AIDMA・AISASなどのBtoCビジネスにおける購買プロセスはご存知の方も多いと思いますが、BtoBビジネスの購買プロセスはより複雑で合理的な意思決定が行われます。
そこで今回は、BtoBビジネスにおける購買行動プロセスについてご紹介します。
購買行動プロセスを理解する重要性
インターネットの普及などにより顧客の購買行動プロセスが大きく変化しており、以前と比較して顧客に商品・サービスを購入してもらうことが難しくなっています。
特に、BtoBビジネスにおける購買行動プロセスは複雑であるため、BtoB企業が商材を購入してもらうためには、企業の購買行動プロセスを理解することが非常に重要です。このプロセスに沿うようにマーケティング・営業活動を行うことで、より商品・サービスを購入してもらうことが可能になります。
BtoBビジネスとBtoCビジネスにおける購買行動プロセスの違い
BtoCビジネスでの顧客は個人です。個人消費者の購買行動プロセスには、AIDMA(Attention・Interest・Desire・Memory・Action)やAISAS(Attention・Interest・Search・Action・Share)などといった有名な購買行動モデルがあります。
しかし、BtoBビジネスでの顧客は個人ではなく組織人となります。企業では購入する商品やサービスの利用者と担当者および決裁者が異なることが多くあり、より複雑で合理的な判断が行われます。
BtoBビジネスにおける購買行動プロセス
BtoCビジネスには確立された購買行動プロセスモデルがありますが、BtoBビジネスにおける企業の購買行動プロセスモデルは明確化されていません。その中でも、一般社団法人日本BtoB広告協会副会長などを務めた河内英司氏が提唱する企業購買プロセス「ASICA(Assignment・Solution・Inspection・Consent・Action)」を紹介します。
Assignment(課題)
最初の企業購買プロセスの段階は、Assignment(課題)です。企業購買プロセスでは、企業や組織が抱えている課題を認識することから始まります。この課題とは、顕在化しているものだけでなく、潜在的な課題も含みます。
従って、BtoB企業がマーケティング・営業活動を行う際には、ターゲット企業の抱える課題を洗い出し、認識させることから始める必要があります。
Solution(解決)
次の企業購買プロセスの段階は、Solution(解決)です。企業は抱えている課題を認識しすると、放置するのではなく、それらの課題を解決する手段を探します。
従って、BtoB企業が行うべきことは、ターゲット企業が抱えている課題の解決策を提案することです。この段階が最も重要と言っても過言ではありません。しかし、解決策を提示するためには課題を正確に把握する必要があります。
Inspection(検証)
次の企業購買プロセスの段階は、Inspection(検証)です。企業では、提案された解決策が有効であるかを検証します。ここでは、費用対効果や競合他社との比較が行われます。
従って、BtoB企業は多様な側面からの解決策の有効性や競合他社と比較した自社の優位性などを提示する必要があります。
Consent(承認)
次の企業購買プロセスの段階は、Consent(承認)です。企業では、検証が終了した後に承認が行われます。これは企業に特有の段階で、ここでの承認とは稟議書などでの承認だけでなく、上司などの同意も含まれます。
企業では商品の利用者と決裁者が異なるため、決裁者は承認の段階で初めて商品情報を知ることもあり、利用者とは異なる視点で商品・サービスの優位性や費用対効果を検討します。さらに、担当者が承認を得る際にプレゼンテーションを行うことも考えられます。
従って、利用者や担当者向けの情報だけでなく、決裁者向けの資料やパワーポイント用の資料などを提供することで、承認を円滑に進めるだけでなく、担当者から信頼を得ることにもつながります。
Action(行動)
最後の企業購買プロセスの段階は、Action(行動)です。Assignment(課題)から始まりSolution(解決)、Inspection(検証)、Consent(承認)を経て購入に至ります。
BtoBビジネスはBtoCビジネスと比較して、一度の購入で終わりではなく、購入をきっかけに更なる関係を構築することで、一般に取引期間が長く、取引額が多くなる傾向があります。
いかがでしたか?今回は、BtoBビジネスにおける購買行動プロセスをご紹介しました。
ターゲット企業での購買行動プロセスを理解して、自社のマーケティングや営業活動に活かしてみてはいかがでしょうか。
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