スマートフォンやタブレット端末が普及したことで、IT技術が様々な業界で活用されるようになりました。そこで生まれたのがフィンテックなどを含む「X-Tech」という概念です。
今回は、X-Techの概要や代表的な例を解説します。
目次
X-Techとは、ITを活用した新たな価値や仕組みを提供するビジネスモデル
X-Tech(クロステック)とは、ITを活用し既存のものに新しい価値や仕組みを組み合わせて提供するビジネスモデルを指します。掛け合わせることを意味する「X(=クロス)」と、Technologyの「Tech」を組み合わせた造語です。
既存の業界にITで新しい価値・仕組みを提供できるようになるため、金融や農業など様々な業界で活用されています。代表的な例は、記事の下部で説明します。
X-Techの普及が進む背景
スマートフォンなどの普及により、顧客と接点が持ちやすくなった
スマートフォンなどが社会に普及したことにより、多くの人が家だけでなく外出先でもインターネットにアクセスできる環境を持つようになりました。そのため、企業がITを活用して顧客と接点を持てる機会が増え、IT技術を活用したX-Techの様々なサービスが誕生しました。
DXにより、AIやビッグデータなどサービスに活用しやすくなった
IT機器の普及に合わせて、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進められたことにより、これまで専門の業種でしか活用できなかったAIやビッグデータを簡単に活用できるようになりました。そのため、既存のビジネスモデルにIT技術を関連付けるのが難しかった業界でも、AIやビッグデータ、IoTなどを活用した画期的なサービスが生まれるようになりました。
DXについては、以下の記事でも詳しく記載していますので参考にしてみてください。
代表的なX-Techの例
金融:Fintech(フィンテック)
「Finance(金融)」×「Technology(技術)」を掛け合わせたものを指します。X-Techの中でも最も有名であり、モバイル決済や家計簿アプリなど生活に浸透しているサービスも多くあります。今後はブロックチェーンなどの技術の発展により、仮想通貨の分野がより発展すると考えられています。
- PayPay株式会社:モバイル決済
- 株式会社マネーフォワード:家計簿アプリ/会計ソフト
- READYFOR株式会社:クラウドファンディングサイト
- コインチェック株式会社:仮想通貨取引サービス
農業:AgriTech(アグリテック)
「Agriculture(農業)」×「Technology(技術)」を掛け合わせたものを指します。ビッグデータを使った農作物の管理や、IoT・ドローンを活用した農業機械の自動化などがあります。農業従事者の高齢化問題や異常気象による農作物の不作を解決すると考えられています。
- ヤンマーホールディングス株式会社:農業機械の自動化・ロボット化
- 株式会社アグリメディア:遊休農地や遊休地の活用/農業求人サイトの運営
教育:EdTech(エドテック)
「Education(教育)」×「Technology(技術)」を掛け合わせたものを指します。義務教育のプログラミング必修化や、タブレット端末を使った授業を取り入れる学校が増えるなどEdTechの分野が活発化していると言えます。また、企業の研修でも活用されるe-ラーニングもこれに当たります。
- スタディサプリ株式会社:学習管理アプリ
- 株式会社レアジョブ:オンライン英会話サービス
広告:AdTech(アドテック)
「Advertisement(広告)」と「Technology(技術)」を掛け合わせたものを指します。広告主・広告媒体の両方の利益を最大化することを目的とされています。そのため、DSPなど広告主側が利用するツールや、アドネットワークなど広告媒体側が利用するツールと、様々な種類があります。ツールの内容については、以下のページでも詳しく記載していますので、参考にしてみてください。
- 株式会社フォーイット:ASPを運営
- 株式会社CyberZ:スマートフォン広告の運用・効果検証
人材:HRTech(HRテック)
「Human Resources(人事・人材)」と「Technology(技術)」を掛け合わせたものを指します。求人や面接などの採用過程に活用するツールや、人材の育成や配置など人事担当者の業務を効率化させるツールがあります。
- ウォンテッドリー株式会社:求人情報ウェブサイト/ビジネスSNS
- 株式会社カオナビ:人材情報管理/人材配置
- Chatwork株式会社:ビジネスチャットツール
政治:GovTech(ガブテック)
「Government(政治)」と「Technology(技術)」を掛け合わせたものを指します。役所の手続きや申請のデジタル化・効率化を目的としています。日本ではマイナンバーカードの手続きやふるさと納税などの場面で活用されているものが多くあります。
- xID株式会社:デジタル身分証アプリ/電子署名プラットフォーム
- 株式会社トラストバンク:ふるさと納税総合サイトの運営
いかがでしたか?
X-Techは、ITを活用して既存のものに新しい価値や仕組みを提供します。金融や農業、政治などの様々な分野で活用されており、今後も広がっていくと考えられます。この記事を参考に、X-Techの概念を理解しておきましょう。
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