行動心理学とは、人の行動の要因になっている心理を研究する学問です。少し難しそうに思われるかもしれませんが、誰でも使える簡単なテクニックも存在します。
今回は、行動心理学を用いて顧客の心理を掴む営業テクニックを紹介します。
目次
信頼関係を築くテクニック
相手の言葉を繰り返す「バックトラッキング」
バックトラッキングとは相手の言葉を繰り返すことで、日本語で「オウム返し」とも呼ばれます。
<例>
上記の例では、「検討中」というキーワードを「検討している最中」と少し言い換えています。同じ言葉を繰り返すだけでなく、言い換えたり要約することも効果的です。
バックトラッキングは、相手に対して「自分の話をきちんと聞いてくれている」「自分のことを理解してくれている」といった肯定的な感覚を与えられます。
相手の感情に訴えて話す「ラポートトーク」と、事実や情報のみを淡々と話す「リポートトーク」
ラポートトークとは、聞き手との信頼関係を作り出そうとして相手の感情に訴えて話すことです。一方でリポートトークとは、ラポートトークとは対照的に、事実や情報のみを淡々と話すことです。
ラポートトークだけでは営業になりませんし、リポートトークだけでは淡々としていて共感されにくいため、両手法の使い分けが重要です。ラポートトークの合間に上手くリポートトークを交えることで、商品やサービスの良さを伝えられます。
ラポートトークで共感を得ながら、リポートトークで事実に基いた正しい情報を伝え信頼を得るというように、2つの手法を使い分けることでより効果的なトークができるようになります。
ヒアリング時に使えるテクニック
相手が自由に返答できる「オープンクエスチョン」と、相手の返答を制限する「クローズドクエスチョン」
オープンクエスチョンとは、回答の範囲を制限せずに、相手が自由に返答できる質問のことです。一方でクローズドクエスチョンとは、回答範囲を設けて、相手がYes/Noやいくつかの選択肢の中から答える質問のことです。
それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
オープンクエスチョン | メリット | ・会話が広がりやすい ・相手に考えてもらえる |
デメリット | ・回答を得るまでに時間がかかる ・信頼関係が必要な場合もある |
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クローズドクエスチョン | メリット | ・すぐに明確な回答を得ることができる ・会話をコントロールすることができる |
デメリット | ・会話が広がりにくい ・尋問のように感じる場合がある |
それぞれに一長一短があり、会話の中で使い分けることが重要です。クローズドクエスチョンで会話のきっかけを掴み、オープンクエスチョンで会話を広げていくというのが理想的な会話の流れです。
営業ではクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを上手に使い分け、会話を広げつつ最終的に「Yes」をもらえるように会話を工夫しましょう。
商談を上手くすすめるためのテクニック
譲歩する姿勢を見せて本来の要求を有利に行う「ドア・イン・ザ・フェイス」
ドア・イン・ザ・フェイスとは、始めに断られる前提で高い要求をあえて提示し、譲歩によって共感・同情を誘うことで、本来の要求を通しやすくする交渉方法です。
<例>
ここでのポイントは、断られるであろう提案を先に行い、後に本命の提案に譲歩することです。最初に使い放題のプランを提示することは、本来の目的であるお試しプランの契約をしてもらうための布石なのです。
この手法では、相手がそもそも商品・サービス自体を求めていない場合に、無理に値段を下げたとしても、商品・サービスの価値を下げるだけになりますので、注意してください。
小さな質問から「YES」を取り続けることで交渉を有利に進める、「フット・イン・ザ・ドア」
フット・インザ・ドアとは、「一度YESといったら、NOと答えにくくなる」という、一貫性を保とうとする人間の心理を利用した交渉テクニックです。
<例>
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このように、小さな提案からYESを取り、そこから段階的に提案内容のレベルを上げ、最終的に売りたい商品へのYESをとるというのがこのテクニックです。
いかがでしたか?
今回は、行動心理学を利用した信頼関係を構築するテクニックやヒアリング時に使えるテクニック、商談を上手く進めるためのテクニックを紹介しました。誰でも簡単に使えるテクニックですので、営業シーンで使ってみてはいかがでしょうか。
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