この記事は 3 分で読めます
【営業・販売】機会損失の具体例7選|定義や関連用語も紹介
機会損失という言葉を聞いたことがありますか?
営業や販売など、ビジネスの様々なシーンで登場するため、意味をしっかり覚えておくべき言葉です。
今回は機会損失について、定義や営業・販売の場面における具体例、関連用語を紹介します。
目次
機会損失とは、利益が得られるはずだった機会を逃してしまうこと
機会損失とは、本来は利益を得られるはずだったのに、その機会を逃してしまうことを指します。簡単に言うと、「稼ぎ損ない」「儲け損ない」を指す言葉です。また、本来得る可能性のある利益を逃したことを損失と捉えており、実際のビジネスで損失が生じているわけではありません。
機会損失は、「取引によって出た損失」という意味に誤解されていることがあるので注意しましょう。
【営業編】機会損失の具体例
クライアントを待たせたことによる契約不成立
営業における機会損失の例として、クライアントとの商談が順調に進んでいたのに、契約成立の機会を逃してしまう、ということがあります。
契約書や資料の用意や、契約を結ぶかどうかの判断に時間がかかってクライアントを待たせてしまうことは、機会損失の原因のひとつです。
各種資料の用意は計画的に進める、意思決定の基準を明確にしておくなど、事前に対策しておきましょう。
社内のリソース不足による顧客の離脱
社内のリソース不足によって、一度獲得した顧客が離脱してしまうことも、機会損失の一例です。一度自社の顧客となった相手は、その後のサービスの質やアフターフォロー次第で継続的に取引を行なってくれる可能性があります。
しかし、社内で想定していた以上の顧客が殺到した場合などには、リソース不足によって丁寧な対応をする余裕がなくなってしまい、不満を持った顧客が離脱していく恐れがあります。
社内のリソース不足は業務の一部を自動化するなど、業務の効率化を進めることで解消できます。それでも解消できない場合は、そもそも社内リソースが適切に配分されているか、もう一度確認してみましょう。業務の効率化に関する詳細は以下の記事を参照してください。
初回以降のアプローチ不足
リードに成功したのに、その後のアプローチが足りなかったせいで契約の機会を逃してしまう、という事態も考えられます。広告やセミナーなどで顧客の興味を引くことに成功しても、その後に十分なアプローチができなければ顧客は興味を失ってしまいます。
リードの獲得に成功しても、電話やメールなどを用いて積極的に商談を進めていかなければ、契約成立には繋がりません。
このようなアプローチ不足を防ぐためには、CRMツールの導入などにより、適切な顧客管理を行うことが有効です。詳しくはこちらの記事を参照してください。
【販売業編】機会損失の具体例
小売店の在庫切れ
顧客が小売店舗に来ているにも関わらず、在庫切れが発生したため購買に至らなかったというのは、販売業における機会損失の代表例です。特に人気商品や生活必需品の在庫切れは、顧客に不便さを感じさせやすく、その後の来店モチベーションにも影響する恐れがあります。
しかし、在庫切れを回避するために必要以上に商品を入荷しても、逆に売れ残りが大量発生する可能性があります。その店舗では何がどのくらい売れているか、を見極めなければ大きな損失に繋がるでしょう。
在庫を適切に管理するためには、在庫管理システムの導入がおすすめです。在庫管理システムに関する詳細は以下を参照してください。
店舗オペレーションの失敗
特に飲食店などにおいては、店舗での注文・提供のオペレーションがうまくいかずに機会損失を招いてしまうことがあります。行列を捌けずに並んでいた人が帰ってしまう、という事態が典型的な例です。
また、商品の提供スピードが遅かったり、提供を急ぐあまり雑な対応になってしまった場合、不快に思った顧客が来なくなってしまうという将来的な機会損失の恐れもあります。
大手の飲食店などでは、どのようなオペレーションが最適かを徹底的に研究した上でマニュアルが作られているため、無駄のないオペレーションが可能であるといわれています。店舗を運営している場合は、一度オペレーションが適切であるか見直してみましょう。
製造元の準備不足
製造元の体制に無理があった場合、結果的に予定通りに商品を販売できないという事態に陥る恐れがあります。これも、機会損失の一例です。
例えば、予定していた生産数を製造元が期日までに確保できなかったために、販売者の方に機会損失が起きてしまうことが考えられます。
このような事態を防ぐためには、製造元との密な連携が必須です。また、確実に製造したい商品に関しては、自社生産も一つの手です。
決済方法の選択肢の少なさ
決済の方法には、現金の他に、クレジットカード決済やキャッシュレス決済などが普及しています。店舗での支払いが現金のみであった場合など、決済方法が少ないために顧客が購入をあきらめてしまうことも考えられます。
現在ではキャッシュレス決済に対応した店舗も増え、それに伴って現金を持ち歩かない人も多くなってきました。キャッシュレス決済ができないため購入しなかった、というのも機会損失です。まだキャッシュレス決済に対応していない場合は、今すぐ導入を検討しましょう。
機会損失の関連用語
「機会費用」とは他の行動を選べば得ていた利益のこと
機会費用とは、ある行動を選択した際に、他の行動を選べば得ることのできた利益のことです。例えば、家で寝ている間にアルバイトをすれば手に入っていたはずの金額などを指します。
機会損失と機会費用では状況は同じですが、機会損失は本来得る可能性のある利益を逃したことを損失と捉えているのに対し、機会費用は他の行動を選べば得ていた利益をそのまま利益として捉えているという違いがあります。
「逸失利益」とは不法行為によって将来得ることができなくなった利益
「逸失利益」とは、不法行為や事故などによって将来得ることができなくなった利益のことです。例えば、交通事故に遭って就労不能になり、稼ぐことができなくなった金額を指します。
「機会原価」とは選択しなかった案で得られた利益のうち最大のもの
「機会原価」とは、ある選択をしたとき、他の選択肢を選んでいれば得られたであろう利益のうち、最大のものを指します。
例えば、A案の利益が10万円、B案が20万円、C案が5万円で、A案を採用したとき、機会原価はB案で得られたはずの20万円を指します。また、B案を採用した場合は、機会原価はA案で得られたはずの10万円を指します。
機会損失には損害賠償が発生するリスクがある
取引先に対し機会損失による損害が出た場合、損害賠償の訴訟に発展するリスクがあります。
民法第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
また、取引先の不備により機会損失を被った場合には、損害賠償の訴訟が可能です。その際には、実際の損益を証明することが必要となります。
いかがでしたか?
機会損失は、営業・販売以外にも様々なビジネスシーンで起きる可能性があります。機会損失を防ぐには、まず第一に機会損失がどのように起きているかを知る必要があります。
ぜひこの記事を参考に、関連する用語と合わせて、意味や具体例を覚えておきましょう。