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コホート分析のやり方をGoogleアナリティクスやExcelで紹介
「コホート分析」という言葉をご存知でしょうか。
コホート分析は、ユーザーの行動分析に有益な方法ですが、専門知識などが必要なことから、難しいと思われてしまいがちです。
GoogleアナリティクスやExcelを使った、コホート分析の簡単なやり方や活用方法を解説します。
目次
コホート分析とは顧客集団ごとに行動を分析する手法
コホートは「共通した要素を持った集団」を意味します。
マーケティングにおけるコホート分析では、「1月1日に初回アクセスした集団」のように、顧客の行動によってコホートを作成します。
コホートごとによって、定着率や購買率、セッション数などの変化を追跡します。
コホート分析の結果をマーケティングに利用する
コホート分析を行うことによって、
- 自社サイトに登録したユーザーがいつ離脱しやすいのか
- ユーザーがサイトに登録してから実際に商品を購入するまでにかかる日数
- 顧客は累計でいくら自社製品を買っているのか(顧客生涯価値)
などを把握できます。
これらの結果を踏まえることで、施策の効果測定や、将来的な顧客数および売上の予測を行うことができます。
Googleアナリティクスを使ったコホート分析のやり方
Googleが無料で提供しているアクセス解析ソフトの「Googleアナリティクス」を使うことで、簡単にコホート分析を行うことができます。
コホート分析を行い、コホート表を作成するための手順
- Googleアナリティクスを使用するために、GoogleアカウントおよびGoogleアナリティクスアカウントを作成する必要があります。また、サイト内の各ページにトラッキングコードを設置する必要があります。
Googleアナリティクスで分析したいWebサイトごとにプロパティを作成し、GoogleアナリティクスIDを生成します。
「管理」→「プロパティ」→「トラッキング情報」→「トラッキングコード」→「グローバルサイトタグ」から得られたグローバルサイトタグを各Webページにコピーして、<head>タグの直後にペーストします。詳しいトラッキングコードの設定方法は、こちらのページを参照してください。 - Googleアナリティクスにログイン後、ホーム画面の「オーディエンス」から「コホート分析」を選択することでコホート表を見ることができます。
- コホート分析タブからコホートの種類やサイズなどが設定できる他、結果の保存や出力もできます。
Googleアナリティクスを用いるメリットは、特別な知識がなくても分析ができることです。
Googleアナリティクスに搭載されているコホート分析の機能
Googleアナリティクスでは行かの4つの要素を変更可能です。
- コホートの種類:現在は「集客の日付」以外の選択肢はなく、ユーザーを獲得した日を示しています。
- コホートのサイズ:「日別」「週別」「月別」の選択肢があり、ユーザーを分類する単位を選択できます。
- 指標:「ユーザーあたりのセッション」などの「ユーザー」に関する指標、「ページビュー数」などの「合計」に関する指標、「定着率」から分析に使う指標を選ぶことができます。
- 期間:「過去7日」から「過去3ヶ月」まで、どれだけの期間を分析対象とするかをコホートのサイズに応じて選択できます。
分析の条件を簡単に変更できることもGoogelアナリティクスを使うことのメリットです。
Excelを使った離脱状況のコホート分析のやり方
コホート分析は、Excelで行うこともできます。
今回はサイトの初回登録日ごとに顧客を分類し、「何日目でコホートの何割の顧客が離脱したか」を分析するための簡易的なコホート表の作り方を解説します。
- はじめに、顧客の登録日と離脱日、顧客IDをセルに入力したデータを用意します。
- 次に、離脱するまでかかった日数を計算するために、D列に「離脱までの日数」欄を作り、D2欄に 『 =DATEDIF(B2,C2,”d”) 』 を入力し、オートフィルします。
また、関数の “d” を “m” に変更すると月数によって、”y” に変更すると年数によってコホートを作成できます。
- 次に、データの範囲を選択し、「挿入」→「ピボットテーブル」からピボットテーブルを作成します。
そして、「ピボットテーブルのフィールド」の行に「登録日」、列に「離脱までの日数」、値に「顧客ID」を選択します。
この時、顧客IDについてはiマークを開き、「集計の方法」→「個数」を選択します。 - 次に、ピボットテーブル上で右クリックし「値の集計方法」→「その他のオプション」→「計算の種類」→「行集計に対する比率」を選択します。
作成された表は、「ピボットテーブル分析」→「デザイン」→「集計」→「行と列の集計を行わない」を選択し、「総計」欄を削除するとより見やすくなります。
出力されたコホート表の数値から、初回アクセスから何日目にコホートのうちの何割が離脱しているかがわかります。
Excelを用いる場合、関数などを入力する手間が必要ですが、使用する指標や計算方法などをより詳細にカスタマイズすることが可能です。
また、デザインを工夫することでより見やすいコホート表を作成できます。
出力されたコホート表の結果を解釈する
出力されたコホート表を利用することで、自社サイトにアクセスしているユーザーがどのような行動をとっているかを解釈できます。
また、それを踏まえることで顧客の離脱を防ぐ方法や、購買率を上げる方法などを検討できます。
離脱率を分析し、ユーザーを逃さないような施策を打ち出す
コホート分析で離脱率を分析することで、顧客維持のための施策の内容とタイミングを検討することができます。
例えば、コホート分析の結果から多くのコホートの離脱率が「初回アクセスから2週間目と3週間目の間に大きく増加している」ことがわかったとします。
離脱率の増加が、ユーザーの興味が薄れていることに原因していると考えられる場合、
- 2週間目と3週間目の間にお得な商品やサービスなどを紹介するメルマガを送信する
- 2週間目にクーポンを配布する
- 定期的にアクセスすることで特典を得られるキャンペーンを実施する
などの施策をとることで、維持率を保つことができます。
将来的な顧客数、売上高の予測に活用する
顧客を追跡し、購買率やアクセス数を観察することで、自社サイトにアクセスするユーザーの傾向がわかります。この傾向を踏まえて、今後の新規顧客数および定着ユーザー数、売上を予測できます。
また、キャンペーンなどを実施した後にコホート分析をすることも効果的です。分析結果によってキャンペーンの効果が明らかになるほか、今後もキャンペーンを実施する際の参考データになります。
コホートごとの顧客生涯価値を参照し、顧客行動を分析する
コホート分析の代表的な手法の1つとして、顧客生涯価値(LTV)をコホートごとに分析する方法があります。
1つの例として、「初回アクセス日からの日数」を横軸のラベル、「累計アクセス時間」「累計収益」などを縦軸のラベルに取り、各コホートのデータをグラフにすることでコホートごとのLTVの推移を観察できます。
また、実験的に新しい施策を実施した場合、各コホートのLTVを追跡することで施策の効果を測定できます。例えば、1月から毎月異なるキャンペーンを実施し、コホート分析を行ったところ、以上の結果を得たとします。この場合、3月に実施したキャンペーンは短期的な効果はあるものの、長期的に考えた場合、実施すべきでは無いことがわかります。
その他、顧客を維持するためにかける予算を決めたり、維持率を上げることで得られる利益を推測することが可能です。
いかがでしたか?
今回は難しいと思われがちなコホート分析の簡単なやり方や活用方法を紹介しました。
コホート分析はアクセス状況を正確に把握するための有効な手段です。
上手に活用して売上・アクセス数の増加を狙いましょう!
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