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ニッチャー戦略で独自性を築く|意味や取るべき戦略、課題を解説
ニッチャーという言葉をご存知ですか?聞いたことはあるけれど、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、意味やニッチャーが取る戦略、そして課題を解説します。
目次
ニッチャーとは、小さい市場領域で独自の地位を築く企業のこと
ニッチャーとは、コトラーが提唱した企業の競争地位の分類の1つです。企業は市場競争での地位によって「リーダー」「チャレンジャー」「フォロワー」、そして「ニッチャー」の4種類に分類され、それぞれの競争地位に応じた戦略を取ることが望ましいとされます。
リーダー | 市場で最大シェアを持ち、業界を牽引する企業 |
チャレンジャー | 市場で二番手以降の位置にあり、トップを狙う企業 |
フォロワー | 市場のトップは狙わず、競合他社の戦略を模倣する企業 |
ニッチャー | シェアは高くないが、小規模市場で独自性を持つ企業 |
ニッチャーは、市場の特定の小さな領域において、専門性やブランド力といった独自性を持つことで生き残る企業です。
この小規模の市場は「ニッチ」と呼ばれ、大企業が関心を持っていなかったり、参入しようとしなかったりする分野です。ニッチ市場は経営資源が少なくても参入できるため、ニッチ市場から事業を始める企業もあります。
ニッチャーは、リーダーなどの他の競争地位にある企業に比べて事業規模やシェアは小さく、経営資源の量も少ないですが、経営資源の質や独自性は高いという特徴があります。
ニッチの種類
ニッチの例として、以下が挙げられます。
技術ニッチ | 必要な技術を他の企業が持っていない市場 |
チャネルニッチ | 他の企業が押さえられない販売ルートを通じた市場 |
特殊ニーズニッチ | 一般的ではない特殊なニーズに対応した製品・サービスの市場 |
空間ニッチ | 都道府県など、空間的に限られたエリアに存在する市場 |
時間ニッチ | 特定の時間や時期にニーズが集中する市場 |
カスタマイズニッチ | 顧客の要望に応じてカスタマイズされた製品・サービスの市場 |
ニッチャーの具体例
セイコーマート
セイコーマートは北海道に特化して店舗を展開しているコンビニエンスストアで、空間ニッチにあたります。セブンイレブンを始めとする大手のコンビニエンスストアに比べて、北海道に物流ネットワークや地域密着型のビジネスモデルを構築しています。それにより、北海道内ではトップのシェアを誇っているのです。
タカラベルモント
タカラベルモントは、特殊なニーズに対応している理容・美容機器メーカーです。化粧品だけでなく、美容院などで使用される椅子という特殊なニーズに対応することで圧倒的なシェアを獲得しています。
ニッチャーの具体例については、この記事も参考にしてみてください。
ニッチャーがとる戦略
周辺の需要を拡大する
新しいターゲットや用途などを開拓して需要を拡大することで、追随する企業を抑える戦略を取ります。ニッチ市場で優位に立ち続けるためには、常に市場を見渡してニーズを把握し、それを満たす製品の開発に取り組むことが重要です。
ニッチ市場の二番手以降を模倣し、差別化を防ぐ
市場の二番手以降であるチャレンジャーは、市場の首位にいる企業の製品と異なるものを提供することで差別化を図ります。これに対して、市場で首位に立っている企業は二番手以降を模倣することで差別化を阻止する「同質化戦略」を取ります。規模の小さいニッチ市場であっても、追随する企業が取る差別化戦略を防ぐためにニッチャーは同質化戦略を取ることが重要です。
ニッチャー戦略の課題
市場を確保し続けることが難しい
一度ニッチ市場を確保できても、そのまま確保し続けるのは簡単ではありません。市場にニッチャーより経営資源の多いフォロワーが現れ、戦略を模倣されてしまう可能性があります。模倣を防ぐのは難しいですが、よりユニークな市場に特化したり、独自性を高めたりすることが重要です。
市場が変化する可能性がある
小さなニッチに特化していると、環境変化によって市場そのものが消滅してしまうリスクがあります。
逆に、ニッチの市場規模が大きくなると、豊富な経営資源をもつ企業が参入してしまいます。ニッチャーは経営資源が比較的少ないため、独自性が失われてしまうと大手企業に抑えられてしまいます。
対策としては、複数のニッチ市場を対象に事業を展開するといったリスク回避が挙げられます。
ニッチャーは、小さなニッチ市場で独自性を持つ企業です。ニッチャーをはじめとする競争地位という考え方を、ぜひマーケティング戦略の参考にしてみてください。
まずはこれだけ。新規開拓営業を始める時の心得
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