この記事は 3 分で読めます
リーダーシップ論の変遷|リーダーシップの6つの種類も解説
リーダーを任されたけれど、具体的にどんなリーダーを目指すべきかわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、リーダーシップ論の変遷やリーダーシップの種類について解説します。
目次
リーダーシップとは、他人や組織を導くスキルのこと
リーダーシップとは、チームの中で共通の課題や目標を明確にし、他人や組織を導くスキルのことです。そのため、役職としてのリーダーでなくても他人や組織を導くスキルが備わっていれば、リーダーシップを発揮することができます。
現代経営学の発明者であるオーストラリアの経営学者、ピーター・ドラッカーは、リーダーシップを以下の3つの要素で定義しています。
- リーダーシップを「仕事」と見ること
才能や資質ではなく、組織の方向性を定めたり、目標達成のために基準を設定したりして、それに向かって組織の体制を維持できる者こそがリーダーであるといえます。 - リーダーシップを「責任」と見ること
リーダーとは「最終責任を負う存在」です。リーダーは、失敗を人のせいにせず、メンバーの行動にも責任を負う覚悟が必要です。 - 「つき従う者」がいること
「つき従う」とは、他人を強制的に従わせることではありません。信頼して人がついてくる人間こそがリーダーに相応しいといえます。
リーダーシップ論の変遷
リーダーシップ論とは、組織が優れた成果を達成した際に、その組織のリーダーがどのようにして優れた成果を達成したのかに着目し、リーダーとして成功するためのポイントを導き出す理論のことです。人々の価値観や仕事で求められる能力が時代によって変化するとともに、求められるリーダーシップも変化してきました。以下でその変遷について解説します。
1940年代以前:特性理論
リーダーは、生まれながら持っている特性によってリーダーシップを発揮しているという理論のことを「特性理論」と言います。
優れたリーダーに共通する性格や行動特性を区別する研究分析が行われました。しかし、優秀なリーダーを分析しても必ずしも同じにはならなかったため、この理論は不十分だとされました。
1940年代〜1960年代:行動理論
優れたリーダーと非リーダーの行動を比較し、リーダーシップの行動を分析研究することで、優れたリーダーを作り上げようとしたものが「行動理論」です。
特性理論とは違い、行動理論ではリーダーシップは先天的なものではなく、行動によって発揮されるものと考えられました。
しかし、状況やチームの性質などによって、優秀なリーダーになるための要因が変わるのではないかという仮説が生まれたため、この理論は不十分だとされました。
1960年代〜1980年代:条件適合理論
リーダーはどのような状況でどのような行動を取るのが効果的なのかを研究した理論のことを「条件適合理論」と言います。リーダーシップのあり方は、状況やチームの性質などに合わせて変えていくべきだという考えがこの理論の特徴です。
この理論により、優秀なリーダーとなりうる資質を持った人を雇ったとしても、会社の状況やチームの性質によって、優秀なリーダーでなくなる可能性があることが明らかになりました。常に優秀なリーダーであるためには、状況によって適した行動を取ることが求められます。
1980年代以降:コンセプト理論
条件適合理論をさらに発展させ、具体的なビジネスシーンを想定し、シーンごとに相応しいリーダーシップについて研究したものが「コンセプト理論」です。
会社が経営危機に陥った場合や人間関係が重要とされる組織の場合、メンバーの意見や情報を引き出したい場合など、様々な特殊状況を想定し、研究されています。
リーダーシップは6種類に分類される
民主型リーダー
組織のメンバーが話し合いながら方向を定めていき、サポート役としてメンバーの意見を反映するタイプのリーダーのことを「民主型リーダー」と言います。
自分の意見が反映されるとモチベーションが上がるため、メンバーからより有益な意見が出やすくなります。しかし、何らかの決定を行う際に毎回メンバーの意見を確認していると実行に時間がかかるため、緊急のトラブルには対応できないというデメリットがあります。
ペースセッター型
リーダーが率先して難しい仕事を行い、メンバーの仕事にはリーダーが積極的に指示を出すタイプのことを「ペースセッター型リーダー」と言います。
失敗ができない仕事では効果的なタイプです。しかし、リーダーは自分と同じレベルの仕事をメンバーにも求めてしまうため、モチベーションが下がってしまうメンバーが出るおそれがあります。また、メンバーの自主性を引き出せないため、人材育成には向いていないと言えます。
ビジョン型
「ビジョン型リーダー」とは、組織としてのビジョンや方向性をメンバーに示し、ビジョンに協力したいと思わせるタイプのリーダーのことです。
リーダーが必要な行動を自ら行うことで、組織の信頼を得ていくので、カリスマ性をもつリーダーはこのタイプに向いているといえます。
コーチ型
高いコミュニケーション力を活かし、メンバーの能力を引き出すタイプのリーダーのことを「コーチ型リーダー」と言います。
リーダーがメンバーの意見を尊重し、行動をサポートするため、メンバーを最大限に成長させることができます。また、面談などを通してメンバーの意見を聞き、問題を解決するので、メンバーからのリーダーに対する信頼が高まりやすいことも特徴です。
関係重視型
チーム内の関係性や信頼関係を重視し、友好的な関係を保つのが得意なタイプのリーダーのことを「関係重視型リーダー」と言います。
友好的な関係が最優先のため、対立を避け、問題改善が後回しになってしまうというデメリットがあります。そのため、営業職などすぐに成果を求められる職務ではなく、調整業務を行う部署などのリーダーがこのタイプに適しています。
強制型
メンバーに命令し、強制的にメンバーを従わせるタイプのことを「強制型リーダー」と言います。災害時など緊急を要する場合にはこのタイプが効果的です。しかし、常にこのような態度をとっているとメンバーは不満を抱いたり反抗的になったりするため、他のタイプのリーダーシップとの使い分けが必要です。
いかがでしたか?今回はリーダーシップの定義やリーダーシップ論の変遷、リーダーシップの6つのタイプについて解説しました。この記事を参考にして、状況に応じてリーダーシップを使い分けてください。
今さら聞けない、営業マネージャーが知っておくべきKPI・KGI
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。