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見積原価とは?標準原価との違いや計算方法、注意点を解説
「見積原価」という言葉を聞いたことはありますか?製品を作る際には様々な原価がかかりますが、発注のためには先に見積もりを出す必要があります。
今回は、見積原価の概要と算出方法、注意点について解説します。
見積原価とは、過去の経験や実績から見積もった製品の原価のこと
見積原価とは、製造業において新製品の企画・開発段階で見積もられる製造原価のことです。製造に取り掛かるための材料発注や設備投資を行うために、構想図や設計図などから過去の経験・知識をもとに原価を予測します。見積原価が実際の原価と大きく離れていると、製品が売れても赤字になってしまうおそれがあるため、注意が必要です。
見積原価のメリット・デメリット
見積原価のメリットは、管理が簡単に行えるため事務にかかる時間や経費を節約できることです。
一方で、デメリットは消費量がわからないことや、直接材料費・間接材料費の区別ができないこと、部門や支店別に原価管理が行えないことなどが挙げられます。
理想的な原価を示す標準原価とは異なる
見積原価の他にも、標準原価という原価もあります。
標準原価も見積原価と同じく製造前に求められる原価です。見積原価は「通常、製造が完了する日数」で計算された原価である一方、標準原価は「何のトラブルもなく、スムーズに製造が完了する日数」で計算された原価です。
また、実際原価という原価もあり、こちらは製造が終わった後に、実際にかかった費用やコストなどから算出した原価を指します。標準原価と実際原価を比べることで、より原価を抑えるために改善すべき点を分析できます。
見積原価の算出方法
見積原価の算出方法は3種類あります。
- 経験見積法(勘見積法)
ベテランの勘・経験をもとに、原価を見積もる方法です。容易に運用できますが、実際の原価との差が出やすい、ベテランの退職に伴って運用が難しいなどのデメリットがあります。
- 比較見積法(類似見積法)
類似の既存商品の原価を参考に、仕様の差などを比較して原価見積を行う方法です。こちらも運用開始は容易ですが、担当者の知識や経験によって結果が左右されてしまうおそれがあります。
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概算見積法(コストテーブル法)
製品の原価を構成する要素(原価要素)を表にしたものであるコストテーブルを用いて、部品ごとの材料費や加工費を積み上げ算出する方法です。論理的に数値を算出できますが、構築や運用が難しく、手間がかかってしまうというデメリットがあります。
見積原価算出時の注意点
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見積原価を算出する範囲を明確にする
見積原価を算出する際は、全体の原価を出す必要があります。材料費や直接加工費、間接費など、出すべき原価を明らかにし、漏れがないよう注意しましょう。 -
見積原価はできるだけ正確に算出できるよう心がける
不確定要素もありますが、見積原価を出す際は様々な点を考慮して、できるだけ正確な数値を出せるよう努めましょう。例えば、部品などを仕入れる際の値段は、仕入れを担当する部署からは高めに、仕入先からは安めに見積もられる場合が多いです。こういった点を考慮したり、コストテーブルを使用するなどして、実際の価格とのズレを減らしましょう。 -
販売目標を管理する
原価には固定費というものが存在します。これは、光熱費や人件費、機械のリース代など、販売個数とは無関係に事業を行う上で必ずかかる費用を指します。商品1つあたりの固定費は販売個数が多くなるほど低くなるため、販売目標が曖昧だと見積原価と実際の原価にズレが生じてしまいます。販売目標を定める際は、今までのデータなどから根拠のある数字を出すようにしましょう。
いかがでしたか?
赤字を出さないためには、できる限り正確な見積原価を算出することが求められます。見積原価の正確な数値を出すのは困難ですが、注意点を踏まえることでズレを抑えられる可能性があります。この記事を参考に、見積原価に関する知識をつけましょう。
まずはこれだけ。新規開拓営業を始める時の心得
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