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「事業承継」で経営を引き継ぐ|3つの方法や相談先を紹介
近年、経営者の高齢化が進む中で「事業承継」が大きな課題となっています。しかし、言葉は知っているものの「どのような種類があるのか」「相談先はどこがあるのか」など分からない方も多いのではないでしょうか。
今回は、事業承継について3つの方法と、主な相談先を紹介します。
目次
事業承継とは、経営を後継者に引き継ぐこと
事業承継とは、企業の事業そのものを後継者に引き継ぐことを指します。主に以下の3つの要素が後継者に引き継がれることになります。
- 経営(経営権など)
- 資産(財産権、株式、資金など)
- 知的資産(経営理念、特許など)
似たような言葉に「事業継承」があります。どちらも同じような意味で使われますが「事業承継」は法律用語として、引き継ぐことを指す言葉のため、条文などでも使われています。
また、「事業承継」には前経営者が設立した経営理念やビジョンなども引き継ぐというニュアンスが含まれています。一方で、「事業継承」は経営権や地位を引き継ぐという意味合いを持つことがあります。強調したい部分に合わせて、使い分けましょう。
本記事では、経営理念などの無形資産の引き継ぎの意味合いも含むため「事業承継」に統一します。
後継者問題が深刻な中小企業こそ「事業承継」が重要な役割を果たす
日本では企業の約99%が中小企業であり、その多くが後継者不足に頭を悩ませています。後継者がいないために、経営者の高齢化が進み、廃業に追い込まれている企業も少なくありません。廃業に追い込まれる前に事業承継を行うことで、優秀な企業が成長力・収益率を維持できます。
また、事業承継を行うことで相続トラブルのリスクを避けられます。経営者が亡くなった場合、事業だけでなく企業の資産も親族同士で分け合うことになります。その際に起きうるトラブルは、事前に事業承継しておくことで回避できるでしょう。
このように高齢経営者の多い中小企業こそ、事業承継が重要な役割を果たすことができます。
事業承継の3つの方法
親族内承継
事業承継の中で一番スタンダードといわれる方法が、親族内承継です。文字通り、親族である配偶者や子供などに事業承継を行います。
メリット
- 後継者のことをよく知っているため、社員にも受け入れられやすい
- 意思の承継も行いやすい
- 企業の資産を身内に残せる
デメリット
- 後継者候補が事業承継を希望していない場合がある
- 後継者候補に経営者の素質がないおそれがある
- 引き継ぎたくないリスクも親族に負わせるおそれがある
社内承継
親族以外の人物に承継してもらうことを「社内承継」「親族外承継」などと言います。経営能力が期待できる役員や社員を指名する方法です。
メリット
- 後継者の候補が広がり、数多くの候補から指名できる
- 事業内容や社風などをよく理解している人に引き継いでもらえるため、スムーズに対応できる
デメリット
- 後継者候補が企業の株式を取得できるほどの資金を準備できるかわからない
- 金融機関などの外部から後継者を呼ぶと、社内から受け入れられないおそれがある
M&A
事業や企業を売却するM&Aを活用して、事業承継する方法もあります。親族や社内に後継者候補が少ない場合にM&Aを検討してみることをおすすめします。
メリット
- 社外から選んだ有能な人材に引き継ぐことができる
- 売却した利益を受け取れる
デメリット
- 経営権を失う
- 経営理念などの文化を適切に引き継ぐことが難しい
- 希望の条件に合う後継者を見つけることが難しい
事業承継の相談先
事業承継について相談できる機関は以下の通りです。
- 事業引継ぎ相談窓口・事業引継ぎ支援センター
- 商工会議所
- 金融機関
- 弁護士や行政書士
- 公認会計士や税理士
- M&A仲介業者、M&Aコンサルティング会社
企業にとって継続的に身近な存在である、公認会計士や金融機関に相談することが多いと言われています。ただし、公認会計士などは決算や会計のプロですが、事業承継に精通しているとは限りません。公的機関の事業引継ぎ支援センターや事業承継を専門としているM&A仲介業者など、様々な機関に相談してみましょう。
事業承継には時間がかかるので、早めに取り組もう
親族内承継や社内承継などは、後継者候補を育成する必要があるため、事業承継には時間がかかります。また、M&Aも条件に合った後継者選びや意思を承継するためには時間がかかります。
このように、どのような方法を選択しても、時間がかかるのは変わりません。なるべく早めに行動することをおすすめします。
いかがでしたか?
事業承継は、経営ノウハウなどを含めた事業そのものを後継者に引き継ぐことを指します。特に中小企業にとっては重要な役割を果たします。3つの方法、それぞれの特徴を理解して、自社に合ったものを考えてみましょう。
まずはこれだけ。新規開拓営業を始める時の心得
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