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アサーション(監査要点)とは?財務諸表に必要な6つの要素を解説
アサーション(監査要点)という言葉を聞いたことはありますか?
決算書などの財務諸表を適切に作成するには、このアサーションを押さえておかなければなりません。
今回はアサーションについて、6つの各要素を解説します。
目次
アサーション(監査要点)とは、財務諸表が適切に作成されたといえるための要件のこと
アサーション(監査要点)とは、財務諸表が適切に作成された、といえるための要件を指します。簡単にいえば、監査において確認すべき項目を指すもので、6つの要素から構成されます。
本来、英単語のassertionは「主張」「表明」を意味する言葉です。この意味から、アサーションを「経営者が財務諸表の正しさをアピールするもの」と捉えて「経営者の主張」と訳すこともあります。
財務諸表とは、会計基準上「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」「株主資本等変動計算書」の4つを指します。
財務諸表については、次の記事も参考にしてみてください。
コミュニケーションにおけるアサーションと混同しないように注意
コミュニケーションの一つの手法としても、アサーションという言葉が存在します。コミュニケーションにおけるアサーションとは、相手の意見を尊重しながら、対等な立場で行うコミュニケーションのことです。
「監査要点」の意のアサーションとは関連がありませんので、混同しないように注意しましょう。
アサーション(監査要点)の6つの要素
日本公認会計士協会は、アサーションの要素として次の6つを規定しています。監査人が監査意見を述べる際には、財務諸表における各項目や取引の内容について、これらの要素を確認しなければなりません。
1. 実現性
実現性とは、資産や負債が実際に存在すること、もしくは取引や会計現象が実際に発生していることを指します。実現性は、他の5つの要素を確認するための前提となる要素です。
財務諸表に記載されている資産・負債が存在していない場合や、取引や会計現象が発生していない場合は虚偽表示として扱われることになります。
2. 網羅性
網羅性とは、記載すべき資産や負債、取引や会計現象がすべて記載されていることを指します。所持している資産のすべてを記載していなかった場合や、記載している金額以上の資産を保有している場合などには、網羅性を欠くことになります。
3. 権利と義務の帰属
権利と義務の帰属とは、記載されている資産に対する権利、および負債に対する義務が会社に帰属していることを指します。資産に関しては所有権や使用権などの権利すべてが、負債に関しては将来的な支払義務のすべてがその企業に帰属している必要があります。また、資産については使用され、役務を提供していることが前提です。
4. 評価の妥当性
評価の妥当性とは、記載されている資産や負債、取引や会計現象の金額その他のデータが正確な方法で評価されていることを指します。監査においては、金額の正確性のみならず、計算方法の妥当性も求められます。
例えば、市場性のある有価証券(=証券取引所または店頭市場でいつでも売ることができる株式)については、時価基準による価格の評価が必要です。
5. 期間配分の適切性
期間配分の適切性とは、取引や会計現象が正しい会計期間で記載されていること、もしくは収益や費用が適切な期間に配分されていることを指します。財務諸表においては、会計期間内の取引などをすべて記載し、期間外のものについては一切記載しないのが原則です。
また、収益や費用については適切な期間に配分されることも求められます。例えば、固定資産の金額について記載する場合は、取得に要した費用を耐用年数に応じて分配することが必要です(=減価償却)。
6. 表示の妥当性
表示の妥当性とは、資産や負債、取引や会計現象などが財務諸表において適切な項目に分類・記載されていることを指します。さらに、各項目が公示されていることも求められます。
いかがでしたか?
アサーションは、財務諸表が適切に作成されているかどうかを判断するための基準であり、「監査要点」「経営者の主張」とも呼ばれます。
この記事を参考に、アサーションの6つの要素についても押さえておきましょう。
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