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【例文付き】「ご放念ください」の意味|注意点や類似表現も紹介
ビジネスメールなどの改まった文章で用いられる「ご放念ください」という言葉ですが、その正しい意味を知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、「ご放念ください」の意味や例文、使うときの注意点や類似表現などを紹介します。
目次
「ご放念ください」とは、「気にしないでください」などという意味を指す
「放念」とは、気にしない、忘れるなどといった意味の言葉です。「放念」に尊敬を表す「ご」と「ください」を加えた「ご放念ください」という表現は、相手に対して「気にしないでください」「お忘れください」という意味で使う表現です。
なお、似た表現に「失念していました」というものがありますが、こちらは自分が何かを忘れてしまっていた場合に使う表現ですので、混同しないようにしましょう。
【場面別】「ご放念ください」を用いた例文
- 依頼した要件が不要になったとき
昨日お伝えした○○に関する資料作成ですが、ご放念いただけますでしょうか。 - 多忙な相手に面会を依頼するとき
ぜひ今週の金曜日にお目にかかりお話を伺いたく存じますが、ご都合が悪い場合はご放念ください。 - メールの誤送信など、ミスを忘れて欲しいとき
先ほどのメールは内容を誤って送付してしまったものでございます。どうぞご放念ください。 - 謝罪をしている相手に気にしないでほしい旨を伝えたいとき
先日の件はもう問題ありませんので、どうぞご放念くださいませ。 - 贈答などを丁重に辞退したいとき
この度は結構なお中元の品を頂き、ありがとうございました。今後はお気遣いなく、どうぞご放念ください。
「ご放念ください」を使用するときの注意点
自分のことについては使用しない
「ご放念ください」とは、本来他者に向かって使う言葉であるため、自分について「放念いたします」といった使い方をするのは間違った用法です。「ご放念ください」と言われた場合でも「放念いたします」と返すのではなく、「承知いたしました」などと返すのが無難です。
謝罪の場面では使用を避ける
「ご放念ください」は尊敬を示す丁寧な表現ではありますが、相手に依頼や命令をする意味を含む言葉であることに変わりはありません。そのため、自分の失敗で迷惑をかけた相手に謝罪する場合において、「ご放念ください」を用いるのは避けるべきです。こういった場合は「ご寛恕ください」や「お許しくださいませ」などといった丁寧な言葉を選びましょう。
「ご放念ください」と言われたときの正しい対応
「ご放念ください」という言葉を受けた際、返事が必要かどうかは場合によって異なります。
基本的には「承知しました」などと返事をするのが無難です。また、謝罪をした相手から「どうぞご放念ください」と許す旨のメールを受け取った場合には返事をすべきです。「ご配慮に感謝いたします。これからも懲りずにお付き合いいただけますと幸いでございます。」などとお礼の言葉を返すと良いでしょう。
その一方で、「ご放念ください」と言われた内容が実際に些細なものである場合や、相手が複数の人にメールを誤送信した場合など、返事をする必要がない場合もあります。
「ご放念ください」の類似表現
- ご放心ください
「安心してください」「心に掛けないでください」という意味です。「ご放念ください」と同様に用いることができます。 - ご休心ください
「安心してください」という意味で、こちらも「ご放念ください」と同様に使うことができます。 - お忘れください
「ご放念ください」よりもカジュアルな表現です。「どうぞお忘れくださいませ」とするとより丁寧な印象を与えることができます。 - お見捨て置きください(お読み捨て置きください)
「捨て置く」とは、そのままの状態で放置しておくという意味で、「見たり読んだりしたら返事は不要です」ということを伝えたいときに使います。返信が不要なメールや手紙において用いる表現です。 - ご安心ください
「順調に進んでおりますので、ご安心ください」などという使い方をします。ややカジュアルな表現なので、親しい上司くらいの立場の人への使用にとどめるのが無難です。
いかがでしたか?「ご放念ください」は相手に「気にしないでください」という意味を持つ表現です。使用するのが不適切な場合もありますので、今回紹介したポイントを参考にして、正しい使用方法を身につけましょう。
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