ラテラルシンキング(水平思考)をご存知でしょうか?これは、問題解決の手法としても注目されている思考法です。この記事では、ラテラルシンキングで用いられる発想法や鍛えるコツを紹介します。
目次
ラテラルシンキングは、多角的で自由な視点から斬新な発想を生み出す思考法
ラテラルシンキング(水平思考)とは、既存の概念や常識にとらわれることなく、多角的な視点から斬新な発想を生み出す思考法です。
ラテラルシンキングは、1960年代にエドワード・デボノ博士が提唱しました。
ロジカルシンキング(論理的思考)などの従来の思考法は物事を論理的に深堀りするには有効ですが、斬新な発想は生まれにくいという欠点があります。デボノ博士は、こうした従来の思考法を「垂直思考」と表現しました。
それに対して、ラテラルシンキング(水平思考)では、多角的で自由な視点から物事を見ることにより斬新な発想を生み出せます。
ここで、ラテラルシンキングの例題を1つ紹介します。
問題:10個のオレンジを3人で公平に分けるにはどうすればいいか?
ロジカルシンキングでは、「3個ずつ分け、残り1個を三等分する」という解答が考えられます。
一方、ラテラルシンキングでは、オレンジのまま分けるという固定観念を取り払うことで「オレンジジュースにして三等分する」といった解答が考えられます。
ラテラルシンキングは問題解決の手法として注目されている
業績が停滞している状況や競合他社との差別化が不十分な局面において、現状を打破するには既存のアイデアだけでなく斬新な発想が必要となります。また、時代の変化に応じて、従来にはなかった問題に対する解決策が求められています。
こういった背景もあり、ラテラルシンキングは問題解決の手法としてマーケティング、商品開発、企業戦略の決定など、多くのビジネスシーンで活用できます。
他の思考との違いと関係性
ロジカルシンキング(論理的思考)
ロジカルシンキングは、物事を体系的に整理して、矛盾や飛躍がないように筋道を立てる思考法です。そのため、ロジカルシンキングでは、論理的に正しい1つの結論が導き出されます。
一方、ラテラルシンキングは多角的で自由な視点から問題解決を図るので、結論は1つではありません。
ロジカルシンキングとラテラルシンキングは、組み合わせることで相互補完ができます。ラテラルシンキングで新しい発想を生み出し、それをロジカルシンキングで1つの結論に導くことができるのです。
ロジカルシンキングについては、この記事も参考にしてみてください。
クリティカルシンキング(批判的思考)
クリティカルシンキングは、自分の論理を批判的に見つめることで物事を多角的に検証し、客観的に思考する方法です。
クリティカルシンキングとラテラルシンキングでは思考の過程が異なります。
クリティカルシンキングは、物事について考えたり問題の解決策を探る際に「論理に抜けや漏れはないか」「例外や別の可能性はないか」と問い続けて分析します。それに対して、ラテラルシンキングは既成概念や常識を外して自由に発想します。
ラテラルシンキングで生み出した発想を、クリティカルシンキングを用いて再検討することで、より精度の高い結論を導き出せます。
クリティカルシンキングについては、この記事も参考にしてみてください。
ラテラルシンキングの発想法
ラテラルシンキングを行う際には、以下のような発想法を活用します。
- 改善法
既存の製品やサービスに対する要望や不満をヒアリングし、それをもとに改善策を考えます。 - 翻訳法
他の国や業界、企業にあるものを自社にあてはめて考えます。 - 合体法
異なる分野のものを組み合わせる発想法です。 - ランダム発想法
無作為に選んだ物事と、自分に関係する分野を結びつけることで新しい発想を生み出します。 - 刺激的発想法
ある物事に対して、一部を誇張したり無くしたりと様々な発想を出し、その中で最も斬新なものをもとにアイデアを生み出します。 - 挑戦的発想法
「なぜその物事が存在するのか」「なぜそうなっているのか」を考えることで新しいアイデアを生み出します。 - 反証的発想法
常識とされていることに疑問を呈して、それに対する反証を考えることでアイデアを生み出します。
ラテラルシンキングを鍛えるコツ
複数の視点を持つよう心がける
ビジネスにおいて、常識や固定概念に囚われることが多くあります。ラテラルシンキングを行い斬新な発想を生み出すには、複数の視点を取り入れて思考の制約を取り払うことが重要です。
ラテラルシンキングを実践する
ラテラルシンキングを実践することで、ラテラルシンキングを身に付けて鍛えることができます。ビジネスに限らず、日常生活でもラテラルシンキングを実践してみましょう。
思考パターンを変える
自分が陥りやすい思考のパターンを認識し、あえてその思考パターンから変えることも有効です。例えば、論理的に考えることが多いなら直感的に考えてみるとよいでしょう。
ラテラルシンキング(水平思考)は、多角的で自由な視点を持つことで斬新な発想を生み出す思考法です。問題解決の手法として、多くのビジネスシーンで用いることができます。ぜひこの記事を参考にして、ラテラルシンキングを実践してみてください。
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