です。また、アポイントや商談が成立した際は、お礼のメールを送りましょう。フォローやお礼メールを送信する際のポイントには以下のものがあります。
- 前回の結論を振り返り、話した内容を確認する
- 追加の情報や資料があれば、提供する
- 相手の時間や協力に対する感謝の気持ちを表す
- スケジュールや次のアクションを確認する
営業メールの送信スケジュールと効果測定
最適なタイミングと頻度で送信する
営業メールは、曜日や時間帯によって開封率や返信率が異なります。一般的に、BtoB向けの営業メールは、業務開始直後や昼休み、業務終了直前などが開封されやすい時間帯とされます。また、BtoC向けの場合、メールは主に個人のスマートフォンで閲覧されることが多いため、スマートフォンを使用するタイミングに合わせてメールを送ると読まれやすくなります。
送信頻度については、相手に合わせて調整することが大切です。新規開拓の場合は、1週間から2週間に1通の頻度が適切でしょう。一方、既存顧客へのフォローメールは、月1、2通が目安です。ただし、相手の反応を見ながら適宜頻度を調整しましょう。
開封率・返信率を上げるためにA/Bテストを実施する
営業メールの効果を高めるためには、A/Bテストを活用することが有効です。A/Bテストとは、件名や本文の内容を変更した2種類のメールを送信し、開封率や返信率を比較する手法です。
例えば、件名を「【新サービスのご案内】貴社の業務効率化に役立つツールのご紹介」と「業務効率化に役立つ新サービスのご案内」の2種類を送信して、どちらのメールの開封率が高いか、また本文についても、長さや表現を変えて送信して比較します。
A/Bテストを定期的に実施することで、自社の営業メールの改善点を発見し、効果的なメールの作成につなげられます。
メール配信ツールを活用する
営業メールの送信や管理を効率化し成果につなげるためには、メール配信ツールの利用が効果的です。
メール配信ツールを利用すると、以下のようなメリットが得られます。
- 大量のメールを一括で送信できる
- 宛先リストの管理が簡単に行える
- 開封率などの効果測定が行える
- メールのテンプレートを作成し、再利用できる
【場面別】営業メールの文例
新規開拓メールの場合
件名:『○○(商品名)』に関するご提案【株式会社□□ 田中太郎】
本文:
株式会社△△ご担当者様
突然のご連絡失礼いたします。株式会社□□営業部の田中と申します。
この度、貴社のWebサイトを拝見し、貴社の事業においてぜひとも
弊社の『○○(商品名)』をご活用いただきたくご連絡いたしました。
弊社が提供する『○○(商品名)』は~~のようなメリットがあり~~のような実績があります。
貴社の△△事業においても~~のようにお役に立てるかと存じます。
よろしければ、ぜひ一度お話をさせていただくお時間を頂戴できますと幸いです。
下記日時のご都合はいかがでしょうか?
なおご説明には一時間ほどを予定しております。
・○月×日(曜日) 00:00〜00:00
・○月×日(曜日) 00:00〜00:00
・○月×日(曜日) 00:00〜00:00
突然の不躾なご連絡で大変申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。
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株式会社□□ 営業部
田中 太郎
〒123-4567 △△市
TEL:12-3456-7890 / FAX:12-3456-7890
携帯電話番号:12-3456-7890
Mail:abc@defg.co.jp
アポイント獲得の場合
件名:『○○(商品名)』のご提案とアポイントのお願い【株式会社□□ 田中太郎】
本文:
株式会社△△鈴木様
お世話になっております。株式会社□□営業部の田中です。
先日は展示会にてお時間を頂戴し誠にありがとうございました。
その際にお伺いした貴社の~~という課題に関して、弊社の『○○(商品名)』がお役に立てるかと思いご連絡いたしました。
よろしければぜひ一度お時間を取らせていただいてご説明できればと思っております。
下記日時のご都合はいかがでしょうか?
なおご説明には一時間ほどを予定しております。
・○月×日(曜日) 00:00〜00:00
・○月×日(曜日) 00:00〜00:00
・○月×日(曜日) 00:00〜00:00
当日は『○○(商品名)』の詳細と貴社でのご活用イメージなどをお伝えしたいと考えております。
上記日程で差し障りがございましたら、大変お手数ですがご都合の良い日程をお知らせいただければ幸いでございます。
ご多忙の折大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
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株式会社□□ 営業部
田中 太郎
〒123-4567 △△市
TEL:12-3456-7890 / FAX:12-3456-7890
携帯電話番号:12-3456-7890
Mail:abc@defg.co.jp
商品・サービスを紹介する場合
件名:【新サービスリリース】貴社の〇〇業務に最適な△△のご案内
本文:
株式会社△△ 営業部 ご担当者様
平素より大変お世話になりました。株式会社○○の山田太郎と申します。
この度、弊社では新サービス「△△」のリリースいたしました。
「△△」は、〇〇業務の効率化を実現するサービスです。ご導入いただくことで、業務時間の大幅な短縮が可能となります。
詳細につきましては資料を添付しておりますので、ご覧いただけましたら幸いです。
また、無料トライアルも実施しておりますので、お気軽にお申し込みください。
何卒、よろしくお願いいたします。
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株式会社□□ 営業部
田中 太郎
〒123-4567 △△市
TEL:12-3456-7890 / FAX:12-3456-7890
携帯電話番号:12-3456-7890
Mail:abc@defg.co.jp
セミナー案内メール
件名:【〇/〇(曜日)開催】業務効率化セミナーのご案内
本文:
株式会社△△ □□部
ご担当者様
平素より大変お世話になっております。株式会社○○の山田太郎と申します。
この度、「業務効率化セミナー」を開催する運びとなりました。 本セミナーでは、業務効率化を実現するための実践的な手法やツールについて、詳しくご紹介いたします。
開催日時:〇月〇日(△曜日)14:00〜16:00
会場:【会場名】
参加費:無料
ご多用中と存じますが、ぜひご参加いただければ幸いです。
参加をご希望の場合は、〇月〇日までに以下のURLよりお申し込みください。
(URLを記載する)
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
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株式会社□□ 営業部
田中 太郎
〒123-4567 △△市
TEL:12-3456-7890 / FAX:12-3456-7890
携帯電話番号:12-3456-7890
Mail:abc@defg.co.jp
お礼メールの場合
件名:昨日のアポイントのお礼【株式会社□□ 田中太郎】
本文:
株式会社△△鈴木様
お世話になっております。株式会社□□営業部の田中です。
昨日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
鈴木様からお伺いした課題やご要望に関しまして、弊社で新たな対策を検討しつつ次のご提案に活かしていきたいと存じます。
もし、追加のご要望やご質問などがございましたら遠慮なくご連絡くださいませ。
それでは、今後ともよろしくお願い申し上げます。
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株式会社□□ 営業部
田中 太郎
〒123-4567 △△市
TEL:12-3456-7890 / FAX:12-3456-7890
携帯電話番号:12-3456-7890
Mail:abc@defg.co.jp
監修 | |
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Baseconnect株式会社 マーケティングチーム マネージャー 河村 和紀(かわむら かずき) 大手人材紹介会社に新卒入社。その後、Webメディア「ferret」を運営する株式会社ベーシックに入社。営業、営業企画、イベントマーケを経て、マーケティングマネージャーに就任。 主な寄稿実績『マーケター1年目の教科書』、『MarkeZine(マーケジン) vol.66』 |