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パーパスブランディングとは?注目される理由と効果を紹介
パーパスブランディングという言葉をご存じでしょうか。
パーパスブランディングは大手企業も採用しているブランディング手法で、消費者の共感により企業のブランド価値を高める手法として注目されています。
この記事ではパーパスブランディングが注目される理由とその効果を紹介します。
目次
パーパスブランディングは企業の社会における存在意義を重視するブランディングの手法
「パーパス」とは、「自分たちの会社がなぜ存在し、社会に対して何ができるのか」という企業の存在意義を意味し、企業理念の中心を指す言葉です。パーパスブランディングは企業のパーパス(存在意義)を設定して、消費者の共感を集めようとするブランディング手法です。
従来の手法では、ブランドチームが自社の目線からブランド価値を設定し、消費者を獲得しようという考え方だったため、やや独りよがりなブランディングが行なわれることもありました。一方で、パーパスブランディングは消費者の内面に注目し、消費者がブランド価値を設定するという考えのもと行なわれます。そのため、消費者の共感を得ることができ、長期的なブランド価値を維持できます。
“パーパス”はビジョンやミッションの根幹となる考え方
パーパスはビジョンやミッションという言葉の根幹となる概念です。ビジョンとは企業の目指す未来の姿のことを指し、ミッションとはビジョンを達成するために日々の業務において果たすべき使命のことを指します。ミッションやビジョンは企業が未来を見据えるために重要なものであり、その決定のためには、企業の存在意義を指すパーパスは必要不可欠です。
パーパスブランディングが注目を集める理由
消費者の共感を集め、企業の認知度を高めるため
多数の企業があり、消費者からの支持が得られにくくなるとされている中では、競合する他社との差別化を図る必要があります。そのため、パーパスブランディングを行ない明確な企業の存在意義を主張することが、消費者の認知度を高めるために大切です。
ミレニアル世代やZ世代の人々は、企業の掲げるパーパスへの関心が高いため
ミレニアル世代とは1980年以降に生まれた人を指し、Z世代は1990年以降に生まれた人を指します。これらの世代の人々は企業の印象や自らの社会貢献に対して関心が高く、その企業に関わることで社会に対して何ができるのかを重視する傾向があります。大きな影響力を持つ彼らの関心を引くためにもパーパスブランディングは注目されています。
パーパスブランディングを行なう効果
消費者との長期的な関係が見込める
消費者が共感しやすいパーパスを企業が設定することで、企業への信頼感を得られます。消費者は信頼感のある企業の製品やサービスを継続的に利用したいと考えるので、パーパスブランディングにより消費者と長期的な関係を築くことができます。
企業の独自性が生まれる
パーパスを設定することで、企業のビジョンやミッションが明確化されます。そのため、企業全体として向かうべき方向性が定まり、独自のブランド価値を形成することができます。パーパスブランディングによって企業が独自性を持つことは、消費者が多種多様な製品やサービスの中から特定の企業のものを選ぶ大きな要因になります。
意欲のある人材が集まる
企業のパーパスに対する関心を高めているのは消費者のみではありません。企業の人材確保においてもパーパスブランディングを行なうことは効果的です。企業の存在意義に共感した意欲のある人材を確保することができます。
パーパスブランディングの例
パーパスブランディングを行なっている企業の例としてスポーツ用品メーカーのNIKEが挙げられます。NIKEは公式サイトで以下のようにパーパスを示しています。
「Our purpose is to unite the world through sport to create a healthy planet, active communities and an equal playing field for all.(私たちのパーパスは、健全な惑星、活発なコミュニティ、そしてすべての人のための平等な遊び場を作り出すために、スポーツを通じて世界を結びつけることです。)」
(参考:「NIKE」https://purpose.nike.com/)
NIKEはこのパーパスに基づいて、元NFL(アメリカのフットボールリーグ)の選手のコリン・キャパニック選手を起用し、「Believe in something. Even if it means sacrificing everything.(何かを信じろ。たとえすべてを犠牲にしても。)」というメッセージを用いたキャンペーンを行ないました。
彼はNFLの公式戦で国歌斉唱中にひざまずくという行動で人種差別に対する抗議を行ない、NFLを追放された選手です。そのため、アメリカではNIKEの製品の不買運動が起き、株価も下落しました。しかし、このキャンペーンは次第に人々の共感を呼び、支持を集めるようになりました。その結果、株価は再び上昇し史上最高値を更新しました。
このようにパーパスブランディングにより自らの企業の存在意義を主張することで、人々の共感を呼び、ブランド価値を創造できるのです。
いかがでしたか?
パーパスブランディングは、企業の存在意義であるパーパスを設定し消費者の共感を得ようとするブランディング手法で、長期的なブランド価値を維持することができます。
この記事を参考にして、パーパスブランディングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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