経営戦略・事業戦略

ジューイッシュ・デンティストとは?買収防衛の仕組みを紹介

ジューイッシュ・デンティストは、敵対的買収に対する防衛策のひとつです。
今回は、ジューイッシュ・デンティストによる買収防衛の仕組みや、近い考え方の防衛策を紹介します。

ジューイッシュ・デンティストとは、買収企業のネガティブな情報を流して買収意欲を低下させること

ジューイッシュ・デンティストとは、敵対的買収を仕掛けてきた企業のネガティブな情報をメディアに流すことでイメージダウンを図り、買収意欲を低下させることを指します。
例えば、「○○社はブラック企業である」といった情報をメディアに流します。

ジューイッシュ・デンティストにより信用が失われると、以下のような理由から買収のハードルが高くなり、買収意欲を低下させることができます。

  • 信用度の低下により資金調達の難易度が高くなる
  • 信用回復に費用と時間がかかる
  • 信用がないため、買収を持ちかけても既存株主に相手にしてもらえない

ユダヤ人系の歯科器具メーカーが防衛策として使ったことが起源

ジューイッシュ・デンティスト(Jewish Dentist)は、直訳すると「ユダヤ人の歯科医」という意味です。ジューイッシュ・デンティストは、アメリカにおいて、アラブ資本の入った企業がユダヤ人系の歯科器具メーカーに仕掛けた敵対的買収への防衛策として使われた作戦が起源といわれています。

当時アメリカの歯科医にはユダヤ人が多く、この買収にはターゲット企業と歯科医から強い反発が起きました。そこで、買収企業のネガティブキャンペーンが行われました。
買収企業は信用回復に大きな資金を投入したものの、買収資金の調達も難しくなり、株主も買収に応じなくなりました。結果的に、この歯科器具メーカーは買収防衛に成功しました。

ジューイッシュ・デンティストに近い考え方の買収防衛策

ジューイッシュ・デンティストは、「買収のハードルを高くすることで、買収意欲を下げさせる」という方針の買収防衛策ですが、このような考え方の買収防衛策は他にも存在します。

ゴールデンパラシュート、ティンパラシュート

ゴールデンパラシュートとは、役員の退職金を高く設定することで、買収の意欲を低下させることを指します。敵対的買収が行われた後、被買収企業の役員は退職させられるのが一般的です。そのため、役員の退職金が高ければ買収後の費用が高額になり、買収へのハードルが高くなります

これに対しティンパラシュートとは、従業員の退職金を高く設定することや、就職先のあっせんを保証することなどにより、買収の意欲を低下させる手法です。

クラウンジュエル(焦土作戦)

クラウンジュエル(焦土作戦)とは、買収企業が欲しがっている資産・事業を売却することによって買収の意欲を下げることを指します。多数の負債を引き受けることや、子会社の譲渡・分社化などによって、企業の魅力を下げる場合もあります。

経営陣の独断で行える対策ですが、企業の重要な資産を失うだけでなく、既存の株主にも大きな打撃を与えます。さらに、取締役が善管注意義務違反を問われる恐れもあります。そのため、なかなか実行に移されることはありません。

プットオプション

プットオプションとは、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)で株式の買い取り・弁償を請求できる権利です。

株主には買い取りの請求権を、債権者には弁償の請求権を与えておくと、買収企業は株式の買い取り・弁償に多額の費用が必要になります。買収企業としてはこの展開を避けたいため、買収のハードルが高くなり、結果的に買収を防ぐ効果を持ちます。

 

まとめ

いかがでしたか?

この記事を参考に、ジューイッシュ・デンティストによる買収防衛の仕組みや、他の買収防衛策について押さえておきましょう。

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