営業パーソンの目的は成約、すなわち自社の商材を購入してもらうことです。そのためには、営業トークでお客様の心を掴むことが必要となります。
今回はお客様の心を掴む営業トークのコツを紹介します。
合意を取り続けながら商談を進める
まず紹介するのは、「人は一度取った行動に一貫した態度を取りたいと感じる」という一貫性の法則を用いたテクニックです。この一貫性の法則を営業の場面に用いたテクニックに、「YESセット話法」という交渉術があります。
YESセット話法
「YESセット話法」とは、一貫性の法則を利用することで、最初に小さな要求で「YES」を引き出せば、段階的に大きい要求(営業の場面では成約・購入)も受け入れてもらいやすくなる、というものです。営業の場面では、お客様にアプローチする際に有効な手段となります。
YESセット話法を用いた会話例には以下のようなものがあります。
「こちらの資料を見て頂けますか?」「はい」
「ご興味はありますか?」「はい。興味ありますね。」 「無料のお試しプランがあるのですが、登録してみませんか?」「そうですね」 |
このように、最初はハードルの低い要求を求め、相手から「YES」をもらいましょう。小さな肯定を何回か達成することで、一貫性の法則が働き、最終的にはプランの登録や商品の購入に結び付けることができます。
一貫性の法則を利用したその他のテクニックを、以下の記事で紹介しています。参考にしてみてください。
お客様にどんな得があるのかを話す
成約率を上げられない営業パーソンにありがちなのは、商品のメリットをお客様に熱心に語ってしまうことです。これではお客様の心を動かすことはできません。
重要なのは、「この商品はお客様にどんな得を与え、どんな損をさせないようにするか」ということを伝え、イメージさせることです。「この商品がどんな得をお客様に与えるのか」を考え抜いた営業パーソンは、お客様のニーズを引き出し成約率を上げることができます。商品のメリットとニーズを結び付けたトークを心がけましょう。
また、特にBtoBの場合、お客様のニーズは大まかに「利益を伸ばしたい」「コストを削減したい」の2つです。この2つのニーズとメリットを結び付けて、営業トークをしてみましょう。
拡大質問と限定質問を織り交ぜて営業トークを行う
ヒアリングの際の質問方法は、「拡大質問」と「限定質問」に分けることができます。
「拡大質問」とは、お客様に意見や感想を話してもらう質問のことで、オープンクエスチョンとも言われます。例えば、「これについてどのように思われていますか?」「どうしてだと思いますか?」のような質問です。拡大質問は、お客様の悩みや本音を引き出すために必要な質問だと言えます。
「限定質問」とは、「YESとNO」や「単語」で答えられる質問のことで、クローズドクエスチョンとも言われます。例えば、「~でよろしいでしょうか?」「予算はいくらですか?」のような質問です。
限定質問は、聞きたいことに対して簡単に答えてもらう質問と言えます。
拡大質問と限定質問を使い分けることが大切
拡大質問と限定質問は、それぞれの良い部分と悪い部分を把握し、場面ごとに使い分ける必要があります。
例えば、お客様との初めての商談で、まだ関係性が出来ていない場合は拡大質問をしても十分に答えてもらうことは難しいので、限定質問のほうが適しているでしょう。ただし、話の途中で「本当にこの部分は知りたい!」と思った場合は、拡大質問でお客様のニーズや課題を深堀りしましょう。
拡大質問をしても曖昧な反応しか返って来なかった場合は、限定質問を重ねることでお客様の本当のニーズを深堀りしましょう。
拡大質問(オープンクエスチョン)・限定質問(クローズドクエスチョン)については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
あらゆる付加価値から売り込む
クロージングの際、お客様から値引きを求められた経験はありませんか?購入してもらえそうだからといって、安易な値引きはオススメしません。値引きで商品を販売しても、営業パーソンとしてのスキルが身につかないからです。
お客様から値引きを求められたり、まだ購入意欲が低い場合は、商品に付加価値をつけましょう。例えば、「自社は営業パーソンが数多く控えているため、トラブル時にすぐに対応できます。」といった自社のサービスによる付加価値や、「自分はこまめなアフターフォローでお客様に安心感を与えます」といった、自分自身による付加価値が挙げられます。
クロージング時に、商品自体の説明以外にも付加価値を伝えることで、お客様の心を掴み成約率を上げることができます。
いかがでしたか?
なかなか商材が売れない営業パーソンの方は、もし自分がお客様の立場ならどんな営業だと買おうと思うのか、一度お客様の目線に立って考えてみましょう。想像した営業と今自分が行っている営業のスタイルにギャップはありませんでしたか?一度そこから考えてみて、次の営業へ活かしていきましょう