この記事は 3 分で読めます

【事例付き】オープンイノベーションの定義・目的や3つの形態を解説

URLをコピーする

オープンイノベーションという言葉を聞いたことはありますか?
近年、オープンイノベーションは企業の研究・開発活動にとって大きな要素となっています。

今回はオープンイノベーションの定義・目的や3つの形態について解説します。

オープンイノベーションとは、自社の外部から技術やアイデアを取り入れて価値創造すること

オープンイノベーションとは、研究・開発や組織改革において、他企業や大学・研究機関など外部の者からの技術やアイデアを取り入れ、価値創造を行うことを指します。
これは、ハーバード大学経営大学院などで教授を務めたヘンリー・チェスブロウ氏が2003年に提唱した概念であり、「意図的・積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源を流出入させ、その結果組織内で創出した価値を組織外に展開する市場機会を増やすこと」であると説明されています。

オープンイノベーションは、時代とともにさらに変化しており、現代で求められているものは「オープンイノベーション3.0」と呼ばれています。

  1. オープンイノベーション1.0
    自社独自の技術開発は単独で進める一方で、他社の優れた部分を取り入れていくハイブリッドな取り組みのことです。自社と他社の「1対1」の関係です。
  2. オープンイノベーション2.0
    利益追求に加えて社会課題の解決を目的として、企業や大学などの複数の組織が連携しあって開発を行う「多対多」の関係です。
  3. オープンイノベーション3.0
    情報技術が発達する中、大企業が先導となって大学や研究機関などのアイデアを取り入れイノベーションを目指します。「1対多」の関係です。

また、関連する用語にリバース・イノベーションがあります。これは、発展途上国などで開発した商品やサービスを先進国に持ち帰るというイノベーションの形式で、オープンイノベーションと共に新たな価値創造の手法として注目されています。

開発に対する需要の高まりに対応するために必要

技術の革新が進んだ現代では商品の開発スピードが速くなり、新たな商品が市場に登場するサイクルも短くなりました。その結果、企業にはより短いスパンでの研究・開発が求められており、従来の単独での取り組みでは対応しづらくなっています。そこで、外部のリソースを取り入れてイノベーションを進めることが重要視されるようになりました。

また、ライフスタイルの多様化に応じて消費者のニーズも多様なものとなっています。これまでにないニーズに応えるためにも、オープンイノベーションが必要とされています。

オープンイノベーションの課題は、コアコンピタンスの保護

オープンイノベーションにおいては、企業の中核となる強みであるコアコンピタンスを保護する必要があります。外部との連携の中でも、自社の強みに関する情報・技術を流出して自社の優位性を失うことは避けねばなりません。

オープンイノベーションでは、共有する資源・領域とコアコンピタンスを明確に区別しておく必要があります。

コアコンピタンスについては、次の記事も参考にしてみてください。

合わせて読みたい記事
コアコンピタンスの定義|ケイパビリティとの違いや事例を紹介コアコンピタンスという言葉を聞いたことはありますか? 競合他社との違いを明確にし、事業戦略を立てるためにも、コアコンピタンスの理解は重...

オープンイノベーションには3つの形態がある

オープンイノベーションには、主に次の3つの形態があります。

  1. インバウンド
    外部の技術やアイデアを取り入れ、自社内での研究・開発を補完する形態です。他社の特許権を導入する「ライセンス・イン」などが該当します。
  2. アウトバウンド
    社内の技術や資源を外部に開放することによって、新たなアイデアを募る形態です。自社の特許権を他社に売却する「ライセンス・アウト」などが該当します。
  3. 連携
    インバウンドとアウトバウンドを組み合わせた形態です。事業連携などが該当します。

クローズド・イノベーションとの違い

オープンイノベーションの対比される言葉として、クローズド・イノベーションがあります。クローズド・イノベーションとは、社内だけで完結する、従来の研究・開発のことです。イノベーションの中心や知的財産の所有者となることを重視し、社内で研究・開発を完結させることにこだわるため、オープンイノベーションに比べると閉鎖的な環境になり、開発が一定のレベルで止まってしまう傾向にあります

オープンイノベーションの成功事例

ユニクロ

アパレルメーカーであるユニクロは、繊維メーカーの東レと連携し、オープンイノベーションに取り組んできました。その結果、「ヒートテック」「ウルトラライトダウン」といった人気商品の開発に成功しています

富士通

富士通は、AIサービス・ソリューションを展開しているアジラと連携しています。両社の技術力を活かし、高齢者の見守りサービスを開発しました。サービスは、東京都町田市にて実験的に導入されています。

まとめ

いかがでしたか?

オープンイノベーションは、企業が開発への需要の高まりに応えるために重要な考え方です。

この記事を参考に、オープンイノベーションの定義・目的や3つの形態について押さえておきましょう。

ダウンロード ダウンロード
ダウンロード

持ち運べる!BtoBマーケティング用語単語帳

無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。

ビジネススキル・知識おすすめの記事

2023年9月4日

【厳選】請求書電子化サービス6選|メリットや確認すべきポイントも解説

2020年9月17日

【新人必見!】効率のよい仕事の進め方とは?手順に沿って紹介します

2020年3月24日

ビジネスにおける定量分析とは?定性分析との違いも解説