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会計監査人とは?資格要件や任期、権限や義務について紹介
「会計監査人という言葉は聞いたことがあるが、具体的にどんな役割を担っているのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、会計監査人の資格要件や任期、選任方法などの基礎知識を紹介します。
目次
会計監査人とは、会社の会計監査を行う機関のこと
会計監査人とは、株式会社の計算書類およびその付属明細書、臨時計算書類、連結計算書類を監査した上で、会計監査報告の作成職務を行う、株式会社の外部機関のことを指します。
日本における監査制度には「内部監査」と「外部監査」の二種類がありますが、株式会社の外部機関である会計監査人による監査は「外部監査」に分類されます。
大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上の会社)や委員会設置会社においては、会計監査人の設置が義務づけられています。また、これらにあてはまらない株式会社においても、定款で定めることによって会計監査人の設置が可能です。
会計監査人の資格要件や欠格事由
会社法上の規定により、会計監査人になることができるのは、公認会計士または監査法人(5人以上の公認会計士によって設立された法人)に限られます。会社外部の専門家によって企業の財務情報を監査することで、当該会社における財務情報のより適切なコントロールを目的としています。
また、会計監査人の公平な第三者性を確保するために、厳格な欠格事由が会社法上に定められています。具体的には以下の場合に、会計監査人になることが禁じられています。
- 公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者
- 株式会社や子会社、その取締役などから、公認会計士または監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者またはその配偶者
- 社員の半数以上が上に掲げる者である監査法人
会計参与や監査役との違い
https://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/sme_support/accounts/
会計監査人と混同されがちなものとして、監査役や会計参与が挙げられます。どれも株式会社の監査に関わりますが、以下のようにそれぞれが異なる段階において役割を持ちます。
- 会計参与が、株式会社の役員として取締役と共同して賃借対照表などの計算関係書類を作成します。
- この計算関係書類について、会計監査人が監査をして会計監査報告を作成します。
- 監査役がこの会計監査報告を監査して、監査報告を作成します。
さらに、会計監査人が社外の機関であるのに対して、会計参与や監査役は役員として会社の監査に関わるという違いがあります。
会計監査人の選任や解任は、株主総会の決議によって行われる
会計監査人は、原則として株主総会の決議によって選任や解任が行われます。
また例外的に、会計監査人が欠けたものの、遅滞なく後任の会計監査人が選任されない場合は、監査役が一時会計監査人の職務を行う者を選任します。(会社法第346条4項)
会計監査人の任期は一年
会計監査人の任期は、会社法第338条1項に「選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」と定められていて、多くの場合一年間です。
監査役の任期が四年であるのに対して、会計監査人の任期は短く設定されています。しかし、定期株主総会において別段の決議がない場合は再任したものとみなされます。
会計監査人の権限と義務
会計報告を請求する権限と、業務状況を調査する権限を持つ
会計監査人は、当該会社や子会社における会計帳簿の閲覧や、会計報告を請求する権限を持ちます。ただし子会社は、正当な理由があれば会計報告の請求を拒むことが可能です。(会社法第396条2項・4項)
さらに、会計監査人が自身の職務にあたって必要な場合は、当該株式会社や子会社の財産内容を調査する権限も有しています。ただし、こちらも正当な理由があれば、子会社はその調査を拒むことができます。(会社法第396条3項・4項)
取締役の不正行為などを監査役に報告する義務を負う
会計監査人が自身の職務を行う際に、取締役の不正行為や法令違反、定款違反にあたる重大な事実を発見した場合、遅滞なく監査役に報告する義務を負います。会社会計の健全化が目的である会計監査人が監査役と連携し、会社の不正を未然に防止することが目的です。
また、監査役が自身の職務のために必要があるとき、監査役から会計監査人に対して監査に関する報告を求められる場合もあります。
いかがでしたか?会計監査人は、社外の独立した存在として、会社会計の健全化を図る重要な機関です。今回紹介したポイントを参考にして、会計監査人に関する理解を深めましょう。
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