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競争優位性を持つには|意識すべきポイントやフレームワークを紹介
競争優位性という言葉をご存じでしょうか。今回は、競争優位性の基礎知識や獲得のためのポイント、有用なフレームワークであるVRIO分析について紹介します。
目次
競争優位性とは、競合他社を凌ぐ能力を持っていることを指す
競争優位性とは、競合他社が模倣できない方法によって、より高いレベルで事業を実行できる能力のことを指します。利益率や市場占有率が高い水準にある企業の多くは、競争優位性を持つ企業であると考えられます。
また、アメリカの経営学者コトラーは、「今日ではほとんどの優位性がその意義を失っており、持続可能なものはごくまれである」と述べています。つまり、競争優位性は相対的で、時代や環境の変化により左右されやすいものであると言えます。持続的な競争優位性を持つためには、環境の変化に対応していく必要があります。
競争優位性を獲得するために意識すべきポイント
ポーターの3つの基本戦略
競争優位性を持つために有用な戦略として、アメリカの経済学者マイケル・ポーターが提唱した3つの基本戦略が挙げられます。これら3つのうち、少なくとも1つの分野に関して競合他社よりも優れた戦略をとることで、競争優位性を持つ企業に近づけます。
- コスト・リーダーシップ戦略
事業にかかるコストを削減することで、価格の面で優位に立とうとする戦略です。生産規模の拡大により製品一つあたりの平均コストを下げ、利益率の向上を図る「規模の経済」や、累積生産量を増加させて経験則による効果を期待する「経験曲線効果」などを利用します。 - 差別化戦略
他社と異なる価値を顧客に提供することで、市場における優位性を構築しようとする戦略です。製品やサービスの特徴、立地条件、ブランドイメージなどの観点で差別化を行います。 - 集中戦略
特定の顧客層や製品、地域などに集中して、コストの削減や差別化を実現させようとする戦略です。ターゲットを絞り、狭い市場で高い占有率を得ることで競合他社の新規参入を防いだり、経営資源を効率よく活用したりすることが可能になります。
差別化のための外的アプローチと内的アプローチ
自社が提供する製品やサービスを顧客に選んでもらうためには差別化が不可欠です。持続的な競争優位性を構築するためには、差別化への外的・内的それぞれのアプローチを意識する必要があります。
- 外的アプローチ
社外に向けたアプローチを指します。マーケティング用語でいう「ポジショニング」を行い、ターゲットとなる顧客に自社製品の魅力を認知してもらうことが重要です。 - 内的アプローチ
従業員のモチベーションや組織の連帯感の向上を目的とした、社内向けのアプローチを指します。優れたオペレーション体制や人的資源を獲得することにより、他社が真似できないような競争優位性の構築につながります。
「差別化要因」「KBF」「コア・コンピタンス」の違い
競争優位性の議論においては、「差別化要因」「KBF」「コア・コンピタンス」といった言葉が使われることがあります。これらの違いを理解して、戦略を立てる上で正しく使い分けをすることが大切です。
- 差別化要因
競争優位性に直結する、「他社と比較して自社が優れている点」を指します。 - KBF(Key Buying Factors)
KBFは単なる差別化にとどまらず、「顧客が自社の商品を選ぶ決め手」という意味を持ちます。 - コア・コンピタンス
コア・コンピタンスは、KBFに時間軸の要素を加えて「長い時間をかけて形成した、企業の中核的な力」を指します。他社には真似できない独自の価値を提供する力であるといえます。
コア・コンピタンスについて詳しく知りたい方には、こちらの記事が参考になります。
VRIO分析は、競争優位性の維持や向上に有用なフレームワークである
企業が持つ強みを見極めて、競争優位性の維持や向上に向けた施策を講じるためには、VRIO分析が有用です。
VRIO分析とは、Value(経済価値)、Ririty(希少性)、Inimitability(模倣困難性)、Organization(組織)という4つの観点から経営資源の評価を行うフレームワークで、自社の強みと弱みを明らかにして経営に生かすことができます。
VRIO分析について詳しく知りたい方には、こちらの記事が参考になります。
いかがでしたか?競争優位性を持つためには、ポーターの基本戦略やアプローチ方法などへの理解が重要です。今回紹介したポイントを参考にして、競争優位性のある企業作りを目指しましょう。
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