経営戦略・事業戦略

税引前当期純利益に関する基礎知識|把握するメリットも解説

税引前当期純利益という用語を聞いたことはあっても、その詳しい内容までは知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、税引前当期純利益の定義、把握するメリットなどの基礎知識を紹介します。

税引前当期純利益とは、税金を差し引く前の企業の利益のこと

税引前当期純利益とは、法人税などの税金を支払う前の企業の利益を指します。通常の企業活動で得られた利益である経常利益から、突発的な利益や損失である特別利益と特別損失を加減算して求められます。

税引前当期純利益=経常利益(*1)+特別利益(*2)-特別損益(*3)

(*1)経常利益
企業が通常行う経営活動で得る利益のこと。本業で得る営業利益と、保有不動産からの家賃収入など、本業以外で得る営業外利益を合わせたもの。

(*2)特別利益
企業が通常行う経営活動では発生しない、例外的に得られる利益のこと。固定資産や株式の売却、債務免除などによって得た利益などが含まれる。

(*3)特別損失
企業が通常行う経営活動では発生しない、例外的に被る損失のこと。天災などによる損失などが含まれる。

また、税引前当期純利益から税金を差し引いたものを当期純利益と呼びます。当期純利益は企業の最終的な利益を表すため、企業の損益を把握するためにはこちらも確認しておきましょう。

税引前当期純利益を把握するメリット

会社の財政・経営状態を判断する指標になる

税引前当期純利益は、一会計期間に発生したすべての収益から、一会計期間に発生したすべての費用を差し引いた、企業の可処分利益を示しています。そのため、企業が投下した資本を回収できているかを判断する上で重要な数値です。

大まかな納税額の目安を予想できる

税引前当期純利益は、税金の計算対象となる利益です。そのため、税引前当期純利益を把握すると、大まかな納税額の目安を知ることができます。実際の法人税の計算は、税引前当期純利益から経費を加減した上で行われるため、正確な納税額を求めることはできませんが、大体の目安の予想は可能です。

例えば、四半期の税引前当期純利益が1億円、法人税率を25%とすると、1年間の利益が約4億円であるため、およそ1億円が納税額であると予想できます。このように納税額の目安を把握しておくことにより、納税時に向けた資金繰りの計画を立てられるようになります。

経常利益が赤字でも、税引前当期純利益は黒字になり得る

税引前当期純利益は、特別利益や特別損失といった突発的な利益や損失に大きく左右される数値です。そのため、企業の経営状態を判断するにあたって、税引前当期純利益が黒字であっても注意が必要な場合があります。

例えば、経常利益が赤字であっても、保有していた不動産の売却によって特別利益がたまたま大きかった、という場合が考えられます。このとき、特別利益によって税引前当期純利益は黒字になりますが、企業の通常活動で得る経常利益は赤字であるため、企業の経営が不調である可能性も否めません。

企業の経営状態を正しく理解するには、経常利益も含めて精査したり、他の会計年度との比較を行ったりすることが不可欠です。

 

まとめ

いかがでしたか?税引前当期純利益は企業の最終利益に近い数値であり、これを把握することによって企業の経営状態の判断や納税額の予想に役立ちます。
今回紹介したポイントを参考にして、税引前当期純利益に関する理解を深めましょう。

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