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マテリアルズ・インフォマティクスとは|概要や課題、取り組み事例を紹介

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マテリアルズ・インフォマティクス(MI)とは何かご存知ですか?聞いたことはあるけれど、詳しい内容については分からないと言う人も多いのではないでしょうか。
今回はマテリアルズ・インフォマティクスの基本や、実施する際の課題、実際に取り組んでいる事例を紹介します。

マテリアルズ・インフォマティクス(MI)とは、情報科学を素材開発に活かす取り組みのこと

マテリアルズ・インフォマティクス(Materials Informatics/MI)とは、統計学や機械学習といった情報科学を活かして、素材開発を効率よく行う取り組みのことです。開発データや論文データなどの素材開発に関するビッグデータが蓄積されていることに加え、IT技術の発展によりこれらのデータを解析できるようになったことから、AIによって有効な素材を探索するマテリアルズ・インフォマティクスが注目されています。

マテリアルズ・インフォマティクスが注目されている背景

2011年アメリカのオバマ元大統領によって、材料研究に変革を起こすという意思である「マテリアル・ゲノム・イニシアティブ(Materials Genome Initiative/MGI)」が表明されたことを機に、マテリアルズ・インフォマティクスの技術開発が推進されてきました。日本では国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が2015年に「情報統合型物質・材料開発イニシアティブ」を発足し、これを機にマテリアルズ・インフォマティクスが推進されています。

従来の素材開発では、過去の研究データや論文からの情報を活用し、研究者が経験や勘を頼りに最適な素材を予測していました。多くの候補の中から、総当たりでシミュレーションや実験を行い、その有効性を確かめる方法が一般的でした。しかし、研究者のスキルに依存するため再現性が低く、膨大な候補に対してシミュレーションや実験で確認する作業を要するため、素材開発に莫大な時間がかかっていました。

一方、マテリアルズ・インフォマティクスでは研究データにAIを用いてある程度の最適解を予測することが可能です。統計学を用いた客観的な判断が可能となり再現性が高まるほか、素材の候補が減るため実施工程が削減され、効率よく素材開発を実施できることが期待されています。

マテリアルズ・インフォマティクス導入における課題

データの不足

マテリアルズ・インフォマティクスでは情報科学を活用するため、十分な量の高品質なデータが必要です。データに欠損値やばらつきが多ければAIの学習精度が低下し、最適な素材の予測精度が悪くなってしまいます。また、十分なデータがあったとしても、AIが学習できるような形式に整理する必要があり、膨大なデータが散らばっている場合はその作業に大きな時間を要します。

そのため、高品質なデータを十分量確保できるか、そしてAIが学習できるように整理できるかどうかが、マテリアルズ・インフォマティクスを導入する上で重要な課題と言えます。

データサイエンスの知識の不足

AIが予測した結果を解析するためには、データサイエンスの知識も必要となります。日本ではこれまでデータサイエンスに注力していなかったため専門家が少なく、さらに素材開発とデータを結び付ける必要があるのに対し、素材とデータ両方の知識を持つ人材が非常に少ないというのが現状です。

マテリアルズ・インフォマティクスを導入する場合は、外部の教育機関などを活用してデータサイエンスの知識を習得することが求められます。

解析設備の不足

データを活用するためには、それを収集して蓄積する設備や解析するためのソフトウェアなどが必要となり、膨大な導入コストを要します。また、これらは精密機器であるためメンテナンスなどのランニングコストも必要です。マテリアルズ・インフォマティクスの導入による見込み利益と導入コストを引き比べ、慎重に検討する必要があります。

マテリアルズ・インフォマティクスの取り組み事例

旭化成

旭化成では短期間での革新的な素材開発のためにマテリアルズ・インフォマティクスを推進しており、実験データを集約する基盤や、マテリアルズ・インフォマティクスを最適化し自律的に実験と探索を行うラボの構築も進めています。また、機械学習モデルを開発するためのプラットフォーム「IFX-Hub」を教育にも活用し、マテリアルズ・インフォマティクス人財の育成に力を入れています。

(出典「旭化成公式サイト」:https://www.asahi-kasei.com/jp/company/dx/case/

住友化学

住友化学ではマテリアルズ・インフォマティクスを構造解析と組み合わせることで、有効な素材の構造を効率よく探索する取り組みを実施しています。また、マテリアルズ・インフォマティクスとシミュレーション技術による理論計算で、機能性材料の探究に注力しています。

(出典「住友化学公式サイト」:https://www.sumitomo-chem.co.jp/rd/laboratories/advanced_materials/

東レ

東レは樹脂製品の開発に対してマテリアルズ・インフォマティクスを導入しており、AIによる最適な樹脂選択の効率化を実現し素材開発の短期化を図っています。また、マテリアルズ・インフォマティクスを駆使した物性予測システムを社外向けにも提供しており、業界全体でのマテリアルズ・インフォマティクスの推進を試みています。

(出典「東レ公式サイト」:https://www.toray.co.jp/news/details/20220922163816.html

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