組織マネジメント

心理的安全性がチームに及ぼす影響とは|高めるための施策も解説

「心理的安全性」という言葉を聞いたことはありますか?社員の力が発揮できるかどうかや、十分なコミュニケーションが取れるかどうかは、心理的安全性にかかっています。
そこで今回は、心理的安全性がチームに及ぼす影響と、心理的安全性を確保するための施策を解説します。

心理的安全性とは「恐怖心・不安感を抱かずに、自分の意見を発言したり行動を起こしたりできる状態」のこと

心理的安全性とは、「psychological safety」を和訳したもので、恐怖心・不安感を抱かずに、自分の意見を自由に発言することや、自分の意思で行動に移すことができる状態を言います。

心理的安全性がチーム内で保たれていなければ、社員は自分の力を最大限に発揮することができません。生産性の低下につながってしまうので、心理的安全性を確保することが非常に重要です

心理的安全性が保たれていないと生じる恐怖・不安

無知・無能だと思われないか

心理的安全性が保たれていないと、無能だと思われないかを心配し、意見を発言したり行動を起こしたりすることができなくなってしまいます。積極的に行動をとることが難しい状況では、社員が本来の力を発揮できず、生産性が大きく低下してしまいます。

また、心理的安全性が欠けていると、コミュニケーションに弊害を生む原因ともなります。無知だと思われないかという心配から、質問ができなくなることでミスする原因を増やしてしまいます。また、ミスをした際に、怒られるのが怖くて「報・連・相」を怠ってしまうことで、事態を悪化させてしまう恐れもあります。

チームの邪魔ではないか

心理的安全性を欠けば、的外れな発言による議論の妨害を心配して、できるだけ発言を控えたいという感情が生まれてしまいます。その結果、意見が少なくなって独創的なアイデアが生まれにくくなるため、会社の発展機会を著しく減少させることになります。

ネガティブだと思われないか

ネガティブだと思われないかと心配して、会社の方針や他人の意見に批判をしなくなってしまうことも、心理的安全性が欠けているときに見られる特徴です。場合によっては、重要な問題点を見過ごすことで、チームのミスを未然に防げなかったという事態も出てきます

心理的安全性が保たれることによって、チームへもたらされる好影響

「報・連・相」の円滑化

心理的安全性が保たれていれば、通常業務における「報・連・相」が円滑に行われることはもちろん、ミスをしたときに上司に報告・相談して助言をもらおうという思考も芽生えます。その結果、ミスを抱えることによる、さらなるミスを防げる可能性も上がります。

イノベーションの創出やリスクの回避

心理的安全性の確保された会議では、恐怖心を抱かずに自分の意見を述べることができるので、アイデアが豊富に出てきます。アイデアが増えることで、独創的で画期的な考えも見つかる可能性も上がります。その結果、会社を発展させるイノベーションの創出に繋がるかもしれません。

また、問題点に気づいた社員が意見を述べたことが、リスクの回避に繋がるということも出てくるでしょう

エンゲージメント向上による離職率の低下

エンゲージメント(engagement)とは、「関与」の訳であり、従業員の会社に対する愛着心のことです。居心地の良い職場で働くことができれば、会社に貢献したいという気持ちが社員にも生まれ、エンゲージメントが向上します

これは離職率の低下にも繋がるので、優秀な人材を逃す可能性も低くなり、育成にかけた時間やコストも無駄になりません。また、成果を上げようと効率よく業務を行うので、生産性も上がります。

心理的安全性を測る7つの質問

心理的安全性の概念を提唱した、ハーバード大学の組織行動学者であるエイミー・エドモンソン氏は、心理的安全性を測るために以下の7つの質問を用意しました。
ポジティブな回答が多いと心理的安全性が保たれており、逆にネガティブな回答が多いと心理的安全性が保たれていないので、職場環境を見直す必要があります

  1. チーム内でミスをしたとき、非難されることが多い
  2. チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘できる
  3. チームのメンバーは、自分たちとは違う他者を拒むことがある
  4. リスクある行動をとっても、このチームなら安全である
  5. チームのメンバーに助けを求めにくい
  6. チームのメンバーの中で、他人の努力を意図的におとしめようとする人はいない
  7. チームのメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、役立っていると実感できる

心理的安全性を高めるための施策

チームの共通認識を言語化し、発言機会を均等に与える

チームの方針や目標などの共通認識を言語化して明確化しましょう。その上で、特定の人物だけでなく、会議の参加者全員に発言機会を与えましょう。共通認識を明確化することは、的外れな発言を出しにくくする対策になります。また、会議で出た意見は全て真摯に向き合い、発言しやすい雰囲気を作りましょう。会議前に意見を募るのも良いでしょう。

そのほか、会議前にアイスブレイクを取り入れて、コミュニケーションの場をつくっても良いですし、自由な発想やアイデアを自由に発言する「ブレインストーミング」を導入することも有効な手段です。ブレインストーミングに関しては、以下の記事を参考にしてください。

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定期的に1on1を行う

定期的に1on1を行うことも、心理的安全性を保つのに有効な手段です。個人に寄り添ったメンタルケアを行えるので、悩みや心配事などを聞き出すには最適な手段です。

また、フィードバックをして改善点を伝えたり、目標を立てるための助言を与えたりして成長を後押しすることも効果的です。実際に成長できれば、自信にも繋がりますし、無能に思われていないかといった不安も払拭できます。

社員教育に関するマニュアルを作成する

社員教育に関するマニュアルを作成すれば、教育の軸が会社内で統一されるため、指導者間での認識の差を減らすことができます。指導者ごとの方針の違いによる理不尽な叱責から、自信を失ってしまう新人も多々います。そこで、認識の差の生まれやすい箇所をマニュアルに書いて意見を摺り合わせることが必要です。

結果だけでなく過程も評価する

結果だけで業績を評価してしまうと、部下は失敗を恐れて挑戦しなくなってしまいます。それを防ぐために、過程も評価対象に入れて、積極的な行動を促進しましょう。また、フィードバックも定期的に行い、過程の中で良かった点や改善すべき点を伝えることも、部下を成長させて自信を付けさせるのには有効な手段です。

チームの再編成を行う

多くの施策を実行したにもかかわらず、心理的安全性が確保できない場合は、一緒に働く人との相性が合っていない可能性が挙げられます。そのときは、心理的安全性が低いという診断が出た社員に対してヒアリングなどを行い、その希望に沿うようにチームを再度編成し直しましょう

まとめ

いかがでしたか?

心理的安全性を確保することは、チームの生産性の向上に繋がります。この記事を参考に、チームの心理状態を把握し、心理的安全性を保てるように努めましょう。

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