アニュアルレポートという言葉を聞いたことはありますか?
法律上は作成しなくてもよいものですが、一部の企業では投資を受けるために活用されています。
今回はアニュアルレポートについて、作成の目的やメリットを紹介します。
目次
アニュアルレポート(年次報告書)とは、経営に関する情報の開示を目的として、利害関係者に対し発行する資料のこと
アニュアルレポート(Annual Report、年次報告書)とは、経営や財務に関する総合的な情報の開示を目的として、年度末に株主や金融機関などの利害関係者へ発行する資料のことを指します。
有価証券報告書や決算短信などと異なり、法律で作成を義務付けられたものではありません。そのため内容も自由に作成できます。
一般的なアニュアルレポートには、次のような内容が盛り込まれます。
- 企業がどのように持続・発展しているか
- 財務の安定性
- 今後の経営戦略・方針
アニュアルレポートを作成している企業の多くでは、冊子として発行するだけでなくWebサイトで公開しています。法定の報告書ではなく自由に企業をアピールできるため、各社が趣向を凝らしたアニュアルレポートを作成しています。
有価証券報告書との違い
有価証券報告書とは、法律に基づいて上場企業に提出が義務付けられている、企業情報の開示資料です。過去の財務情報などを伝えるものであり、情報開示の内容も法律で定められています。
これに対しアニュアルレポートは、法律で定められたものではなく、作成自体も記載する内容も自由に決定できます。
アニュアルレポートは、投資家にアプローチするために作成される
アニュアルレポートを作成する目的は、企業に関する情報を開示して、投資家にアプローチすることです。
アニュアルレポートでは、法律上作成義務のある有価証券報告書や決算短信では読み取ることのできない、経営者の理念・考え方や企業風土、事業戦略や社会的責任への取り組みなどを知ることができます。そのため、投資家にとっては投資の可否を考えるための貴重な情報源となります。
従来、日本では海外の投資家に向けたものであったため、英語で作成されるのが一般的でした。しかし近年では、情報源としての重要性が高まり、日本語版も多く作成されています。
求職者や営業パーソンが、企業情報を収集するために用いることもある
アニュアルレポートを利用するのは投資家だけでなく、求職者や営業パーソンが、企業に関する情報を集めるために用いることもあります。
アニュアルレポートでは、経営・財務に関する情報を知るだけでなく、経営者や組織自体への理解を深められるため、就職・転職活動において自分に合った会社かどうかを考えるのに役立ちます。また、営業活動においても顧客の状況を深く理解しておくことで、顧客に合った提案が可能になります。
アニュアルレポートでは、数字で表せない要素をアピールできる
過去の売上や利益などの経営状況を示すにとどまる有価証券報告書や決算短信と異なり、アニュアルレポートには、次のような数字では表せない要素を盛り込むことが可能です。
- 経営者の理念、メッセージ
- 将来的な理想像や方針
- 事業戦略
- 社会的責任(CSR)についての取り組み
- 社風、企業風土
- 社員の働き方
このように、アニュアルレポートではアピールしたいことを自由に記載できます。そのため、数字に表れる結果を基に投資判断を行う投資家に対して、財務諸表から読み取れる数字以外の情報から有効なアプローチができます。
いかがでしたか?
アニュアルレポートは、利害関係者に対して経営に関する情報を開示するための資料です。
法律上の作成義務はないため、自由に内容を盛り込んで対外的にアピールできます。
この記事を参考に、アニュアルレポートについての理解を深めておきましょう。
まずはこれだけ。新規開拓営業を始める時の心得
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