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「こちらこそ」は敬語?ビジネスシーンでの正しい使い方を解説
「こちらこそ」は、日常会話でもよく使われる表現ですよね。それだけに、ビジネスの場面で使ってもいい言葉なのか不安に思う方もいるのではないでしょうか?
今回はこの「こちらこそ」という言葉の使い方について、ビジネスシーンでの正しい使い方を例文と共に紹介します。
目次
「こちらこそ」は、相手の気持ちに同調するときに使う表現
「こちらこそ」は、相手が伝えてくれた内容に対して、自分も同じ気持ちだと伝える際に使う表現です。また、「相手が伝えてくれたことは、むしろ自分が言うべきことだ」というニュアンスが含まれることもあります。
同じ意味で「こちらの方こそ」という表現が使われることもありますが、これは日本語として誤りなので注意しましょう。
「こちらこそ」の類似表現
「こちらこそ」と同じ意味を持つ表現には、「むしろ」「~なのは…です」などがあります。
これらの表現を用いて、「こちらこそ、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした」という文を書き換えると、次のようになります。
●「むしろ」を使った表現
「むしろ、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした」 |
●「~なのは…です」を使った表現
「ご迷惑をおかけしてしまったのは私です、申し訳ございませんでした」 |
敬語ではないが、ビジネスシーンで使っても問題はない
「こちらこそ」は正式には敬語ではありませんが、ビジネスシーンでも使える丁寧な言葉です。しかし、ビジネスの場面で相手に不快感を与えないためにはいくつかの注意点があります。
ビジネスシーンで「こちらこそ」を使う際の注意点
目上の相手に使う際には、前後の言葉を省略せずに使う
例えば、相手から「ありがとうございました」といわれた際に「こちらこそありがとうございました」と返すと、場合によっては相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
それは、何についての「ありがとうございました」なのかが省略されてしまっているからです。ただ「こちらこそありがとうございました」と返すだけでは、相手が示してくれた感謝の内容に乗った形となり、失礼だと思われかねません。
つまり、ビジネスシーンでは何について「こちらこそ」と気持ちを表しているのかを省略しないことが必要なのです。お礼を言う場合であれば、「こちらこそ、お時間をいただきましてありがとうございました」のように、何について感謝しているのかを示しましょう。
お礼やお詫びをされた際には、一度否定の言葉を挟む
相手からお礼やお詫びの言葉を受け取った際に、そのまま「こちらこそ…」と会話を続けてしまうと、感謝や謝罪を当然のことのように受け取ったとみられ、不快感を与えてしまうかもしれません。
お礼やお詫びをされた際には「とんでもないです」「とんでもないことでございます」といった否定の言葉を挟んで、相手を立てるようにすると、より丁寧な対応になります。
「こちらこそ」を用いた例文
挨拶で用いる場合
例➀
「それでは、明日の14時に伺いますのでよろしくお願いいたします」
「お時間いただきありがとうございます、こちらこそよろしくお願いいたしします」
例➁
「お世話になっております、本年もよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします」
感謝の言葉を伝える場合
例➀
「本日はお越しいただきありがとうございました」
「こちらこそ、お時間をいただきましてありがとうございました」
例➁
「今回はご協力いただきましてありがとうございました」
「とんでもないです。こちらこそ、貴重な経験をすることができました。ありがとうございました」
謝罪された場合
例➀
「今回はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」
「とんでもないです、こちらこそお手数をおかけして申し訳ございませんでした」
例➁
「この度はこちらの不手際でお時間をお取りして申し訳ございませんでした」
「とんでもないです、こちらこそ申し訳ございませんでした」
いかがでしたか?
「こちらこそ」は便利な表現ですが、ビジネスの場面では使い方に気を付けて、相手に不快感を与えないように気を付けなくてはいけませんね。
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