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普及率アップの鍵となるクリティカルマスとは?キャズム理論との違いを解説

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クリティカルマス」「イノベーター理論」「キャズム理論」などの用語を聞いたことはありませんか?実は、イノベーションを起こし新商品を普及させるためにはこれらのキーワードを意識することが肝心になります。

今回はクリティカルマスについてイノベーター理論、キャズム理論と合わせて解説していきます!

クリティカルマスとは?製品の普及率を上げる分岐点

クリティカルマスとは、商品が急激に普及するようになる分岐点を指します。普及率がクリティカルマスに達成すると、消費者同士が互いに商品を普及し合うようになり、自ずと普及率が爆発的に上昇すると言われています。

基本的にクリティカルマスは、全体の消費者のうちの16%の消費者に普及した点とされます。

消費者は5つの分類に分けられる!イノベーター理論を紹介

クリティカルマスや後で紹介するキャズム理論を解説するために、イノベーター理論について説明します。
イノベーター理論とは、市場に新しい商品が投入されたときの消費者を以下のように5つに分けた考え方です。

  • イノベーター(市場の2.5%)
    商品の安心感や他の人がどれくらい使っているかよりも、商品がどれだけ革新的か、面白いか等を重視する消費者です。イノベーターは新しい商品が登場したときに1番最初に購入する人達になります。
  • アーリーアダプター(市場の13.5%)
    イノベーターほど積極的では無い
    ものの、新しいものを好み、新商品に関する情報に敏感な消費者です。他の消費者に与える影響が大きく、発信力が高いとされています。

イノベーターとアーリーアダプターをあわせた消費者市場を初期市場と呼び、初期市場の全域に商品が普及した点がクリティカルマスとされます。

  • アーリーマジョリティ(市場の34%)
    新しい物に興味は持っているものの、他の人も使っているなど、ある程度の安心感を求める消費者です。一方で、すべての消費者のなかでは比較的に新しい物に対して敏感な分類に入り、全体の大きな割合を占めています。
  • レイトマジョリティ(市場の34%)
    新しいものに対して慎重で、身近で多くの人が使っているなど、ある程度普及していないと導入をためらってしまう
    消費者です。アーリーマジョリティと同じく消費者のうちの大きな割合を占めます。
  • ラガード(市場の16%)
    消費者の中でも1番新しいものに慎重で用心深く、最も導入のタイミングが遅い消費者です。商品が「あって当たり前の物」とされるまで普及しないと、商品の導入は期待できないでしょう。

アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードをあわせた消費者市場をメインストリーム市場と言います。

つまり、商品がイノベーターとアーリーアダプターをあわせた初期市場に完全に普及したら、自然と消費者市場にまで普及するようになるという考え方がクリティカルマスの基本です。

クリティカルマスに達するための施策の具体例

クリティカルマスに達した商品は、他商品よりも早い時期に爆発的に普及するため、市場で大きなシェアを獲得できます。逆に、すでに他社の商品がクリティカルマスに達してしまってから参入を決めてもシェアを奪い取ることは難しいでしょう。

では、普及率がクリティカルマスに達するためにはどのような戦略を取ればいいのでしょうか?

はじめは価格を低く設定したり、販促キャンペーンを実施したりする

革新的な商品を導入する場合、その商品のメリットを消費者が想像しづらいため、購入をためらってしまいます。そこで、消費者の購入を促す施策の代表的な例の一つが、導入直後の商品の販売価格を低く設定したり、既存の商品とセットにして販売したりといったキャンペーンを実施することです。

これによって導入へのハードルを下げ、消費者に「試しに買ってみよう」と思わせることが効果的です。

イノベーターやアーリーアダプターが多い市場でアピールする

クリティカルマスに達するためにはイノベーターやアーリーアダブターに自社商品をアピールする必要があります。両者には新しい物に関する情報に敏感であるという特徴があります。

そこで、商品の開発段階で、クラウドファンディングサイトなどのイノベーターやアーリーアダプターが多いプラットフォームで商品をアピールすることも効果的です。クラウドファンディングの出資者には新しい物に敏感な人が多いため、こういったところで注目を集めることは初期市場でアピールするのに効果的であると言えるでしょう。

また、アーリーアダプターはある程度の発信力を持っています。そのため、このような消費者に商品が革新的であることや、将来的に商品がどのように発展するかをアピールすることで、さらなる普及率の上昇が期待できます。

クリティカルマスとキャズム理論の考え方の違いを検証

イノベーター理論に関連する考え方の一つにキャズム理論という理論があります。この理論もクリティカルマスと同様、「普及率16%」という数字に着目しています。一方で、クリティカルマスとキャズム理論では考え方が大きく異なります。

そもそもキャズム理論とは?2つの顧客層の間に存在する深い溝

キャズム理論とは、イノベーター理論によって分類された5つの消費者カテゴリーの中で、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には、大きな溝(キャズム)が存在するとした理論です。

商品が普及していく工程の中で、大きな溝にハマってしまった場合、商品が普及することはなく、市場から消えてしまうという考え方です。

2つの考え方では「普及率16%」の捉え方が異なる

クリティカルマスの考え方では、アーリーアダプターは他の消費者層への発信力や影響力を持っているとしました。そのため、イノベーターとアーリーアダプターをあわせた初期市場に商品が普及したらその後も自ずと他の消費者に普及するということになります。

一方、キャズム理論では、新しい物に敏感なアーリーアダプターから、商品への安心感を求めるアーリーマジョリティへの普及が最も難しく、16%を超えられないとイノベーションは失敗するとしました。

そこで、如何にアーリーマジョリティに商品をアピールするかが肝心になります。アーリーマジョリティがより保守的であることを踏まえて、商品の導入事例を紹介することで安心感を与えると良いでしょう。

まとめ

いかがでしょうか?
今回は、クリティカルマスの考え方を中心に、商品がどのように普及するか解説しました。
普及率16%の達成やキャズムを超えることを目標にプロモーションを行いましょう!

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