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営業戦略のためのフレームワーク|メリットや代表的な考え方を紹介
営業戦略とは、商品を効率的・効果的に売るための方策のことを指します。売上やシェアの向上には営業戦略が欠かせませんが、営業戦略を立てるには自社の資源や市場の状況など、多くの要素を考慮する必要があります。
そこで役に立つのが、自社の状況を客観的に把握できるビジネスフレームワークです。今回は、営業戦略を立てるのに活用できるフレームワークについて解説します。
営業戦略の策定にフレームワークを用いるメリット
フレームワークとは、意思決定・分析・問題解決・戦略立案などの手法を枠組み化したものです。この枠組みを用いることには、以下のようなメリットが存在します。
- 現状を客観的に分析できる
- 効率よく枠組み化されたものであるため、誰でも使える
- 問題点や考え方の道筋が可視化されるため、わかりやすく説得力のある提案が可能
- 経営に詳しい人にとっては基本的な考え方であり、上司などからの理解を得やすい
フレームワークを用いる際のデメリット
フレームワークは、現状を整理して思考するために役立つものですが、
- 種類が多く、使い分けが難しい
- フレームワークが完成した時点で思考が終わりがち
- 思考が画一的になる可能性がある
- 答えが見つかるとは限らない
などのデメリットも存在します。フレームワークを使用する際には、これらのデメリットに注意しなくてはなりません。
代表的なフレームワーク4選
3C分析
3C分析は、顧客・競合・自社の3つの視点から自社を取り巻く環境を把握するフレームワークです。次の3つの視点から、自社が顧客のどんなニーズに応えられるか、競合にどうやって勝つかを考え、戦略立案に役立てることができます。
- Customer(顧客)…市場の規模や成長性、どのような人がターゲットか
- Competitor(競合)…競合各社のシェア市場でのポジション、特徴など
- Company(自社)…理念・ビジョン、事業の現状、リソースなど
3C分析では、自社と外的要因を比較することで自社の成功要因を洗い出すことができます。企業単位や事業部単位などあらゆるレベルで活用できますが、分析対象の範囲が広いため、あらかじめ分析の目的を決めて対象を絞り込む必要があります。
SWOT分析
SWOT分析は、自社を取り巻く環境を正しく把握し、適切な戦略を立てるためのフレームワークです。自社の内部環境・外部環境それぞれのプラス要因とマイナス要因を書き出し、強み・弱み・機会・脅威の4つにカテゴライズして分析します。
プラス要因 | マイナス要因 | |
内部環境 | Strength(強み) | Weakness(弱み) |
外部環境 | Opportunity(機会) | Threat(脅威) |
SWOT分析は現状を大まかに捉えるのに役立ちますが、細部までは把握できない可能性があります。戦略立案には、SWOT分析における「脅威」の部分を深堀りするPEST分析などと合わせて、より細部を検討することが必要です。
PEST分析
PEST分析とは、外部環境のうち、自社では制御できないマクロ環境がどのような影響をもたらすかを把握・分析するためのフレームワークです。次の4つの環境要因に関する情報を収集・分析し、影響が大きいものから順に、対策や今後の方針を定めていきます。
- Politics(政治的要因)…法制度や税制などの変化
- Economy(経済的要因)…経済成長や景気・物価の変動など
- Society(社会的要因)…ライフスタイルの変化、少子高齢化など
- Technology(技術的要因)…技術の変化、新技術の普及
PEST分析では、SWOT分析における「脅威」についてより詳細に検討することができます。ただし、外部環境についての検討を行うフレームワークなので、自社の内部環境との関係を探るにはほかのフレームワークも活用しなけれあなりません。
4P分析
何を・いくらで・どこで・どうやって売るかを決めるためのフレームワークが4P分析です。市場の環境を巨視的に捉えるSWOT分析などと異なり、商品の売り方をかなり具体的に考えることができます。
- Product(商品)…ブランドの価値やアフターフォローを含む商品価値
- Price(価格)…整合性のある価格設定になっているか、収益性はあるか
- Place(流通)…顧客がアクセスしやすい販売場所や流通経路
- Promotion(販売促進)…顧客に認知してもらうための宣伝方法
この4つの切り口から、自社の製品・サービスを売るための方針を考えることができます。ちなみに、4P分析は企業側の視点から商品の売り方を決定するものですが、反対に顧客の視点から売り方を考える4C分析というフレームワークも存在します。
その他のフレームワーク
上で紹介した4つのフレームワークの他にも、様々なものが存在します。
- ジョブマップ…顧客の購買行動のメカニズムを分析する
- 共感マップ…ペルソナが置かれている状況や感情を分析する
- ビジネスモデルキャンバス…企業や商材のビジネスモデルを可視化する
- 事業環境マップ…「市場」「産業」「トレンド」「マクロ経済」から環境を分析する
- 逆損益計算書(リバース財務ツリー)…「最終的な利益」を決めて、コスト構造を逆算
いかがでしたか?
営業戦略を立てるのに活用できるフレームワークですが、多くの種類が存在します。
自社がどのような課題に直面しているのか、どのような環境にあるのかを考慮してフレームワークを選びましょう。
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