経営

減価償却とは?基本的な考え方と仕訳のやり方を徹底解説

企業の損益を正しく評価するために、減価償却という考え方は欠かせません。しかし、理解しにくいと感じる人も多いのではないでしょうか。

今回は、減価償却の基本的な考え方と、仕訳の方法について詳しく解説していきます。

減価償却とは、固定資産の購入費用を複数の決算期に分けて計上すること

減価償却とは、固定資産を購入する際にかかった費用を、複数の決算期に分けて費用計上することです。なぜ、このような処理が必要なのでしょうか?

大きな固定資産を購入した決算期にそのまま費用を全額計上するとします。この場合、当期は大幅な赤字ないしは利益の減少が発生します。一方、翌年からは今まで以上の大幅な黒字になります。

このように、もし減価償却を行なわないと、損益計算書で正しく企業の経営実績を把握することが難しくなります。実態を反映しない突発的な赤字・黒字を防ぐために、減価償却が必要なのです。

減価償却ができる固定資産とできない固定資産がある

すべての固定資産について減価償却が行なえるわけではないことに注意が必要です。基本的には「事業に使用している」かつ「時間とともに価値が目減りしていく」固定資産が減価償却の対象となります。

具体的には、有形固定資産であれば建物や自動車、機械設備等は減価償却が可能です。また、ソフトウェアや商標権などの無形固定資産も減価償却できます。

一方で、上記の2つの条件のいずれかに当てはまらないものは償却することができません。たとえば、事業に使用していない遊休資産や、時間によって価値が減少しない骨董品および土地などの資産は減価償却の対象外です。

減価償却を理解するために知っておきたい用語

耐用年数

「耐用年数」とは、法律によって定められた、減価償却を行なう期間のことを指します。耐用年数は車両、建物など、固定資産の種類ごとに定められています。具体的な耐用年数は、国税庁の法定耐用年数の一覧表(https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensuhyo.html)から見ることができます。

減価償却累計額・未償却残高

「減価償却累計額」とは、固定資産の購入から現在までに減価償却を行なった累計金額のことです。また、「未償却残高」とは、購入時の価格から減価償却累計額を差し引いた残高のことを指します。

例えば、30万円のパソコンを購入して、現時点での減価償却累計額が15万円である場合、未償却残高は15万円になります。

備忘価格

備忘価格とは、未償却残高がなくなった固定資産を帳簿上で管理するために資産に残す価格のことです。現在では1円だけ残すように減価償却を行ないます。

例えば、100万円の倉庫を10万円ずつ償却すると、最終的には0円まで償却できてしまいます。しかし、備忘価格を1円残す必要があるため、最後の償却時には99,999円の減価償却を行ないます。

減価償却の方法

減価償却には「定額法」と「定率法」という2つの方法があります。資産によって異なる場合があるので、よく確認しましょう。

定額法では、一定の額を費用に計上する

定額法とは、毎年一定の金額を減価償却する方法です。定額法による減価償却を行なうためには、税務署に償却方法の指定を届け出る必要があります。しかし、建物などは届出の有無に関わらず、定額法による償却を行なうことが必要です。

例えば、自動車の法定耐用年数は一般的には4年です。仮に購入価格が200万円だとすると、定額法での減価償却を行なう場合には、毎年50万円ずつ(4年目には499,999円)減価償却を行なうことになります。

定率法では、未償却残高の一定割合を費用に計上する

定率法とは、未償却残高の一定割合を決算期ごとに減価償却する方法です。特に届け出を行なわない場合、減価償却はこの定率法によって行なわれることになります。償却率は財務省令によって定められています。

平成19年以降に取得された固定資産に関しては、減価償却費が「取得原価×保証率(償却補償額)」を下回らない時点までは、「未償却残高×償却率」分の金額だけ減価償却を行ないます。仮に通常の減価償却費が償却補償額を下回る場合、その年以降は「その時点の未償却残高×改定償却率」分の金額を、定額で減価償却します

なお、平成23年度以前と平成24年度以降で償却率が変わっていることに注意が必要です。

例えば、平成24年度以降に5000万円の食品製造設備を購入したとします。法定償却年数は10年で、財務省令により以下のように償却率および保証率が定められています。

  • 償却率:0.200
  • 保証率:0.06552
  • 改定償却率:0.250

この固定資産を定率法で償却すると、以下のようになります。


6年目で改定償却率を使用した定額の償却に切り替わっていることに注意してください。仮に償却率0.200のままだと、7年目は13,107,200×0.200=2,621,440円償却することになります。一方、償却補償額は50,000,000×0.06552=3,276,000円であり、通常の償却ではこれを下回ってしまいます。

また、10年目には1円を残すことにも留意してください。

減価償却の仕訳の方法

減価償却の仕訳には「直接法」と「間接法」があります。企業によって異なるため、必ず確認の上、仕訳を行ないましょう。

直接法では、固定資産を直接減額する

直接法では、固定資産から直接減価償却費を差し引きます。そのため、借方には費用の発生として「減価償却費」を、貸方には資産の減少として「固定資産」をそれぞれ仕訳します。

 

間接法では、減価償却累計額を資産に計上する

間接法では、減価償却費を「減価償却累計額」という資産の減少として仕訳します

貸借対照表上では、資産の部で固定資産から減価償却累計額を間接的に控除するように記載します。

まとめ

いかがでしたか?

減価償却は一度理解してしまえば、計算や仕訳などもスムーズに行なうことができます。この記事を参考に、業務にあたってみてください。

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