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マジカルナンバーとは|記憶と印象に残るデザインを生む数の法則

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Webページや広告、提案書は相手がすぐ理解できて、なおかつ記憶と印象に残りやすいことが重要です。そのようなデザインを目指すために役立つのが、マジカルナンバーの法則です。

本記事では、マジカルナンバーの意味や活用するポイント、効果的に使っている事例を解説します。

マジカルナンバーとは、人間の短期記憶が許容できるチャンク(情報の塊)の数のこと

マジカルナンバーとは、人間が短期的に覚えていられる情報の塊の数を示す数字のことです。人間の短期記憶は長期記憶よりも容量が少ないため、「93472038156」のように情報量が多いものを覚えることは難しいのです。

そこで、「934-7203-8156」と電話番号のように「-」を入れて区切ると、不思議と覚えやすくなります。マジカルナンバーが示すのは情報の「塊」の許容量であるため、情報をいくつかの塊に分ければ、多くの情報でも記憶しやすくなります。こうした情報の塊を、チャンクと呼びます。チャンクも制限なしに記憶できるわけではなく、「924-7203-8156-6640-7251-4756-2235」のように多すぎると覚えられなくなります。

マジカルナンバーの現実的な数は、7ではなく4と考えられている

発見当時のマジカルナンバーは7±2と言われていましたが、現在では4±1と考えられています。この減少は、人間の記憶力が低下したのではなく、7±2はその情報を日常的に扱っていて慣れている場合の許容量であり、慣れていない情報に対する記憶は、4±1が限界であるということが分かったためです。

ビジネスに活用する上では、慣れている情報を届けることはあまり多くないため、4±1を基本として考えた方が良いでしょう。

マジカルナンバーをビジネスに活用するポイント

記憶させたいなら5個が限度

相手に複数の情報を記憶させたいと思うならば、4±1の最大値、つまり5個以内に抑えましょう。営業における商品のメリットや企画提案における強みといった、プラスの情報でも、多ければ多いほど説得力が増すわけではなく、ただ相手に「なんか多いな」と思われるだけで終わってしまう可能性があります。

処理や意思決定をさせたいなら3個が適切

情報を記憶させたいのならば5個以内に抑えればよいですが、その情報を処理させ、意思決定をさせようとするならば、5個でも過剰です。情報同士を比較させたり、選択肢の中から1つを決めさせたりするなど、記憶以上の作業を想定する場合、情報の数は3個が適切です。

たくさんあることをアピールしたいなら6個以上

マジカルナンバー以上の情報数は記憶に残りづらいですが、あえて覚えきれないほど情報を出すという戦略も可能です。情報サイトのカテゴリーや商品情報のメリットなどを、6個以上配置することによって、チャンクの許容量を超えて「記憶できないほど多い」という印象を与えられます。

チャンクの許容量を超えると、細かい情報の内容を覚えてもらうことは難しくなりますが、情報が許容量に収まる場合、自身の手に負える少ない量しかないという印象を相手に与える可能性があります。情報量の多さをアピールしたいなら、あえて情報をまとめにくい形で出してしまうという手も有効かもしれません。

チャンクをまとめることで限度を増やす

覚えてほしい情報の数が5個を超える場合、情報を区切ってチャンクをまとめるという手があります。9個の情報をそのまま提示すれば記憶されにくいですが、電話番号のように3-3-3と分けたり、1-1、1-2、1-3のように大きなカテゴリーで括ったりすることで、チャンクとしてまとまって記憶されやすくなります。

ただし、チャンクはあくまで情報の塊なので、まとめた分をざっくり1つとして認識されることには注意してください。チャンクとしてまとめた中に含まれる1つ1つの情報の精度は、チャンクをまとめずに記憶したときよりも低くなります。

マジカルナンバーを効果的に使っている事例

スティーブ・ジョブズのプレゼン

スティーブ・ジョブズのプレゼンは、商品の魅力が分かりやすく、なおかつ記憶と印象に残りやすいため、よく参考にされます。

ジョブズのプレゼンでは、大抵テーマは3つに抑えられています。iPhoneのプレゼンを例にとると、「1. ワイド画面タッチ操作のiPod」「2. 革命的な携帯電話」「3. 画期的なネット通信機器」という3つのテーマで行われました。画期的な、つまり聴衆にとって親しみのない商品を紹介することの多い彼ですが、プレゼンの主要テーマを3つに抑えているので、何を伝えたいのかをしっかりと聴衆に理解させることができたのです。

Yahoo!ホーム画面のニュース一覧

情報サイトは、情報がたくさんあることがウリですが、あまり多くありすぎても何も認識できないため逆効果です。Yahoo!ホーム画面のニュース一覧は、カテゴリー(下画像の赤丸で囲んだ部分)は9個、ニュース記事(下画像の赤四角で囲んだ部分)は8個に収めています。

これはマジカルナンバー7±2の限界値であるため、このサイトに度々訪れて表記方法に慣れている人が、かろうじて短期記憶に残せる量になっています。ニュースなどの情報を提示する数はあまり少なくても見栄えが悪いですが、これ以上増えてしまうとサイトの常連でも全ての内容を覚えきれなくなってしまい、見る気が失せてしまいます。

(出典:https://www.yahoo.co.jp/

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