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コアコンピタンスの定義|ケイパビリティとの違いや事例を紹介
コアコンピタンスという言葉を聞いたことはありますか?
競合他社との違いを明確にし、事業戦略を立てるためにも、コアコンピタンスの理解は重要です。
今回はコアコンピタンスの条件や見極めるポイントを、ケイパビリティとの違いや事例とあわせて紹介します。
目次
コアコンピタンスとは、企業活動の核となる強みのこと
コアコンピタンスとは、企業の中核・中枢となる強みのことで、より具体的にいえば他社と比較した際により優れている技術や能力を指します。
言い換えれば、コアコンピタンスは競合他社に勝つための武器となる要素です。そのため、事業の集中・拡大を検討する際には、コアコンピタンスを洗い出し、それを中心に据えた戦略を立案するのが一般的です。
ケイパビリティとは、バリューチェーンの全体におよぶ強みのこと
コアコンピタンスに関連する言葉に、ケイパビリティがあります。ケイパビリティとは、バリューチェーンの全体におよぶ、他社より優れた部分を指す言葉です。このバリューチェーンとは、事業活動を機能ごとに分類したものをいいます。
例えば、製造から販売までの一連の流れにおける組織管理力がケイパビリティに該当します。
これに対しコアコンピタンスは、特定の事業活動の機能における強みのことです。ある分野での製造力や研究力を指すものであるといえます。
コアコンピタンスの3つの条件
コアコンピタンスは、経営思想家のゲイリー・ハメルとC.K.プラハラードが提唱した概念です。この両氏の著書『コアコンピタンス経営』では、以下の3つの要素がコアコンピタンスの条件として挙げられています。
顧客に利益をもたらすものであること
自社の強みがコアコンピタンスと呼べるための条件のひとつは、その強みが顧客に利益をもたらすものであることです。どんなに優れた技術力や開発力を持っていたとしても、顧客の抱える課題を解決できる商品・サービスを作れなければ、市場で勝ち残ることはできません。
自社の強みが「商品・サービスに付加価値を与えられるものであるか」「顧客を満足させられるものであるか」といった視点から、コアコンピタンスを探らなければなりません。
競合他社が真似できないこと
コアコンピタンス、すなわち競合他社よりも優れた強みであるといえるためには、競合他社が真似できない強みであることが必要です。他社が真似できない圧倒的な強みをアピールできなければ、市場に新たな競合他社が参入してくるおそれもあります。
熟練したエンジニアの技術力や、信頼関係に基づく仕入れ力など、他社が容易には模倣できない強みを探しましょう。
複数の市場・製品にアプローチできること
コアコンピタンスは、複数の市場や製品に応用することのできる強みであることも必要です。技術やトレンドのサイクルが短い現代では、特定の市場や製品に特化した強みでは、市場の変化についていけずに廃れていくことになります。そのため、様々な変化に対応できる強みが重要となります。
このような強みとしては、企業のイメージやブランド力が挙げられます。
コアコンピタンスを見極めるポイント
『コアコンピタンス経営』の中では、コアコンピタンスを見極めるための重要なポイントには、主に次の5つがあります。
- 模倣可能性(Imitability)
「他社が真似できるものであるか」を意味します。模倣可能性のあるものは、コアコンピタンスとは呼べません。 - 移動可能性(Transferability)
「他の分野にも応用できるものであるか」を意味します。コアコンピタンスと呼べるためには、移動可能性が必要です。 - 代替可能性(Substitutability)
「他の強みで置き換えられるものであるか」を意味します。代替可能な強みは、コアコンピタンスにはなり得ません。 - 希少性(Scarcity)
「市場において珍しいものであるか」を意味します。希少性が高いほど、競争では優位になります。 - 耐久性(Durability)
「長期に渡って優位に立てるものであるか」を意味します。耐久性の低い強みでは、競争を勝ち抜くことはできません。
コアコンピタンスを持った企業の例
『コアコンピタンス経営』の中では、コアコンピタンスの例として次のものを挙げています。
- ホンダのエンジン技術
- ソニーの小型化技術
- シャープの液晶技術
その他にも、バイイングパワーやPOSによる顧客ニーズへの対応力をコアコンピタンスとするセブンアンドアイホールディングスや、女性向け下着という分野に特化した製品開発力をコアコンピタンスとするワコールなどが例に挙げられます。
いかがでしたか?
コアコンピタンスは企業の核となる強みのことで、事業を集中・拡大する際のポイントとなる要素です。
この記事を参考に、コアコンピタンスの条件や、見極めるポイントについても押さえておきましょう。
まずはこれだけ。新規開拓営業を始める時の心得
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