日報を作成するにあたって、重要になるポイントの一つとして挙げられるのが「所感」の項目ではないでしょうか。
「所感って何?感想とは何が違うの?」と戸惑う方のために、今回は所感の基本から活用術までご紹介いたします!
目次
所感では結果に対する分析や、改善策が求められている
所感とは、一日の仕事を報告する日報を通して考えたことを記入する、いわば日報における統括にあたる部分です。所感の書き方次第で、日報を書くことの意義が大きく左右されます。
簡単に言えば、感想が「仕事の中で感じたこと」である一方、所感は「感じたことに対する、分析や改善策を交えた自分の考え」です。
単に感じたことを記録するという受動的な姿勢で所感を書くのではなく、感じたことに対して自分なりに分析をしたり改善策を考えたりする、という能動的な姿勢を持つ習慣を作りましょう。
所感を書く上での基本ルール
まずは所感を書く上での基本的なルールからご紹介します。
目標達成率を数字で表す
所感の書き出しでは、目標に対する成果を数字で表しましょう。
悪い例:今日は~~件のアポを取るという目標が達成できなかった
良い例:今日は~~件のアポを取るという目標に対して、結果は~~件であり、達成率は~~%であった
良い例のように定量的な書き方をすることによって、「達成できたor達成できなかった」という二択よりも具体的な振り返りができるようになります。
成果に対する分析を行い、改善策を記載する
数字で成果を表したら、その成果を分析して次回以降どのようなことに気をつけるかを記入しましょう。
・目標を達成できた日は、目標未達の日と比べて違いはあったか。
・目標未達の日は、何が原因なのか、またそれはどうしたら打開できるのか。
こうした流れで分析を行うことで場当たり的な行動が減り、安定した成果を出すことにつながります。
数値や要因分析を盛り込んだ所感の具体例
「目標達成率を数値で表す」「成果に対する分析や改善策」を盛り込んだ所感の具体例を見てみましょう。
目標を達成できた日
今日は~~件のアポを取るという目標に対して、結果は~~件であり、達成率は~~%であった。同じ目標を立てたものの達成できなかった○日の反省を生かし、トークスクリプトを作りスムーズに話を進められたことが要因と考える。
話すことに関しては上手くいったが、相手の情報を聞き出すことに苦戦したので、今後はより具体的な質問をすることで改善していきたい。
目標を達成できなかった日
今日は~~件のアポを取るという目標に対して、結果は~~件であり、達成率は~~%であった。目標が達成できなかった要因として、新規営業であることを理由に取り次ぎを断られたものが~~件と多かったことが挙げられる。
担当者の名前を事前に把握しておくことで改善可能であると思われるので、今後は事前の調査により力を入れるようにしたい。
より良い日報を書くためのコツ
できるだけ簡潔に書く
自分なりの分析や改善策を盛り込むことは大切ですが、長すぎる所感は提出先である上司の負担になり、また重要なことが埋もれて分かりにくくなってしまいます。できるだけ簡潔にまとめることが大切です。
では、先ほどの具体例を用いて比較してみましょう。
良い例:今日は~~件のアポを取るという目標に対して、結果は~~件であり、達成率は~~%であった。同じ目標を立てたが達成できなかった○日の反省を生かし、トークスクリプトを作りスムーズに話を進められたことが要因と考える。
話すことに関しては上手くいったが、相手の情報を聞き出すことに苦戦したので、今後はより具体的な質問をすることで改善していきたい。
悪い例:今日は~~件のアポを取るという目標に対して、結果は~~件であり、達成率は~~%であった。これに対して○日も同じく目標を~~件としていたが、この日は話につまってしまうことが多く、そこで電話を切られてしまったため、結果は~~件であり、達成率は~~%と目標を達成することはできなかった。そこで、今日はその反省を生かして事前にトークスクリプトを用意した。これに沿って話すことで、スムーズに話を進めることができたため目標を達成できたと考える。
今日は自分から話すということに関しては上手くいったといえる。しかし相手に関する情報をうまく聞き出すことができず苦戦した。今後はより具体的な質問をすることで改善していきたい。
この二つの例は文量には大きな差がありますが、内容はほぼ同じで、良い例だけでも十分に伝わります。
特にマーカーが引いてある部分は、比較した○日の所感に書かれていることが予想されます。このように、一度自分が書いた内容を別の日の日報に書かないことを心がけ、必要な情報だけを簡潔にまとめるようにしましょう。
すぐに感想や考えを記録する
さらに、日報を効率的に書くにあたって「すぐに記入する」というコツがありますが、これは所感を書く際にも同じことが言えます。
例えば営業職の方は、出先から帰る途中の移動時間に簡単にメモしておくといいでしょう。
仕事中に感じたことや考えたことは忘れないうちに記録しておき、一日の終わりにはまとめるだけ、というようにしておくと短時間で効率よく完成させることができます。
所感の活用術
所感は自分自身の振り返りをするだけの項目ではありません。ワンランク上の所感を書くための活用術をご紹介します!
アイデアや疑問、お礼を伝えるツールにもできる
まずは仕事中に浮かんだちょっとしたアイデアや疑問を上司に伝えることができます。
「些細なことで直接聞きに行くのははばかられる・・・」といった内容は、所感の項目を利用して伝えてみましょう。
さらに、お礼の気持ちを伝えることもできます。
もちろん、お礼はすぐに直接伝えるのがマナーです。しかし、「ちょうど忙しそうにしていて話しかけられなかった・・・」など、どうしても伝えられなかったときには、取り急ぎ所感の項目で伝えてみましょう。ただし、その後に必ず直接お礼を伝えに行くことを忘れてはいけません。
例文:○○さんからの~~というアドバイスを実践してみたところ、取り次いでもらえる率が上がったように感じました。ありがとうございました。後ほど改めてお礼に伺います。
いかがでしたか?
所感は慣れないうちは感想と混同してしまいがちですが、この二つには明確な違いがあります。今回ご紹介したポイントを押さえて、成績の向上に役立つ所感を書くように心がけましょう!
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