経営

【例題付き】個別原価計算を解説します|総合原価計算との違いも

原価計算には様々な計算手法が存在し、その中のひとつに「個別原価計算」があります。これは異なる商品を製造する際に活用されています。

今回は、個別原価計算について概要や総合原価計算との違い、計算方法の流れを解説します。

個別原価計算とは、商品ごとに原価を計算する方法

個別原価計算とは、異なる商品を製造する際にそれぞれの原価を計算し、集計する方法です。オーダーメイドなど、受注する顧客によって商品の仕様が異なる場合、その際にかかる原価も商品ごとに異なります。それらの原価を正確に把握するためには、商品ごとに計算を行なう個別原価計算が適しています。

総合原価計算との違い

個別原価計算と対になる計算方法として、総合原価計算があります。
総合原価計算とは、1か月ごとなど一定期間で使用した原価を合わせて計算する方法です。全体としての原価を求めるため、同じ商品を連続して製造する大量生産を行なっている場合に適しています。

【例題付き】個別原価計算の流れ

【例題】
商品A・商品B・商品C、それぞれの製造原価を求めよ。活用される指標は以下の通り。

直接材料費 @¥500
直接労務費 @¥990
直接経費 表にある通り
製造間接費 ¥800,000(直接材料費を基準とする)

商品A 商品B 商品C
直接材料費消費量 300㎏ 100㎏ 220㎏
直接労務費作業時間 90時間 240時間 100時間
直接経費 90,000 50,000 100,000

1. 直接材料費・直接労務費・直接経費をそれぞれ計算し、直接費のみの製造原価を算出する

商品Aの製造原価(直接費のみ)

直接材料費 = 500 × 300 = 150,000
直接労務費 = 990 × 90 = 89,100
直接経費 = 90,000
直接費合計 = 150,000 + 89,100 + 90,000 = 329,100

商品Bの製造原価(直接費のみ)

直接材料費 = 500 × 100 = 50,000
直接労務費 = 990 × 240 = 237,600
直接経費 = 50,000
直接費合計 = 50,000 + 237,600 + 50,000 = 337,600

商品Cの製造原価(直接費のみ)

直接材料費 = 500 × 220 = 110,000
直接労務費 = 990 × 100 = 99,000
直接経費 = 100,000
直接費合計 = 110,000 + 99,000 + 100,000 = 309,000

2. 製造間接費は、一定の基準に従って配分された金額で計算する

直接費はそれぞれ計算し、原価として算出することができます。しかし、間接直接費・間接労務費・間接経費を合わせた製造間接費は、全ての商品に横断して活用しているため、特定の商品の原価として計算することができません。そこで、個別原価計算では一定の基準に従って製造間接費を配分します。この作業を「配賦」と言います。

配賦の基準となるものは、直接材料費の消費量・直接労務費の作業時間など、組織の計算方法や問題によって変化します。ここでは直接材料費の消費量を基準として計算します。製造間接費を直接材料費の消費量合計で割り、配賦率を算出します。

配賦率 = 製造間接費 ÷ 直接材料費の消費量合計 = 800,000 ÷(300+100+220)≒ 1,290

算出した配賦率をそれぞれの直接材料費消費量にかけて、製造間接費を求めます。計算式は以下の通りです。

商品Aの製造間接費 = 1,290 × 300 = 387,000
商品Bの製造間接費 = 1,290 × 100 = 129,000
商品Cの製造間接費 = 1,290 × 220 = 283,800

3. 直接費と製造間接費を合計して、製造原価を求める

それぞれ算出した直接材料費・直接労務費・直接経費、配賦して求めた製造間接費を合計すると、製造原価が求められます。表にすると、以下のようになります。

商品A 商品B 商品C
直接材料費 150,000 50,000 110,000
直接労務費 89,100 237,600 99,000
直接経費 90,000 50,000 100,000
製造間接費 387,000 129,000 283,800
製造原価 716,100 466,600 592,800

 

まとめ

いかがでしたか?
個別原価計算とは、商品それぞれの原価を求める計算手法です。オーダーメイドなどで様々な種類の商品を製造する際に活用されます。この記事を参考に計算方法を身に着けて、活用してみてください。

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