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【基本解説】バリュープロポジションキャンバスとは?作り方も紹介

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バリュープロポジションキャンバスという言葉をご存知ですか?
自社が商品やサービスを通して提供する価値が、顧客のニーズと一致しているかを確認するのに有効なツールとして活用されています。

今回はバリュープロポジションキャンバスの概要、作り方や活用の仕方をご紹介します。

バリュープロポジションキャンバス(VPC)とは、自社商品の提供価値と顧客のニーズのずれを解消するためのフレームワーク

バリュープロポジションキャンパス(VPC:Value Proposition Canvas)は直訳すると、「価値提供キャンバス」を意味します。バリュープロポジションキャンバスはこの直訳の通り、自社が商品・サービスを通して提供する価値を、顧客のニーズと照らし合わせて整理するための、以下の図のようなフレームワークを指します。

「自社が顧客に訴求したいポイントは顧客のニーズとずれていないか」「自社の想定していたポイント以外に顧客が価値を見出していないか」「他社商品との差別化を図るあまり、顧客にとって価値のない商品になってしまっていないか」などを確認するのに役立ちます。改めて整理することで、顧客に訴求すべきポイントや、どのような価値を提供すれば良いのかを決めやすくなります。

【作成手順1】誰に何を提供するのかを簡潔に書く

バリュープロポジションキャンバスの作成にあたり、まずは「誰に何を提供するのか」を整理します。下図のバリュープロポジションキャンバスは、右に「誰に」を示す「顧客セグメント」、左に「何を提供するのか」を示す「顧客への提供価値」に分かれています。

まず初めに、フレームワークの上部にある、「顧客への提供価値」と「顧客セグメント」に「誰に」「何を提供するのか」を簡潔に書きます。

顧客への提供価値

顧客への提供価値には、自社商品・サービスを通してどのような価値を提供するのかを書きます。バリュープロポジションキャンバスを作成している途中で変える必要が出てくる場合もあるので、現時点で考えているものを簡潔に書きましょう。

顧客セグメント

顧客セグメントには、どのような人に自社商品・サービスを提供するのかを書きます。顧客の性別、年齢層、職種、役職、趣向などをなるべく具体的に想定し、明確なターゲットを定めましょう。

【作成手順2】右側に顧客のニーズを書く

次に、右側の顧客セグメントを埋めていきます。右側には、顧客がしたいことや悩んでいること、何があれば喜ぶのかなどを整理します。顧客のニーズを考えるときは、企業としての主観は可能な限り取り除いて客観的に考えましょう。

顧客が解決したい課題

顧客が解決したい課題には顧客が実現したいことや、解決したい課題を書きます。オウンドメディアでは「基礎的なビジネススキルを身につけたい」、主婦向けの服を売るECサイトでは「店舗に行かずとも自分に似合う服を買いたい」といったことが例として挙げられます。

このようなターゲットのニーズを客観的に抽出するには、想像ではなく、インタビューやアンケートなどを行うと良いでしょう。

顧客が感じている悩み・障害・リスク

次に、顧客の解決や理想の実現にあたって顧客が課題に感じていることや、あると嫌なこと、減らしたい要素などを書きます。

基礎的なビジネススキルを身につけたいビジネスパーソンは「ページの字数が多く、読みづらい」「関連用語を調べづらい」ことなどを嫌がります。また、オンラインで服を買いたい主婦は「思っていたイメージと違うものが届くかもしれない」「値段が店舗に比べて高いかもしれない」などの懸念を抱く可能性があります。

顧客が喜ぶメリット

最後に、どのようなことがあると顧客が嬉しいと感じるかを書きます。ここには、顧客の悩み・障害・リスクとは逆のことや、競合の商品が顧客に好評だった理由、課題を解決する要素などが該当します。上の例では、「関連ページが人気順に示されている」「月々の利用料金が安い」などが挙げられます。

【作成手順3】左側に顧客に対して自社が提供できる価値を書く

最後に、左側の「顧客への提供価値」の内容を記入します。具体的には、「自社が提供する商品・サービス」「顧客の悩みを減らす商品・サービスの要素」「顧客に利得をもたらす商品・サービスの要素」の3つを書きます。

自社の商品・サービス

まず初めに、提供価値を整理したい商品・サービスを記します。

顧客の悩みを減らす商品・サービスの要素

次に、右側に書いた顧客が感じている悩み・障害・リスクを取り除く自社の商品・サービスの要素を書きます。顧客の悩みがページの読みづらさによる億劫さであれば、ページの冒頭に大まかな内容がわかるセクションを入れる・なるべく初心者に寄り添ったコンテンツの制作などを行い、自社商品・サービスが顧客の悩みや障害を解消できるものであることをここで確認しましょう。

顧客に利得をもたらす商品・サービスの要素

最後に、自社商品・サービスを使用する顧客が嬉しいと感じる要素を書きます。ここでの価値は、右側に書いた顧客が喜ぶメリットに沿っている必要があり、自社商品・サービスに魅力が足りなければ、右側の顧客が喜ぶ要素を商品に足しましょう。

作成後は、比較優位性と提供価値の高さを整理し活用する

バリュープロポジションキャンバスの作成後は、内容を整理し活用しましょう。自社商品・サービスの価値は、競合と比べたときにどのような点で勝っているかを示す「比較優位性」と、提供価値のレベルを示す「提供価値の高さ」の2点で評価します。バリュープロポジションキャンバスの作成によって提供価値が顧客のニーズと一致しているかを確認でき、この2点を整理すると、競合の商品と違う価値を十分な水準で提供できているかを比べることができます。

これらの結果を整理することで、顧客にとって価値があり、市場でも競争力のある商品・サービスを提供できるようになります。

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