売上の上げ方には様々な方法がありますが、どのような方針を取っていますか?
今回はなるべくコストを抑え売上アップを目指すために、既存顧客を育成する方法を紹介します。
目次
既存顧客を優良顧客へ育成することで売上の増加につなげる
「優良顧客」とは、既存顧客のなかでも自社の売上に大きく貢献している顧客を指します。一方で「新規顧客」とは、新しく獲得した顧客のことです。
一般的に、企業が売上の増加を目指そうと考えた場合、
- 既存顧客全体の1人あたりの購入金額を増加させる
- 既存顧客の一部を優良顧客へと育成し、1人あたりの購入金額を増加させる
- 新規顧客を獲得し、商品を購入する顧客数を増やす
のどれかを目指すことになります。
既存顧客の育成・維持は、新規顧客の獲得よりコストが低い
全体の売上の8割は、購入金額の上位2割の顧客が占めているとされています。
また、既存顧客の維持はメルマガやSNSの活用、アプリでの通知の送信など、比較的低コストで済むものが多いです。一方で、新規顧客の獲得には、マーケティングやプロモーションなどの多くの段階を要するため、既存顧客を維持する5倍のコストがかかるとされています。
また、一部の顧客のみにターゲットを絞ったほうが的確なプロモーションが行えます。そのため、既存顧客全体を育成するよりも、その一部を優良顧客へ育成するほうが効果的です。
しかし、育成のターゲットでない顧客をあまりにも放っておいては、離脱してしまいます。顧客の離脱が起きてしまっていては、せっかく新規顧客にかけたコストが無駄になってしまいますので、顧客の維持と育成を同時に行うように心がけましょう。
既存顧客の優良度合いに応じて育成方法を変化させる
顧客の中にも、優良顧客をはじめとするいくつかのステージがあります。例えば、「来店回数が多い顧客」「1回の来店あたりの購入金額が高い顧客」と定義される優良顧客の他にも、自社へ忠誠心を持ち、購買金額も多いロイヤルカスタマーも存在するかもしれません。
次に解説するCRM分析などを用いて顧客全体を細かく分析・分類し、それぞれの特性に応じた育成計画を実施しましょう。
優良顧客を判別するCRM分析の方法3つ
「CRM(Customer Relationship Management)」は日本語に直すと「顧客関係管理」を意味しており、CRM分析では既存顧客の分析を行います。
自社商品を購入する顧客の特性や購買行動などを明らかにすることを目標としています。
なお、それぞれの分析方法ではしきい値の設定が重要です。設定した値によって結果が大きく異なり、有益な結果を得られなくなってしまう可能性があります。これを回避するためにも、「既存顧客について、何を明らかにしたくてCRM分析を行うのか」を明確にした上で分析に取りかかりましょう。
RFM分析
RFM分析とは、
- Recency:直近の購入日
- Frequency:購入頻度
- Monetary:購入金額
の3つの指標を参考に、顧客を分類する分析手法です。それぞれについて、「より直近に商品を買っている人」「購入頻度が高い人」「購入金額が多い人」から順番にスコアを付け、自社にとって優良である順番にランクを付けます。
RFM分析を行う事によって、顧客を優先度順に分類し、「優良顧客がどれだけいるのか」「どのランクの顧客を優良顧客へ育成すべきなのか」が判断できるようになります。
デシル分析
デシル分析では、顧客を総購入金額が高い順に並べ、人数が10等分になるようにグループ分けします。これによって、売上の何割をどれだけの人数が占めているのかを把握できます。
例として、「売上の7割を占めている上位30%の顧客を優良顧客と設定しよう」などのような顧客分析が可能です。その他にも「上位40%の顧客で売上の8割を占めることができるように顧客を育成しよう」といった分析もできます。
一方で、複数の指標を使うRFM分析とは違って、総購入金額だけが指標になっていることに注意する必要があります。
セグメンテーション分析
セグメンテーション分析は、
年齢 | 性別 | 家族構成 | 趣味嗜好 |
居住地域 | 居住地域の特性 | 購入金額 | 閲覧履歴 |
などの属性を用いて顧客を集団(顧客セグメント)に分類する方法です。
例えば、アンケートで判明した顧客の趣味嗜好と、会員情報から得られた購入金額を元に、顧客を以下のようなセグメントに分けることができます。
この中から、自社のセールス戦略を踏まえて「購入金額が多く、デザインを重視する顧客セグメントDを優良顧客とし、顧客セグメントCを優良顧客へ育成しよう」といった方針を決めることができます。
CRM分析の詳しい手法については、以下の記事も参考にして下さい。
既存顧客を優良顧客に育成する手法の例3つ
DMを送信し、クーポンの配布やキャンペーン情報の配信を行う
DMやメルマガ、SNSなどにて、来店時に使えるクーポンや期間限定のキャンペーン情報を配信することで、来店・購入の動機を作り出せます。定期的な来店を促すことでリピーターとして定着しやすくなり、来店頻度と購入金額が上昇することが期待できます。
既存顧客の中でも、顧客属性に応じてメルマガの内容を変えることや、一定の期間内で複数回の来店を促すキャンペーンを実施することも効果的です。
顧客にランク付けをし、ランクに応じた特典をつける
来店回数や期間内の購入金額に応じて顧客にランクを付け、それに対応した特典を設けることで購入・来店への意欲を掻き立てることができます。
特典の例としては、ポイントの還元率増加や、専用のクーポン・ノベルティの配布などが挙げられます。
アップセル・クロスセルを提案する
「アップセル」は「より高額な商品・サービスを購入してもらうこと」を、「クロスセル」は「追加で関連商品やサービスを購入してもらうこと」を意味します。
既存顧客のなかでもより高性能なものやグレードの高いものを求めている顧客にアップセルを提案することで、顧客単価を上げることができます。
また、購入商品に一定の傾向が見られ、他のニーズも抱えている可能性がある場合はクロスセルを提案することで、顧客単価を上げられます。
アップセル・クロスセルに関しては以下の記事も参考にしてみてください。
いかがでしたか?
今回は、顧客単価を上げることで既存顧客を優良顧客へ育成し、売上をアップさせる方法を紹介しました。
この記事を参考に、低コストかつ効率的な売上アップを目指しましょう。
業務効率を上げる営業・マーケティングツール「MA・SFA・CRM」
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。