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失注分析による営業アプローチの改善方法をご紹介

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皆さんは、受注できなかった理由をちゃんと把握できていますか?
失注した理由を把握することで、今後の営業活動や売上向上に結びつけられます。

今回は、失注分析による営業アプローチの改善方法を紹介します。

失注分析の実施方法

「失注分析」とは、営業活動を改善するために受注に失敗した案件を分析する方法です。一般的な成功例を元に改善を繰り返していく手法とは違い、あえて失敗した営業案件に目を向けることが特徴です。

過去の案件について、情報を整理する

失注してしまった原因を調べるために、まずは過去案件の情報を整理する必要があります。担当者や日付、日数などのあらゆる情報を整理します。整理された情報をもとに、失注した案件にどのような傾向があるかを探ります。

図のような5つの要素を組み合わせることによって失注分析が行えます。

例えば、「部署・個人」と「商談の段階」を要素として分析することで、「どの部署がどの段階で失注することが多いのか」を分析することができます。

分析要素の例1:担当者・担当部署ごとに分析する

過去案件の整理の仕方の1つに、担当者や担当部署ごとに分析する方法があります。
この方法では、どの担当者や部署が失注することが多いのかがわかります。営業部門が複数あった場合、どの部署が業績が悪いのかを把握できます。
その他にも、商談相手の業種のデータを付与することで、どの部門がどの業種に対する案件が得意・不得意なのかがわかるようになります。

失注したチームの悪かった点失注件数が少ないチームの良かった点などを共有することで、会社全体の成約率アップが見込めます。

例:部署・個人×商談の段階
この分析によって、部署ごとに苦手な分野を把握することができます。今回の場合は、営業3部が契約内容の交渉が苦手なことがわかり、営業2部にノウハウを教えてもらうことが効果的であると考えられます。

分析要素の例2:失注した段階ごとに分析する

商談におけるどの段階で失注したかを分析するのも失注分析の手法の1つです。商談は「訪問」「ヒアリング」「提案」「見積書の作成・提案」「プレゼン」「契約更新」などの様々なプロセスからなります。その中のどのプロセスで失注したのかを他の要素と掛け合わせて分析することで、チーム・メンバーの弱点や不足しているスキル、施策の効果などを把握することができます

例:商談の段階×年度
この分析では、例えば2017年からヒアリング技術に関する社内研修を行っていた場合、研修の成果が得られていることがわかります。

分析要素の例3:負けた競合ごとに分析する

顧客が競合他社と契約したことを理由に失注してしまうこともあります。その際、例えば、「どのような理由でどの競合に負けたのか」を分析することで、他社に比べて劣っている点顧客のニーズを把握することができます。

この際、失注の理由として「コストの関係」が挙げられることが多くなります。しかし、「コストが高い」だけで済ましていては改善に繋がりにくくなってしまいます。

  • 「プロモーションが不十分なため、魅力が伝わらず、コストが高い印象だけが残ってしまった」
  • 「短期的コストの高さが目立ってしまい、長期的なコストが実は低いことを説明できなかった」

以上のような詳細な理由を記載することで、自社の改善点が見えてきます。

例:負けた競合×理由
この分析によって、顧客にとってB社と競ったときに納期の遅さが致命的になっていることや、C社と競ったときは月額コストの高さが致命的であることがわかります。それを踏まえて、顧客が不満に感じる点を解消するアピールや改善を検討することができます。

失注分析で考えられる原因と対策5選

予算が合わずに失注するなら予算に見合ったメリットを訴求する

予算を超えてしまっていて失注してしまう場合は、「予算は超えてしまうが、その分顧客にとって魅力的なメリットが有る」ことをアピールしましょう

例えば、営業支援ツールの営業を行っている際に、顧客が提示する予算をオーバーしてしまうと仮定します。
この際、「予算は超えてしまいますが、御社が採用している他のシステムとも相性がよく、データの共有が簡単に行えます」のように、顧客が予算を超えていても購入したくなるようなメリットを訴求しましょう。

決裁が通らず失注するなら決裁者に直接アポをとる

多くの場合、営業をする際に話し合う担当者は決裁権を持っておらず、担当者の上司が最終的な決定を下します。担当者が成約に前向きな姿勢を示していても決裁が通らずに失注してしまう場合、「決裁者にとって魅力的なアピールをできていない」「担当者と決裁者の間で情報共有が十分に行えていない」ことが考えられます。

このような場合、決裁者に直接アポを取りましょう。決裁権をもつ人物と直接会うことで、最終的な決定権を持つ人物のニーズや懸念点・疑問点を解消することができ、その人にとって魅力的な提案が行いやすくなります。

納期が間に合わず失注するなら商談スピードを上げる

顧客が希望する納期よりも納品が遅くて失注してしまう場合、商談のスピードを上げ、納品までの時間を稼ぎましょう。この際、顧客のニーズを引き出すためのヒアリングなどの工程を短縮してしまうと商談の精度が下がり、かえって成約に繋がりづらくなってしまいます

  • 自社商品に関する知識を完璧にする
  • 商談のシミュレーションを行い質問の解答を事前に準備しておく
  • チーム・メンバー間で迅速に連携を取れるようにする

以上のようなことを工夫し、商談がスムーズに進むように心がけましょう。

製品がニーズと合わないなら顧客の意見をもとに製品改善をする

自社が提案できる商品が顧客のニーズに合わない場合、自社が販売する商品そのものを改善することも失注を防ぐための手段の1つです。同じような要望が失注案件から見られるようであれば、顧客の意見を製品開発に取り入れることで、より顧客のニーズに沿った商品開発を行えます。また、可能であれば個別の顧客に対して製品のカスタマイズを行いましょう。

競合が選ばれてしまうなら競合との差別化ポイントを訴求する

顧客が自社との契約を断り、競合と成約していた場合、顧客にとって競合のほうが魅力的だったことが推測できます。他社との競争を勝ち抜いて成約に至るためには、他社にあって自社にないもの、自社にあって他社にないものを把握し、他社にはない自社の強みをアピールしましょう。コストの低さや機能の多さ、アフターサポートの充実度合いなど、自社と他社を差別化するポイントを訴求しましょう。

まとめ

いかがでしたか?
今回は失注分析を活用した営業アプローチの改善方法をご紹介しました。
失注した案件をあえて振り返ることで、将来的な成約案件の増加を目指せしましょう。

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