組織マネジメント

監査等委員会設置会社の定義や長所|監査等委員と監査役の違いも解説

「監査等委員会設置会社という言葉を聞いたことはあるが、具体的にどのような会社か分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、監査等委員会設置会社の定義や長所、また監査等委員と監査役の違いを紹介します。

監査等委員会設置会社とは、株式会社の統治形態の一つ

監査等委員会設置会社とは、平成14年の会社法改正により生まれた株式会社の統治形態です。監査役会設置会社とは異なり、監査役を置かずに取締役会の中に類似した役割を持つ監査等委員会を設置する形態であり、大企業だけでなく中堅企業にも採用されています。

監査等委員会は、取締役の中から3人以上、かつ過半数は社外取締役であることが求められています。つまり、最少で2人の社外取締役を用意すれば済むということです。

監査役会設置会社との違い

監査等委員会設置会社以外の株式会社の統治形態に、監査役会設置会社が挙げられます。監査役会設置会社では、取締役と兼任が不可能な監査役によって構成される監査役会を取締役会から独立させて設置し、取締役会を監査しています。

監査等委員会設置会社においては、監査委員が常勤であることまでは求められていませんが、監査役会設置会社では必ず常勤監査役を選定する必要があります。

監査役会は3人以上、かつ過半数は社外役員である必要があるため、最低2名の社外役員を用意することが求められています。また、監査役は取締役との兼任が不可能であるため、社外取締役を登用したい場合は、追加で社外役員を用意する必要があります。

委員会設置会社との違い

委員会設置会社という株式会社の統治形態も存在します。これは、経営の監督機能と業務執行機能が分離されている統治形態です。取締役会の中に監査委員会や指名委員会、報酬委員会を設置し、業務執行を担う執行役を監督しています。

委員会設置会社は日本においてあまり馴染みのない形態ですが、欧米では一般的であり、ガバナンス強化において海外の投資家から信頼を得やすい統治形態であるといえます。

監査等委員と監査役の違い

監査等委員は取締役であり、監査役は取締役ではない

監査等委員と監査役はどちらも、社内の業務や会計が適切に行われているかどうかを監査する役割を持つ点において類似していますが、両者は取締役であるか否かという点で明確な違いがあります。

監査役会設置会社において、監査役会は取締役会から独立した立場で業務や会計に関する監査を行います。そのため、監査等委員は取締役の中から選任されるのに対して、監査役は取締役との兼任が禁止されています。

監査役が持つ権限を持たない監査等委員も存在する

監査等委員会設置会社では、監査等委員を「特定監査等委員」と「選定監査等委員」の2つに分類することができます。

監査役は、全員が業務や会計に関する調査権や取締役会の招集権を有しています。一方で監査等委員は、監査等委員会で選定された「選定監査等委員」のみが調査権や取締役会の招集権を有しています。

「特定監査等委員」は会社などからの通知を受け取る窓口のような存在であり、調査権や取締役会の招集権などは有していません。

監査等委員会設置会社の長所

監査機能を強化できる

監査等委員は監査役とは異なり、取締役としての地位を有しているため、取締役会における議決権を持ちます。一方監査役は取締役との兼任が不可能であるため、取締役会の招集はできるものの議決権までは有していません。

よって監査等委員会設置会社では、監査を担う人がより強い権限を持てるため、監査機能を強化させることができるといえます。

社外役員が最少人数で済むため、コストを削減できる

監査等委員会設置会社は、社外役員が最小人数で済むことからコスト面でも利点があります。監査役会設置会社では、最低2名の社外監査役が必要です。ただし、監査役と取締役を兼任することができないため、社外取締役を選任したい場合は新たに社外役員を用意せねばならず、最低3名の社外役員が必要です。

社外取締役は必ずしも設置しなければいけないものではありませんが、会社の監査体制強化のために設置することが望ましく、大企業を中心に多くの会社が社外取締役を設置しています。

監査等委員会設置会社では、取締役会の中に監査等委員会を設置するため、監査等委員と社外取締役の兼任が可能です。そのため、2名の社外役員で必要な人員を確保でき、なおかつ設置が望ましい社外取締役の存在も示せます。

 

まとめ

いかがでしたか?監査等委員会設置会社は、株式会社の統治形態の一つであり、監査機能の強化やコスト削減などの長所があります。今回紹介したポイントを参考にして、監査等委員会設置会社に関する理解を深めましょう。

 

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